プロローグ
2024年8月9日 19時57分…
揺れた…😱
神奈川県西部を震源とする地震。
今宵は毎年恒例行事となった穂高岳縦走出発の夜…小田急アプリを見ると…うっ…つながらない!
何度かやってみてようやくつながった。各列車の位置が表示されているが全線止まっている。
まずい、夜行バスに間に合わない。バスタ新宿22時25分発。普通だったら余裕だがすぐ出発…駅へ行くものの列車は止まっていて乗れるものの、動く気配なし。しばらく待つと、安全確認しながら25km/hくらいで走ります…と、発車する見込みもない。
というわけで、取って返して家のほうへ歩きながらタクシーを…いた!大きく手を挙げて半ば強制的にドアを開けてもらう。🙇♂️
”どこでもいいので京王線の駅へ行ってください”とお願いする。タクシーは安全運転で京王線の駅へ。ここで、京王線の”特急”の早いこと。22時過ぎに新宿に到着!ありがとう。さっきの小田急の電車は動き出したもののまだまだ新宿には程遠く…
というズッコケがありながらも夜行バスのシートに身体をうずめたのでした。
中央道は一旦通行止め区間があったものの、バスが発車してしばらくして開通。
1日目 3000mの稜線へ
5時16分 上高地着。さすがに半Tでは寒いので長袖フリースを着て出発。混んでるな~まだ5時ですよ…って自分もその中に居るんですがね。
上高地から明神までは左岸遊歩道が崩落で通行止めなので、右岸の自然探索道を行きます。そのせいで15分くらい時間をロス。まあ、スタート1時間は慣らし運転ですから急がない。
岳沢湿原 ”謹んでこの度の発言を撤回いたします...は失言...ここは湿原”
明神でフリースを脱いで徳澤へ。徳澤園のカレーはまだ営業してないのでコーヒーソフトをささっといただいてスタート。徳澤から横尾はう回路が流されているのでもともとの道を行き、横尾でトイレと朝の食事…といっても行動食のパンを食べるだけですが。
横尾からは槍沢トレイルを…例の応急措置のところは変わらず。破損してなかった。
槍沢ロッジ…
ちょうど荷揚げのヘリが来るというので、いったん小屋内に入れられて、ヘリが去ったあと給水してスタート。ババ平までは林間で無風なのでゆっくり上がる。
槍沢ロッジで給水してまだ残りはいっぱいあるけどもう一度満タンにして出発。水分は大切ですよ。
大曲くらいまで来るとだんだん暑くなってくる。今回はクールダウンスプレーを持ってきたので使いながら登っていく。だんだん急になっていくので無理をせず。途中でもう一度行動食休憩。
なんか、必死こいて天狗原分岐まで来たんだけどこれからがきついんですよ。標高差600mが残っている。
なんか、やばいな~もうバテてる感じ。なんとなく天狗池まで来たけど、晴れた夏の日の常で上昇気流がガスとなって山にかかってしまって、逆さ槍は見えなかった。残念…
そんなわけで天狗池も写真一枚撮っただけで先を急ぐんです…けど…いままでは13時過ぎに通過した天狗池が今日は14時…歳のせいもあるかな???
延々と登って行って、稜線に取りついたところで17時までの到着は難しそうなので南岳小屋に電話を入れる。昨今、山小屋は予約者の管理をしっかりしていて、16時を過ぎても到着しない人には電話を入れるので、遅れるときは必ず電話をしましょう。
疲労困憊の中でも、何度も通ったこのコース。大岩が続く、そして最後の登りは結構急です。そして17時ちょっと前に稜線の天狗原分岐に到着。そこから南岳へ…💦
ブロッケンの妖怪様が見えました。って自分に様をつけるのも変ですけど
南岳ではセルフタイマーで記念撮影して小屋へ。
結構前にも後ろにも人がいたけど、みんなテン泊の方ばかり。
一人だけ小屋泊ラストが17時30分に到着。👌
あらら、フロントには岳沢小屋でお世話になったスタッフの方が…😍
再会を喜びながらチェックインして18時10分に夕食。うれしいですね~山好きの人ばかり。美味しくいただいてからの夕陽ウォッチング。
久しぶりに100万ドルの夕陽が見られましたよ~
2日目 大キレット~涸沢岳
素晴らしい朝
朝食をいただいて6時17分に出発。夏の山歩きだとだいぶ寝坊助ですが…慌てなくても余裕なのですよ。
獅子鼻岩から大キレットを眺めてから出発。
獅子鼻岩から大キレットを...脳内エンドルフィンが溢れてくる。
最初の下りはザレた道~岩稜とところどころ難しいところもあるけど楽に鞍部まで。
振り返ってみる
そこからは長谷川ピークへの登り。登りは難なく行けるのですが…なにしろ山の日…
対向者と先行してもらう人の待避が結構多くて。
登りは確実に遅いのですが、岩稜に入るとそんなに遅くないので後ろの方に譲る譲らないは難しいですね。
長谷川ピーク…
ここからはナイフリッジを行く。前の人との間隔と、対向者との待避のリズムというかタイミング。なんかこっちの方に意識が集中して、難しい岩稜を歩いているという感覚がないんだな…
まあ、慣れっこになっちゃったかな。
一旦長谷川ピークから下ると長い登りに切り替わります。
程なく飛騨泣きへ…
ここは有名なことは有名ですが、特に難しいところではなくて、鎖と鉄杭が整備されてます。
飛騨泣きを登ると北穂高岳の登りへ向けてトラバースしながら登っていきます。
延々登り…
最後の北穂高小屋直下の登り。急ですね~登って小屋に到着💦
テラスはいいですね。ほんとまったりします。一杯ずつ焙煎のコーヒーをいただいて、水を飲みながら南岳小屋で買ったドーナツで栄養補給。
平年は9時30分過ぎに到着するんだけど今年は10時。やっぱり待避多かったからな。
10時45分に出発。北穂高岳で写真を撮ってから南陵へ抜けて奥壁バンドへ。ここは、毎年数件の滑落と落石があるところ。注意しないと。以前雨の中を進んだとき尻もちをついたこともあります。
急な一枚岩や狭い岩のルートを愉しみながら奥壁バンドを抜けるとそこからは上り下りを繰り返しながら涸沢岳に向かいます。
梯子、鎖、鉄杭区間が始まると登りは厳しくなってきます。💦
オダマキのギャップを超えて最後の登り。涸沢岳へ。
鎖が連続して急登が続いて。見えます…最後のルンゼ。独特の狭いルンゼが見えてきました。
あそこを抜ければ天国だ!と最後の力を振り絞って登り切りました。
穏やかな稜線の道を行くと時期に涸沢岳山頂です。😍
道中後ろにいらっしゃった山ガールの方と記念撮影をしあいました。彼女は一人でテントを担いで大キレット~北穂高岳~涸沢岳と来たのです。頭が下がります。
さて、時間は??北穂高岳30分遅れだったけど…13時半…ランチ間に合う😍
というわけでトコトコ下りて行って穂高岳山荘に到着。メインイベント無事に終了。
(実はそのころこのへんで滑落事故が起きていたのですが…)
予約しているのでチェックインは予め印刷された宿泊カードにサインするだけ。支払いもクレジットカードをタッチでスマートに。👍
さっそくカレーライスを…食べたけどおなかにまだまだ余裕があって、おすすめの担々麺をお代わり。その後もまったりコーヒーをいただいたりしてぐだめいて…
外を見ると、おや?ブロッケンかな…外に出るとブロッケンの妖怪が見える。自分の妖怪を撮ってから小屋に戻って部屋に移動。ふとんメーキングして…
ところで、本日テン泊の方は一波乱なんて...いや二波乱くらいかな?
前出の遭難者を小屋に収容後、救助ヘリでホイストするとのことで、せっかく張ったテントを撤収させられた上に、新たな到着者もテントを張れない状態に...
自分が13時40分ごろ小屋に到着してロビーで外を眺めながらランチしたりして、結局遭難者が担架で運ばれてきたのが15時30分ごろ。16時ごろに濃霧のためヘリが飛べないという連絡があって明日に順延。そのころ、テン泊者の誘導にトラブル発生したようです。穂高岳山荘は...というか、どこでもテン泊は早着順なのですが、それが問題のタネ。テン場の位置を決めてない、いや、山荘が指定しないで空いてるとこならどこでもいいですよ~が問題だったようです。
暑い中それぞれの方角から重いテントを担いできたのに長い時間待機はキツかったでしょう。
さて、夕食。山小屋とは思えないリッチな夕食を頂いて、そのあとは夕陽ウォッチング。
山荘西側のテラスにはすでに人だかりが。
そして...見えた😍2日連続の100万ドルの夕陽。ホント美しい...
3日目 奥穂~吊尾根~前穂~上高地
5時に朝食。そして5時半発...奥穂高岳山頂には40分で到着。すでにたくさんの人がいてかわりばんこに写真撮影。これで14回目の登頂...好きですね~~ホント病気!
写真を撮ったら吊尾根へ。天気予報ではガスが出て視界が悪くなるとのことなので早めの行動を。右側が切れ落ちているものの西穂高岳の稜線や岳沢の眺めが素晴らしすぎる。
はるか前穂高岳
1時間半後の8時40分ころに紀美子平着。アタックザックにカメラとスマホを入れて前穂高岳山頂アタック。30分弱で山頂到着。なんたってまだ9時前です。
さすがにピーカン。遠くに富士山も見えて、西穂の稜線、そして大キレットから槍ヶ岳までの雄大な稜線が臨めます。
写真を撮って、紀美子平へ下りて。最後リュックを整理して重太郎新道へ。
普通の登山だったら、”あとは下りるだけだ”なんですが、重太郎新道を舐めてはいけない。
下りの重太郎新道での事故多発。しかも、岳沢パノラマから下での滑落が多いのです。⚠️
原因として、段差が大きなところが多く、かつ、平均斜度が30度を超える(スノースポーツをやっている人であればその斜度がどれくらいすごいかわかるでしょう)激下りによる足への負担と疲労。これが事故を引き起こすのです。
岳沢パノラマに近づくにつれ長野県警の防災ヘリが近づいてきて、いざ遭難か?と思いましたが、遭難が多いのでパトロールをされてたようです。ありがとうございます。
ホント、岳沢パノラマから下は足に負担を掛けない下り方と多めの小休止を心がけましょう。まあ、コースタイムの2時間で岳沢小屋へ到着。
岳沢小屋でポカリスウェット500mlを2本買って水分補給。今年は、残雪が少なく、水の供給もペットボトルでした。
ここまで疲労困憊。前出の南岳ドーナツをパクついて栄養補給。
また、今回、ソールがある程度すり減っているという理由で登山靴を以前のSPORTIVA TRANGO GTXにしたのですがこれが失敗。結構グリップ悪くて、足指がすれて皮がむけたので痛い。救急セットから絆創膏を出して患部に貼りました。
そして最後の岳沢トレイル。
ストックも使うので楽に下りていけますが...
暑い!!💦
延々下りて岳沢クーラー(岳沢風穴)で腰を下ろして大休憩。
クーリングと上高地からのバスと電車の予約。やっぱりサーバーが混んでるんでしょうね。繋がりが悪かったものの予約は成功。
そこからのトレイルは岳沢小屋が道を整備して美しい木道が出来ていました。これじゃ登山道ではなくて遊歩道みたい。素晴らしすぎる。
そして、登山道終点...いや人が多すぎ。大名行列のような列に続いて河童橋へ...😱
橋を渡ると何かの行列...???なんだろう...そうです。沢渡BTへのシャトルバス待ちなんです。もう500mを優に超えていますね。
私は、上高地から松本までのバス&電車を予約しているのでスムーズに上高地BTへ。そこは大変なことになっていました。
沢渡へのバスのほか、タクシー待ち、平湯BTへのバス待ちの長蛇の列。靴を洗って、さっさとバス待ち列に着きました。
すぐバスの時間だったのでスムーズに乗れて、新島々までの道は以外にもスムーズでバスは飛ばす。山道なので右に左にゆれながら新島々に到着。
そこからの電車は。懐かしい3000系でした。元祖”渚トレイン”
始発で立ち客がでるのも初めてでした。
松本へ着くとあずさは臨時。実は切符も甲府までしか取れず、甲府で始発の”かいじ”に乗り換えて新宿へとなったのでした。
ところが...上諏訪を出発してまもなく茅野...というところで急ブレーキ、線路内人立ち入りだって...迷惑な話です。乗った列車があずさでは希少な形式だったのでなんとなくどんな人間が立ち入ったのかは想像できますが。
そんなわかで、甲府で下りたら、すぐ後続の各駅停車が入線してそれに続いて始発の”かいじ”が入線。
満席ですが、座れてよかった...
エピローグ
まあ、最初にズッコケがあったものの、年齢を感じつつも穂高岳縦走ができました。今年は南岳からなので5峰でしたが。楽しかったです。今年で最後かな...いやいや、来年はもう少し日程を長くしてきつくない登山にしようかなどと思っています。
追)今回は熱中症予防のためクールダウンスプレーを持っていきましたが、とてもよかったです。是非皆様もお役立てください。