父です。
中学受験で、志望校選びの際の、数多くある内の一つのメルクマールが、「東大合格者数」だと思っています。
ただ、「東大合格者数が多いから、この中高一貫校は良い。」とは一概に言えない、と考えています。
※なお、この記事は、個人的見解・個人的経験に基づくものなので、その点ご了承ください。
(また、「文二」「理二」に対して否定的な考えを前提としているものでも全くありません。)
毎年春、サンデー毎日などで東大合格者数ランキングが発表されますが、その際留意すべきなのが、
科類別の、「文一」と「文二」、「理一」と「理二」との合格者数のバランスです。
「文二」合格者が「文一」合格者よりも、明らかに多い場合
または、「理二」合格者が「理一」合格者よりも、多い場合
には、その高校が、東大合格者数を稼ぐために生徒の意向に反して、東大受験を強いている可能性があります。
以下、理由です。
「文一」の方が「文二」よりも難易度が高く、
「理一」の方が「理二」よりも難易度が高いことは、ここ数十年変っていません。
そして、高校生の時に、東大進学を目指すとして、確かに初めから
「経済学部に行きたいから文二を受けたい。」
「農学部に行きたいから理二を受けたい。」
と思っている生徒も一定数います。
ただ、実際は、
「文一合格が難しそうだから文二合格を目指す」
「理一合格が難しそうだから理二合格を目指す」
という生徒も、まあまあの割合でいます。
ここで、問題なのは、ある生徒が、「法学部、または、工学部に行きたい」と考えているとします。
でも高3になって、東大文一、東大理一は合格が難しそうだから、例えば「一橋法」「東工大4類or5類」に志望変更しようとした場合に、
高校によっては、進路指導担当や担任教師から
「取りあえず君は、東大文二なら(あるいは東大理二なら)行けると思うから、東大入っておいたら?」
「取りあえず東大入っておけば、進振りがあるから、大学でも頑張って勉強して、その時に法学部や工学部目指せばいいんじゃない?」
という指導を受けることがあると聞いています(ただ、実際には、文二から法学部進学は至難の業です)。
あとは、
「君は、文一(理一)狙えるかもしれないけど、現役で合格しておいた方がいいから、安全に文二(理二)受けておいた方がいいよ。」
といった進路指導をされた、という学生も実際にいました。
このような進路指導を、学校側が生徒に対してしていくと、
「文一より文二の方が、または、理一より理二の方が、不自然に合格者が多い。」
という高校が毎年現れるのです。
高校3年生の将来の夢を、学校側の意図で曲げようとしていたとしたら、私は好きではありません。
以上、あくまでも私見です。
※注釈(定員は2018年入試)
「文一」・・・ほとんどが法学部に進学、定員401名
「文二」・・・ほとんどが経済学部に進学、定員353名
「理一」・・・工学部、理学部などに多くが進学、定員1108名
「理二」・・・農学部、薬学部などに多くが進学、定員531名
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