とうとうこの時がやってきました。
卵を孵し、ひよこから育てたにわとりを自分で締める…!
今回選んだのは、さぶちゃんです。
さぶちゃん、私に対しては大人しい子でよく甘えるし、残ってるオスのヒナの中では一番小さいんですが…。
くろちゃんの左にいるのが、さぶちゃんです。
さぶちゃんは、良く言えばマイペースでおっとり、かなり鈍くさいひよこでした(笑)
手のひらの上でざぶとん座りで寝てしまう子で、だから「さぶちゃん」になったんです。
最初はくろちゃんと同様、少食で体が小さくて。
5ヶ月ちょっとですね、無事に大きくなってくれました(*´ω`*)
先日、農家さんとこで預かってもらってた2羽で、絞め方と捌き方を教えてもらってきたんです。
(↑これはまだ吊るしただけの状態。にわとりは、足を持って吊り下げると、びっくりするくらい大人しくなることを知りました!
しろちゃんと社長は、見違えるくらい大きくなってました)
前にも一度、別の農家さんとこで教えてもらったんですが、色んなやり方を知っておきたいのと、少しでもにわとりに負担のない絞め方をしたくて。
中途半端な思い込みでやって、不必要に苦しませたくないですから…。
他にも、こんなページを参考にさせてもらいました。
まずは、そ嚢を空にするために、さぶちゃんだけ朝から絶食。
お昼から始めました。
両足を持たれてから木に吊るされ、絶命するその時まで、さぶちゃんは一言も鳴かなかったです。
今回は、頸動脈を切って失血死させるという方法です。
吊るしたさぶちゃんは、いつも通りつぶらな瞳でこちらを見てて、体を撫で、頭を撫で、
ほっぺたを撫でると、これまたいつも通り気持ちよさそうに目を細めて。
一瞬迷いました。
でも、この時間もさぶちゃんにとっては苦痛なはず。
「さぶちゃん、ごめんね、苦しくないようにするでね」と、刃を入れました。
一回でキメてあげられなくて、先日よりも絶命までの時間がかかっちゃった(*_*)
羽と肛門が開ききって絶命を確認した後、「さぶちゃん、ごめんね、大事にいただきます」と手を合わせました。
ここからは時間との勝負!
美味しくいただくために大事なことです。
準備しておいた家の裏手に急ぎます。
掴んださぶちゃんの両足は、みるみる冷たくなってく…。
65℃のお湯でじゃぶじゃぶ湯浸けして、羽をむしったあと。
こうなると、もうお肉ですよね。
(湯浸けしないでむしるのはすっごい大変です…湯浸けは必須だと思う)
大事なのは、湯浸け後すぐ、一旦しっかり冷やすこと!
魚も絞めたあと氷水に浸けて、内臓までしっかり冷やしきることが鮮度を保つのに大切ですもん。
内臓は腸内細菌の働きもあって温度が下がりにくく、腐敗に向かう一番の原因になってしまいますから。
さぶちゃんはお父さんが烏骨鶏なので、皮や骨・筋膜などが黒いです。
上のバットが正肉、下がササミとその他の部位。
四苦八苦しながらも、なんとか捌き終えました。
先日ひと通りやったとはいえ、なかなか細部まで覚えてない…(^_^;)
捌き方は、最初に内臓を出してしまう(中抜き)やり方と、今回のように内臓を触るのは最後にするやり方と、2種類あるようです。
どちらもその理由は、内臓には消化液や消化中の食べ物が入ってるので、それが可食部に触れないように、ということでしょう。
ボウルには、外した頭とガラ、それと足。
ホーロー容器に入れたものが食べられない部位、この時点で捨てるものです。
ぼんじりの中央部(臭腺と骨がある)、そして砂肝以外の内臓、これだけなんですよ!
すごいですよね、にわとりって。
お肉たちを冷蔵庫に運び、後片づけや畑などしてたらいい時間になったので、さっそく夜にいただきました。
先日、農家さんとこで教わったやり方で(*´ω`*)
ササミはお刺身、ポン酢がけに。
ついでに肝臓も生でパクリ…すっごく甘い(*_*)
実は、市販のオーガニックチキンですら臭みが気になって食べられなくなって、うちでお肉を食べるのは何年ぶりやろ…。
さぶちゃんは完全なるオーガニックチキン。
しかも、合成洗剤や消毒薬など、意図せず入る物質は皆無だと断言できる、
探しても手に入らないオーガニックチキンです!
これでも食べられなかったらどうしようと考えたこともありましたが、そんな心配は全く不要でした(*´ω`*)
スキレットで鶏脂を炒め、その脂で焼いていきます。
味付けは塩、のみ。
ササミ、肝臓、心臓、脾臓、肺、ハラミ、砂肝、背肝、白子、ぼんじり、皮。
畑のネギも一緒に焼きました。
(気管も食べれる部位です、軟らかいウロコが重なったような食感でした)
ちなみに、ちーちゃんは全ての部位をもらって生で食べてます。
(夕方に首部分の生骨ごとみじん切りを平らげた後なんですが…)
ちーちゃんはどうやらお気に召した様子で、まな板の横で待機を決め込む作戦(笑)
まだまだ体調が安定せず痩せっぽっちなので、滋養たっぷりのものをたくさん食べてくれるのはうれしいです。
しょうたさんは興味を示しながらも、「ぼく、ササミだけでいい」という感じ。
二人の好みは本当に違います(^_^;)
↑あまりに脂が飛ぶので、新聞紙をひいてみた。
これはヤバい…美味しすぎる(*_*)!
臭みは全くないのに、甘みと旨味が強い!
「さぶちゃん、美味しいよ」
昔は、飼っている家畜を絞めて食べる、これはハレの日のごちそうやったんですよね。
それをしみじみ感じました。
美味しいけど、これは毎日食べるものじゃない。
こんなに重みのある、栄養のあるもの、とてもじゃないけど毎日食べれない(*_*)
うちのおんどりは、早朝だけじゃなくて夜中も鳴いてるので、いかにも近所迷惑やし次々と絞めようと思ってましたが、…止めました。
(おんどりは夜中にも鳴くことがあるらしく、烏骨鶏は特に深夜0時頃に鳴くという話も多く出ています。)
鳴かせない工夫、もう少し考えてみよう。
最後にこれは、先日のレクチャーの時のしろちゃんと社長の胸肉です。
片栗粉をまぶした後、そのままのスキレットで炒めて、仕上げにお塩とお醤油をぱらり。
ジューシーやけど、味も香りもすごく淡白(^_^;)
ブラジルからの移民の方は「日本の肉は味がない」って言うそうです。
こっちではしっかり血抜きをするけど、あちらでは血液がたっぷり含まれてるお肉なんだそうです。
処理が良かったからなのか?
それとも、合成界面活性剤が付いてるからなのか?
その農家さんの家は強い香りはなくて、私でも移香を心配することなく入れるレベルだったんですが…。
合成洗剤はお使いなので、酸化臭は漂ってるし、バットや手から移ってても仕方ない…。
うーん。
今回のさぶちゃんの胸肉やったらどうなのかな。
※後日、さぶちゃん胸肉を炒めたんですが、
もも肉かと思うくらい濃い味でした…!
ガラはスープを取るのに使いました。
その前に、にわとりの頸動脈の確認…!
予想通り、動脈には傷は付いてたけど、完全に切れてはいませんでした。
出血が多いほうが、意識を失うまでの苦しむ時間が短いのは当然。肉質にも影響あるでしょう。
窒息死にならないように気管を傷つけず、でも動脈は確実に切る。
そのために、刃の入れ方と向きをしっかりイメージしておかなきゃです(*_*)
ダシを取ったお鍋まで気になるちーちゃん。
スープも夢中で飲んでました。
生姜もネギも入れてないんですが、全く臭みのないスープに仕上がりました。
生臭いのや獣臭に対して、私はもともと敏感ですけど、その私ですら気にならないというのがすごい。
そして、アクがほとんど出ないんです!
やっぱり、臭みやアクの原因というのは、エサとか使われた薬剤とか、そういう関係なんでしょうね…。
スープを濾した後のガラから、硬い骨以外の部分を外して行ったら、まだまだこんなにありました。
筋肉、腱、血管、関節の軟骨、筋膜、頬肉、舌や目の周り…。
煮出した後なので栄養価は下がるかもですが「一物全体」です。
ちーたさん、これも美味しいみたい(*´ω`*)
にわとりの骨は、生だと大丈夫なんですが、火を通すと繊維が縦に裂けるため、刺さりやすくなるそうです。
ここんとこ、下痢がひどかったちーちゃん。
こんなに色々、しかも一気にたくさん食べて…。
心配しましたが、翌日は素晴らしいうんちでした!
骨だけになったガラは、内臓と一緒に畑の堆肥入れに入れました。
これで、ゆっくり土に還るでしょう。
そして土が肥え、野菜や雑草が育ち、私もにわとりたちもこれを食べて生きていく。
生きることは、食べること。
食べることは、命をいただくこと。
さぶちゃんの命、これなら大事にいただけたかな。
独りよがりな考えに過ぎないですが、自分で納得できるよう、また考えていきたいと思います。
ごちそうさまでした…!
ちなみに羽は、猫のおもちゃになります(*´ω`*)
落ちてる羽を集めて、タコ糸やオーガニックコットンの紐でくくって作ってます。
今回も、さぶちゃんのきれいな色の羽をしっかりキープしておきました。
ちーちゃん、夏が終わって食欲は戻りつつも、なかなか遊ぶ元気がなかったんですが、このおもちゃだと目の色変えて無心に飛びつきます。
何でもおもちゃにしてしまう、遊ぶの大好きしょうちゃんですら、にわとりの羽付きおもちゃ以外ではテンションだだ落ちです(^_^;)
そりゃ、にわとりのにおい、そのものですから。
本能で分かるんでしょうね。
ただ、むしった羽のほとんどは、そのまま堆肥ボックス行きやったんです…。
何か良い利用法、探してみます。
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