ちょうど20km。
ハイキングでそれだけ歩けば満足だ。
脚は疲れているが、思わずニンマリしてしまう。
せっかくバスを使うからこその縦走だ。
動機
山へ逃げたいな。
2月に入ってから仕事がわけわからん忙しく(達成感は無い)、先週は珍しく土日とも家の近くで過ごす。
今週末も予定はなく、このままだとどこにも行かない週末を過ごしてしまう。。。
そうだ、天城に行こう。
伊豆なら百名山でも雪山じゃないだろう。
という、木曜あたりの思い付き。
前泊するとして、調べてみたら伊東に宿が無いから熱海に泊まるとす。
せっかく前泊するならと、夜景の見えそうな山は無いかと調べて、函南と熱海の間にある玄岳に目を付けた。
土曜日はオカンと姉貴と御徒町にキノコ鍋を食べに行く謎の予定があるから、それが終わってから函南に行くとナイトハイクにはちょうどいい時間だ。
完璧な予定。
これで充実した週末を過ごすことができる。
見聞録一日目:2月11日(土)
朝10時からの英会話から休日が始まる。
というのも、普段なら金曜日20時からの英会話が終わった後、キリンシティでメガジョッキ引っ掛けてから帰るのが習慣なのだが、昨日は仕事が終わらず、当日に振替えたのだ。
寝るのが遅くて朝はベッドから起き上がれない間に、オカンが押し入ってきてなんやかや言って出ていった、気がする。
英会話が終わって急ぎ御徒町へ。
元々、オカンと姉貴とで御徒町のキノコ鍋を食べに行く予定が11時半からあった。
少し遅れて店に行き、キノコ鍋を堪能した。
うます。
御徒町にてキノコ鍋うます
13時過ぎ、先に店を出て上野駅から東海道線に乗り、一気に熱海へ。
そして乗り換えて函南駅に着いたのが16時前。
バスに乗り込む前に新山バス停に行けるか運転手に確認したとき、帰りの時間は大丈夫かと聞かれた。
山越えて熱海に下るから大丈夫ですと、一般人が聞いたら意味不明な回答。
出発したバスは山へ向かうと思いきや、山から離れて市街地へと下りていく。
伊豆箱根鉄道駿豆線の大場駅でUターンして、また山のほうへ戻っていく。
30分くらいのロス!
目的地の新山バス停に着いたのは16時半過ぎだった。
函南駅、あまり来るところじゃない
新山バス停からスタート
しばらくは車道歩き。
歩いていると、左手下には丹那盆地が広がり、山の合間からは雲を纏った富士山がある。
片道一車線の県道から、細い林道に逸れると牧場があり、さらに奥へ進んでいくと舗装路がから砂利道になり、ついには登山道に変わった。
ポスト販売中(使い道?)
丹那盆地と雲の中の富士山
林道から登山道に変わる
ここも箱根の一角らしいハコネザサに囲まれた登山道を登る。
つづら折りのターンで視界が開けた場所に出た。
陽が沈んだあと、ぼんやりとした夕日の空は淡い灰色へと移り、街にはポツポツと明かりが灯る。
山頂につく頃には、ちょうど夜景になるだろう。
段々と明かりが灯る
稜線に出た。
玄岳のどっしりとて、なだらかな山頂を見上げる。
鞍部の氷ヶ池を見に行こうと、登山道から外れた踏み跡をたどる。
が、池の岸はズブズブと足を取られて、見に行くべきところじゃなかった。
氷が池、ずぶずぶ足を取られる
登山道に戻って、さらに登っていくと伊豆スカイラインを横切る。
ときたま走り抜けるクルマに注意しながら、車道を渡る。
駿河湾夜景
山頂までは最後の登り。
もう真っ暗で、雲に隠れて月は出ていないのに道がぼんやりと白く浮き上がって見える。
山頂まではヘッドライトはいらないと、闇の中を歩く。
右手には三島や沼津の夜景を見下ろせる。
そして山頂直下では、稜線向こうの相模湾の夜景が見え始めた。
山に近い熱海は、ある一棟の高層マンションがよく見えるが、市街地は小さい。
相模湾の向こうには関東平野の光が浮かび上がっている。
伊豆の稜線、左に駿河湾、右に相模湾
相模湾夜景、近くに熱海
18時、玄岳山頂についた。
バーナーでもあればコーヒー淹れてのんびりしてもよいかと思える広場になっている。
夜景を撮ろうと持ってきたミラーレスカメラと、ミニ三脚を立ててみたけど、風が吹いていてゆらゆらと動いてしまうので、長時間露光での撮影はできなかった。
玄岳山頂
ヘッドライトを頭につけて熱海へと下り始める。
登りでは闇の中を歩けるけれども、下りは明かり無しでは危ない。
山頂の笹原を抜けると森の下を歩き、19時過ぎにはビルが見えてきた。
住宅街だが、ものすごく傾斜地。
さて、このまま熱海城まで歩いていこうと思ったけれど、ふとゲストハウスのチェックイン時間を調べてみたら20時までだった。
マズいじゃん。
熱海駅に戻ることにして、紅葉丘バス停からバスに乗って、熱海駅には20時前に着いた。
今日の宿泊は、熱海駅近くのゲストハウス。
前にも1回来たことあるけど、その時は東京で飲み会終わって酔っ払っていて、翌朝は二日酔い気味で熱い温泉に入って、来宮駅から東京に戻ったことを覚えている。
荷物を置いて、熱海駅近くの温泉へ。
共同浴場に入ってみたら、湯船から溢れてくるお湯でアチっとなるほどの激アツ温度。
銭湯のお値段で熱海界隈だと最安値だけど、せっかく熱海くんだりまできたなら、せめて大江戸温泉物語に行けばよかった。
熱海駅近くは20時過ぎると夜メシ食べられる店がなく、
仕方がないから駅前のマックに入る単価が安い行楽客だ。
駅前温泉激アツ
ゲストハウスに戻って、一階のバーラウンジでクラフトビール頼む。
ひとりで泊まっている人同士ということで、バーカウンターで呑んでた女性の方の隣に案内される。
こういうゲストハウスなのな、まぁいいけど。
その方は掛川で仕事したあと、東京に戻る前に寄ってみたと初熱海だそうで。
明日に朝市があるという情報をもらったけれども、明日は7時すぎには伊東に行かなきゃいかんしなぁ。。。
第2第4日曜には熱海に朝市が立つことを覚えておこう。
本日のゲストハウス、エンノバ
というわけで、22時半には寝ます。
明日も朝が早いでな。
ぐんない。
1日目のコース:新山バス停→玄岳→紅葉ヶ丘バス停
見聞録二日目:2月12日(日)
昨日は寝る気でひっくり返ったあと、23時頃に入ってきた宿泊客がバタバタとうるさいと思っていたら、隣の部屋のオッサンが「静かにしてください!」と一括していた。
で、6時半起き。
ねみぃ。
コンビニおにぎりと味噌汁、ヨーグルトを腹に流し込み、7時過ぎに宿を出た。
7時20分の伊東線に乗り、7時50分には伊東駅に着いた。
天城高原線のバスに乗るも、天城山登山口が行先じゃない。
聞いてみたら、今は冬ダイヤで、登山口に行くには手前のバス停から30分ほど歩いていくことになるとのこと。
通年ダイヤじゃないのか。。。
弊社、謎マスコット多すぎ
ウトウトしていたら誰かが降車ボタンを押していたのか、スカイヒルズ下バス停に着いた。
乗っていた乗客は全員このバス停で降りた。
道の脇には雪が解け残っていて、山のほうは積もってるだろうなぁと思いながらも、車道を歩き始めた。
狩猟の世界に触れてからの癖で、山歩きの時にも獣道を探すようになった。
この草の生えてない線、獣道くさいな。
罠を仕掛けるなら、あそこと、ここだな。
そう考えながら車道を歩いていると、ゴルフ場のゲートが出てきた。
歩き始めて30分弱、9時半前に天城山登山口の駐車場に着いた。
クルマは30台ほど停まっている。
ちなみに駐車場のトイレも冬期閉鎖である。
スカイヒルズ下バス停で下車
天城登山口
天城山最高峰の万三郎岳へは、万二郎岳に登ってから稜線を行く道と、山頂直下から沢を詰めるコースがある。
もちろん万二郎岳から登る。
万三郎岳へ登るのは今回が3度目のはずだが、またもや全く覚えがない。
調べてみたら前回来たのが2009年11月22日だった(このころのブログはmixi)。
登山口の看板に「天城峠までは7時間以上かかるよ」と書かれていて、またまたぁどうせ多く見積もりすぎて5時間程度でしょ?と思っていたけど、大体7時間だったのはゴールして分かることだった。
四辻の標識。天城峠まで7時間以上かかるよ、と脅してくる
百名山の中では天城山は楽なほうだと思う。
登山口の標高が900mほどから、万三郎岳が1400mと、標高差500mほどしかない。
稜線にヒドいアップダウンがあるわけでもなく、歩きやすい。
しかし、三回目だというのに天城山でスッキリ晴れたことはなく、今日も熱海では晴れていたのに、山は雲に包まれている。
歩き始めてすぐに万二郎岳の山頂に着いたが、何も見えない。
万二郎岳、何も見えない
万二郎岳から万三郎岳の稜線は馬酔木トンネルがあり、曲がりくねった木々の合間を抜ける。
山頂直下がちょっと急登で息が上がり、踏み跡が凍って登りづらいけれども、結局持ってきたチェーンスパイクは使わなかった。
そんなこんなで万三郎岳に着いた。
完全に雲の中。
達成感は、あまりない。
コンビニパンを腹に詰め込み、先へ進む。
稜線の馬酔木トンネル
万三郎岳、何も見えない
万三郎岳の稜線を下って、天城登山口に向かえば周回コースとなってすぐに戻れるのだが、今日目指すのは天城峠だ。
天城山の稜線をひたすら歩く。
広い稜線で、危ないところはほとんどない。
先日読んだ、ハンモックハイキングをここでなら試すことできそうだなぁと思う。
戸塚峠、白田峠、いくつも峠を越えていく。
親方ァ!
皿シリーズ
謎皿
13時半、八丁池に着いた。
広い池で、ここでテント張りたいいい場所だなぁと思ったら、その辺にポロポロと真新しいシカ糞が落ちていた。
ついでに罠も仕掛けたい。
八丁池
八丁池の先、見晴らし台が本日イチの眺望スポットだった。
山地図には、富士山が見えると書かれていて、そんなわけねぇだろと思っていたら、八丁池越しの山の上、雲が切れたら富士山の頭が見えた。
ホンマや!
周りを見回せば山に囲まれ、東伊豆の海が見える。
歩き通して来た稜線の最高地点、万三郎岳には未だ雲がかかる。
風強く、雲の流れが早い。
左に万三郎岳、東伊豆の海岸線
八丁池
八丁池の向こう、富士山!
次に、伊豆諸島が見える眺望と書いてある青スズ台に行ってみると、山頂からの眺望は全くなかった。
その周辺を歩いてみるも、木々に囲まれて眺望はゼロ。
これにはがっかり。
青すず台、何もみえない
いったん、林道に出る。
そしてまた登山道に戻る。
天城縦走路に戻ってから、天城峠までがまだ長い。
そして今日歩いた天城縦走路の中でも、割と道が危ないのがこの区間。
道が荒れているところがあり、2か所ほど崩れたのか道を迂回するところがあり。
歩く道も細くて、脚を踏み外したら崖から落ちるだろうなぁというところがいくつかあった。
この辺、道が怪しい
私はムスカ大佐だ
そして16時過ぎ、真の天城峠に着いた(そのあと、家に帰ってきてから旧天城峠を地図で見つけたわけだが)。
今まで天城トンネルは何度越えたか分からんが、真の天城峠に来たのは今回が初めて。
峠の鞍部にはどっしりと根を生やした木が、ここが峠ですと主張するように立っていた。
真の天城峠
峠を下っていくと、旧天城トンネルに出る。
レンガ造りの明治国道。
トンネルのランプが点々と向こうの出口まで続いている。
旧天城トンネルからさらにくだって、現道の天城トンネルに着いた。
さ、て、と、次のバスは40分後になります!
待つか。。。
待合室と書かれたプレハブ小屋のドアは開かない。
旧天城トンネル
現道の天城トンネル
休憩所と思わせて開かないプレハブ小屋
17時過ぎ、修善寺行きのバスがトンネルを越えてきた。
乗りまーす。
帰りに湯の国会館で風呂入ってから帰ろうと、しばらくウトウトする。
グーグルマップ見ながら、そろそろかなと思っていたら、湯の国会館を通り過ぎたけど。。。?
と思った瞬間「次は、湯の国会館」のアナウンスが流れた瞬間、降車ボタンポチっとな。
そしたら急ブレーキで停車。
おりまーす。
湯の国会館にて風呂に入り、ついでに腹減ったからカレー所望するも次のバスが来るから5分で食べる。
そして修善寺駅に18時半過ぎに着いた。
伊豆箱根鉄道駿豆線で三島駅に19時前に着いた。
一杯飲んでから帰るか。
駅近くの新幹線チケット販売機で、帰りの切符を買ってから餃子ビール。
メガジョッキ二杯飲んでいい感じ。
あとは帰るだけだったのさ。
修善寺から三島に帰り
餃子にレモンサワーでひとり飲み
20時半前、三島駅の新幹線改札通って、あとは東京に帰るだけ。。。
って、ん?
この新幹線チケット、新横浜行きなんですけど!
ハァ!?
自販機、違うの出てきてるんですけど!?
せっかくいい気分で帰れたのに、一瞬で頭きた。
非常に無意味に新横浜で降り、無駄に横浜線で東神奈川を経由してから帰った。
三島からの東海道線に乗っても30分しか変わらないという非常にムカつく帰路だった。
終わりよくなく、せっかくの週末がイラっとして終わるのが非常に残念な気分になってしまった。
それはそうとして、やはりロングトレイルは良い。
近々、シートゥサミットやりたいなぁ。
以上。
2日目のコース:スカイヒルズ下バス停→天城登山口→万二郎岳→万三郎岳→八丁池→天城峠