今日、会社の後輩にとある仏教ネタを話したら、いたく感心されました。

 そんなわけで今回はその話をします。

 

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」セットの仏像間違う

 

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で石山本願寺のセットの仏像が間違っていたと、NHKが13日までに公式ホームページで発表した。同寺に置かれていたはずの阿弥陀如来像ではなく、釈迦如来像を置いていた。

 

スポーツニッポン[ 2014年3月13日 21:19 ]

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/03/13/kiji/K20140313007768350.html

 

 私は大河ドラマが大好きなので今でも覚えているのですが、2014年に放送された大河ドラマ「軍師官兵衛」で、視聴者から「石山本願寺のシーンで阿弥陀如来像と釈迦如来像を間違えている」という指摘があったと各メディアによって報道されました。

 

 当時は、「面倒くさい指摘をする人もいるんだなあ…」とか思いつつも、「まあ気持ちは分かる…」とも思いました。

 仏教に限らず、マニアと呼ばれる世の中の人たちは面倒くさい人が多いのです。

 

 さて、同じように見える仏像ですが、実は見分け方があります。

 

 上の写真は、牛久大仏、鎌倉大仏、奈良大仏ですが、どうやって種類を見分けるのでしょうか。

 

 正解は、手のポーズ。すなわち「印相」です。

 牛久大仏と鎌倉大仏は親指と他の指で「輪」の形を作っています。これは阿弥陀如来独特の印相なのです。また、牛久大仏と鎌倉大仏は同じ阿弥陀如来ですが、牛久大仏の方は座らずに立っています。そして、立っている阿弥陀如来を拝むのは、浄土真宗であることが多いのです。

 

 そんなわけで、浄土真宗である石山本願寺の阿弥陀如来像は、牛久大仏と同じ姿であることが推測されるのですが、ドラマでは、下のような印相の仏像が使われていました。

 

 鎌倉大仏の印相と似ていますが、よく見たら親指と他の指ではなく、両手全体で輪の形を作っています。

 これを「禅定印」といい、主に釈迦如来の印相であり、阿弥陀如来特有の印相ではないのです。

 

 …しかし、この釈迦如来像が映り込んだシーンは数秒程度で長くなかったのですが、そもそもよく気づいたなとか普通に感心しますね。NHKに寄せられた同様の指摘は3件だったそうです。仏教猛者(マニア)なのでしょうか。いや、普段から、阿弥陀如来と向き合っている人たちなんでしょうね。