レールに耳を ぴったりくっつけて
近づく汽車の 近づく汽車の唄を
どきどきしながら 聴いていたさ

小さい白い花と いっぱいの雑草と
目の前は海 目の前の海だけで
じゅうぶん 楽しかったさ

寂しくはない
時々突然に
胸のあたりが
ぎゅうっと泣きだしたぐらいで

ビルの谷間で 道に迷っている
あふれる人の あふれる人込みの中で
いつかとよく似た 風にさわられ

寂しくはない
時々突然に
胸のあたりが
ぎゅうっと泣きだしたぐらいで

また夏がやって来て
また影を大きくする

笑うお前の後ろ 夕日が沈んでいく
雑草の中に ビルの谷間に
幕がおりるように 消えていく

寂しくはない
時々突然に
胸のあたりが
ぎゅうっと泣きだしたぐらいで

また夏がやって来て
また影を大きくする
また夏がやって来て
また影を大きくする

SION/影