「仏教とは何ですか?」と正面から聞かれると、意外と回答に困ることがあります。

仏教愛好者を自称する私ですが、このような超基本的な質問にうまく回答できず、度々恥ずかしい思いをしています。

 

 全日本仏教会は、ホームページで以下の旨を説明しています。

仏教とは2500年ほど前に、仏陀(釈迦)を開祖として説かれた教えです。
仏教では仏陀の説いた教えに従い、僧侶や在家信者それぞれの立場で修行・実践して悟りや解脱(涅槃)を成道することを目標としています。

 この説明に則って説明すると、納得を得られる場合もあれば、そうでない場合もあり、「現代の日本仏教は、お釈迦様の教えと全く異なると聞きますけど…、それでも仏教と言ってよいのですか?」と、結構な確率で再質問されます。これに対して、相手を納得させる明解な再回答をすることが難しいのです。

 

 前回の記事でも説明させていただきましたが、大乗仏教が釈迦の死後に創作された教えであること、さらに、日本仏教については、経典の内容よりも、親鸞聖人や日蓮聖人等の「宗祖」の教えがより重視される傾向にあることから、結果として、釈迦の教えと比べ、もはや許容範囲を超えるレベルの乖離が見られます。それが「仏教とは何か」の説明を困難にしています。

 

 そのような事情から、私は、「仏教とは何か」という問いに対しては、「古代インドの聖人である釈迦を開祖とし、2500年間にわたり、変化しながらアジア地域に広まり、根付いた教えの総称である」と、非常に緩い定義で説明することにしています。

 私が勝手に言っているだけの定義であり、スリランカやミャンマー等の上座部仏教側からすれば「勝手なことを言ってるんじゃないよ」と思うに違いないですが。

 

 このブログでは、上の定義を前提として、仏教を語りたいと思います。

 そうなると、オウム真理教等のカルト宗教でも、「釈迦を開祖として教えをいただいている」と言えば、仏教であると認めなければならないことになりそうですが、そのあたりについては、また後日改めて説明したいと思います。