戦前、1938年当時の東大生が尊敬する偉人ベスト10 (出典:日本評論1939年5月号)
1 西郷隆盛
2 ゲーテ
3 キリスト
4 東郷平八郎
5 釈迦
6 吉田松陰
7 カント
8 乃木希典
9 日蓮
10 野口英世
我らがお釈迦様と日蓮聖人がベスト10にランクイン。
そして、2015年の東大生が尊敬する偉人ベスト10(出典:世界一受けたい授業)
1 スティーブジョブズ
2 アインシュタイン
3 マザーテレサ
4 手塚治虫
5 エジソン
6 レオナルドダヴィンチ
7 ヘレンケラー
8 夏目漱石
9 ガウス
10 坂本龍馬
…だそうです。
戦前の東大生といえば、現代以上に、官僚や法曹や学者になることが当然であり、世の中の仕組み作りを担うスーパーエリート達だったわけですが、そうした人々の尊敬する人物が、キリストや釈迦、ゲーテ、カントといった思想性の強い偉人ばかりだったことに注目です。
では、現代の東大生といえば…なんだか良くわからない感じになっています。2015年のランキングには、50位以内にお釈迦様など仏教関係者は入っておらず、戦前ぶっちぎりの人気を誇った西郷隆盛も入っていません。政治家や思想家はほぼ見当たらず、では実業家や科学者が多いのかと言えば、そうでもなくて、マザーテレサやヘレンケラーが入っていたりします。まさに多様性…。
こうしてみると、戦前の日本が破滅的な戦争に突入していったこと、他方、現代の日本が決して戦争を起こしそうになく、良くも悪くもフワフワと漂流していることの理由が何となく分かるような気がしますね。
やはり、思想というのは薬にもなれば毒にもなるということでしょうか。