画像をお借りしております。

2枚目右上の物体は映画を観てのお楽しみです♪




『川っぺりムコリッタ』観てきました。


・ムコリッタ=牟呼栗多


仏教における時間の最小単位に

【刹那】がありますが、

【刹那】が0.013秒であるのに対して

【牟呼栗多】は約48分だそうです。


【刹那】が短い時間を大切に生きよ、という

教えの言葉として用いられるならば

【牟呼栗多】は ささやかな幸せなどを

意味するようです。



たまに邦画を観るのですが

今作は荻上直子監督作…に興味があり

観てみようかな~って。


荻上直子監督

2006年に群 ようこさん原作の

『かもめ食堂』が有名?ですが

この頃は長女が赤ちゃんで映画どころではなかったかな。


私にとっての荻上直子監督初作品は

2017年の『彼らが本気で編むときは、』

生田斗真さん、桐谷健太さんが出演されていて、

生田斗真さんがトランスジェンダーの女性役という

とても難しい役どころを素晴らしく演じて

いらっしゃったと、記憶に残っています。



『川っぺりムコリッタ』


詐欺で服役を終えて

見知らぬ土地へやって来た山田。

川沿いの昔ながらのアパート(長屋)での

新しい生活が始まる。

紹介された塩辛工場での仕事があるが、

貧困や孤独など人生投げ出した感のある

山田。


そんな一人暮らしが

まわりの人達によって

ままならない一人暮らしになって行く…




松山ケンイチ

ムロツヨシ

満島ひかり

吉岡秀隆

緒方直人

柄本佑

笹野高史

田中美佐子

薬師丸ひろ子(声の出演)

などなど豪華なキャスティングでした。


松山ケンイチさん

実は映画にしてもドラマにしても

作品を観たことがありませんでした。


今までに出演された作品が趣味趣向と

違っていたからだとは思いますが、

今更ながら素敵な俳優さんだな…と。


腰に手をあてて、風呂上がりの牛乳を

飲む姿が似合い、

炊き立てホカホカの白いごはんを食べる姿が

なんとも気持ち良いことか。



ムロツヨシさんは、当たり役の?島田。

あの図々しいけれど憎めない隣人役は

この人以外には演じられないでしょ!

という役どころで、もう少し島田の過去を

掘り下げて欲しかったかな…とも

個人的に思いました。


吉岡秀隆さん、緒方直人さんは

あ~素敵な歳の重ね方だなぁ~て。

顔の見た目は若い頃と変わらないくらい

なのに、深みが増すというか…

なんだか安心感を感じたくらいです。


笹野高史さん、柄本佑さんも

欠かすことの出来ない役どころで…


田中美佐子さんは『彼らが本気で…』にも

出演されていたので監督のこだわりが

あるのかなぁ~なんて感じたり。


声の出演をされていた薬師丸ひろ子さん、

鑑賞中は全く気付きませんでした。が、

あの独特な「間」が薬師丸ひろ子さん

ならではだなぁと思った次第です。



スクリーン全体から仄かに伝わる昭和感

ノスタルジックな風景からも

どことなく懐かしさを覚える感じ…。


なんとなく重くなりがちなテーマを

さらっと明るくユーモラスに描かれていて、


ささやかではなく

きちんとした幸せを感じられました。


友達や家族ではない

でも孤独ではない。


孤独死や遺骨引き取りなどの現代における

リアルな問題や、ともすれば

ひとりが当たり前の世の中でも不思議では

なくなった混沌とした社会の中で、

じわっと心に沁みる作品でした。


少し触れましたが

今作は遺骨…がポイントだったりします。

荻上直子監督のこだわり…伝えたいことが

凝縮されているのかなぁと

感じたりしました。



何年も音沙汰のなかった父親の

遺骨引き取りに戸惑ったり、

妻の遺骨を粉砕して火薬と混ぜて

打ち上げたり…

樹木葬の傍ら遺骨を手放せないでいたり…

彩瀬まる さんの『骨を彩る』を思い出しました。




見終わったあと

川っぺりを散歩したいなぁ~

なんて感じる作品でした。



にしても、

何かを食べるシーンが多く

皆さんの見事な食べっぷりに

幸せな気持ちになりました。


幸せそうな食べている顔を見ると

こちらまで幸せが伝染します。




不思議ですね照れ