昨日6/2の記事「関東三十六不動霊場巡礼(その6)第10番札所「田無山総持寺」」の続きです。

 

 総持寺の参拝を終え、次の札所である三寶寺に向かいます。5月の過ごしやすい気候の中、閑静な住宅街を歩くのはとても気持ちが良いですね。忙しい時こそ、時間を作ってお寺を参拝すべきだと思わせてくれます。

 

第11番札所「亀頂山密乗院三寶寺」

 さて、三寶寺は、西武新宿線「上石神井駅」から北東に20分歩いたところにある真言宗智山派のお寺です。みなさん「上石神井」って読めますか?「かみしゃくじい」と読むのだそうです。元々の東京人であれば誰でも知っているのでしょうか。ちなみに、私の地元関西での最大の難読地名については、個人的には「放出」が一番難しいと思います(初見で読めたら変態です)。

 

 山門です。境内に入ってビックリですが、思っていた以上に広くて立派です。三寶寺の創建は室町時代に遡り、その後、小田原北条氏や徳川幕府からの庇護を受け、真言宗十一談林の一つとして栄え、最盛期には60もの末寺を従えていたということです。境内には、大黒天堂や地蔵堂のほか、勝海舟邸宅にあったとされる「長屋門」や徳川家光ゆかりの「御用門」など歴史的な建築物も見ることができます。

 

 本堂です。入口が開放されていて中に入れました。ですが、あまりにも人がおらず不審者と思われそうでしたので、少し扉を開けさせてもらい、その隙間から合掌礼拝させていただきました。大きなお寺なのに大変有難いことですね。

 巡礼先の寺院で本堂の扉が開いているということは稀であり、ご本尊の姿を直に拝見できる機会は実のところ少ない。そのような場合には一応、納経所で入堂の可否についてお聞きするんですが、ほとんどの場合で入堂をお断りされます。

 仏様であれば、遠方から訪ねてきた巡礼者と会いたいと思っているはず。お寺の方々には、防犯対策が大変でしょうけど、可能な限り、本堂の開放をお願いしたいところです。

 

 

 

 参拝を終えた後、境内を散策しました。真言宗寺院でたまに見かけるミニお遍路(お砂踏み)がありました。元々は明治時代のご住職が発願したものの、17か所が出来たところで未完になっていたそうです。それが、昭和48年の弘法大師生誕1200年をきっかけに再開されたのだとか。写真のとおり、88か所の石が一本道に並べられており、順にお参りしていくという仕組みです。

 

 境内の端には、巨大な十一面観音菩薩像がありました。後ろの民家と比べてわかると思いますが、かなりデカいです。9mもあって年末年始はライトアップされるとのことです。しかし、十一面観音といえば、後面の暴悪大笑面。

 

 仏教好きのみなさんはご存じでしょうけど、十一面観音菩薩像の後面には、このような大爆笑顔がついています。これを暴悪大笑面(ぼうあくだいしょうめん)といい「人間があまりにも愚かすぎて大爆笑している」ことを表しています。

 写真のとおり、三寶寺の十一面観音の後ろには民家がたくさんあるわけで…、民家の人々がずっと十一面観音に笑われている…とか思うとすごい楽しいですね。憧れの女王様によるとても素敵なプレイを彷彿させられます。

 

 

 次回に続きます。