仏教のことはほとんど知らずとも「南無阿弥陀仏」(なむあみだぶつ)という言葉は知っている…という人は多いです。その理由は、この言葉を大切にしている浄土宗や浄土真宗などの浄土教系宗派が我が国における最大宗教勢力(信者数2000万人超)であることや、中学や高校の歴史の授業において必ず触れられるということが挙げられるでしょう。我々が日本仏教を学ぶにあたっては、この「南無阿弥陀仏」を始めとする浄土教の学習を避けて通ることはできません。

 

 浄土教は、浄土宗や浄土真宗などの宗派による布教によって広まってきたのですが、そもそも、これらの宗派がなぜ浄土教を信仰しているかといえば、それぞれの宗祖である法然上人と親鸞聖人が浄土教が説かれる経典「浄土三部経」に究極の価値を見出したからです。それでは、法然上人や親鸞聖人がなぜ浄土三部経に究極の価値を見出したのでしょうか。それを探るためにも、今年の3月から7月までの4か月にわたって浄土三部経の要約作業を行いました(以下リンクを参照願います)。

 

 

 この要約作業ですが、要点を抽出するという作業は思いのほか意義深く、これまでの知識が格段に深まった上に、新しい発見もたくさんありました。加えて、このブログの主目的である仏教学習の「備忘録」としても十分な成果だったと思います。しかしながら、長期間苦労した割に「難解すぎる」と中々評判が悪く…(笑)、そのため、もう一段かみ砕く必要があると思っていました。そこで、今回から数回は、「浄土三部経の私的注目点」として「要約の要約」を行うことにします。

 とにかく、できるだけ分かりやすく、そして、皆様にとって少しでも役に立つ内容を届けることができればと思っています。

 

 次回に続きます。