昨日、関東三十六不動霊場巡礼用の納経帖を入手した後、そのまま巡礼に入りました。というわけで、記念すべき巡礼第一回目となります。

 

 

第31番札所 喜多向厄除不動尊    光岩山弥勒密寺(岩槻大師)

 

 埼玉県さいたま市岩槻市に所在する光岩山弥勒密寺(岩槻大師)です。

 宗派は真言宗智山派で、774年の創建だそうです。

 

 寺内はお正月の準備で大変忙しそうでした。このタイミングでの参拝はなんだか申し訳ないなあ…と思いながら寺務所へ。

 寺務所におられたお2人は、忙しい時期にも関わらず、非常に親切で説明も丁寧でした。そして、本堂・本尊を含め寺内の写真撮影・ブログでの利用の可否についても、「他の参拝客の迷惑にならなければご自由にどうぞ」という、有難いお言葉をいただきました。ありがとうございます。

 

 岩槻といえば人形の街として有名です。寺内には「子育て人形大師」なる御大師様(弘法大師空海)の御尊像があります。ご当地キティちゃんとかありますけど、ご当地大師ってのも結構あります。どの地域でも、名物大師を建立するってどうですかね。大谷翔平の故郷の岩手水沢なんかだったら「メジャーリーガー大師」とか…参拝客増えると思うんですけど。

 

 写経剃髪殿だそうです。故人の形見として髪の一部を奉納することで(故人を)得度させることができるそうです。周りには、不動明王の眷属である三十六童子が勢ぞろいです。一体一体の作りこみが素晴らしい。

 

地下仏殿 四国八十八か所お遍路巡礼道場

 岩槻大師の最大の見どころともいえる「地下仏殿・四国八十八か所巡礼道場」です。

 寺務所で200円を支払い、本堂から階段を使って地下に降ります。暗闇で何も見えないところを壁に手を当てながら、うっすらと光がさす方向に進みます。するとその先には御大師様がたくさん!!

 そして、どこからともなく「なむたいしへんじょうこんごう…」「なむたいしへんじょうこんごう…」と少女の声が聞こえます。ありがたい…とは思いますが、正直怖いです(笑)。説明なしで子供をここに連れてくると泣くんじゃないでしょうか…。

 

 地下仏殿の床には、番号のついた砂袋が設置されており、この番号を順に踏んでいきます。番号は四国お遍路の札所の番号であり、砂袋の中には実際の各札所から提供された砂が詰まっているそうです。現在でも四国お遍路の実践は相当困難なわけで、こうしたお寺の優しさ・工夫というのは有難いものです。関東三十六不動霊場巡礼1回目にて何故かお遍路が満願するという謎の状況となりました

 

 お遍路を終え、奥の院にて御大師様に満願成就のご挨拶となります。

 

 四国お遍路満願成就の印象が強いまま、本題である関東三十六不動霊場巡礼の納経(読経)に入ります。ご本尊の不動明王は装飾品が少ないお姿で、ゆえに生身の力強さを感じます。

 岩槻大師の不動明王は、喜多向厄除不動尊と呼ばれます。徳川家康が亡くなって日光東照宮に権現として祀られた際、これを守護すべく、自ら、東照宮の方角である北を向いたという逸話があるそうで、そして「北向き」には、民衆が求めるたくさんの喜び=「喜多」の字があてられて現在に至るのだそうです。政治的でもあり庶民的でもあるエピソードから、岩槻大師が両面から重視された寺院であったことがうかがえます。

 

 

 第一回目の巡礼でしたが、大満足の結果となりました。

 

 ちなみに、帰り寺務所によって、この地域の美味しい食べ物とか名物はありませんか?と聞いたところ、

「うーん…。ないねえ…」とのことでした。残念。

 

関東三十六不動霊場巡礼(その2)」に続きます。