プロローグ
それは突然の電車トラブルから始まった。
金曜日の夜 いつもの夜行バスに合わせて家を出発。少しポツポツ降っていたので駅は近いがレインウエアを羽織って...💦
あれ?駅のコンコースに人が溢れている...少し嫌な感じがしたが改札を通ってホームへ...急行が止まっている...が...ドアは4か所のうち1か所しか開いていない?
そこへ案内放送...
”安全装置のトラブルで運転をとりやめています。現在専門のスタッフが原因を追究していますが復旧にはかなりの時間がかかる模様です”🥵
...と...
つまりは、バスタ新宿には間に合わない🤬とのこと...ありゃりゃ!という訳で...
一旦家に戻ろうとすると滝のような雨!家に帰ることには結構濡れて、やれやれ...と時計を見るとバスの発車時刻を過ぎている!!
しまった!!!バス代まる損!!!!😭😭😭
落ち込んでしまい、でも、せっかく4連休だ。計画を練り直そうと。
はじめの計画では...
1日目 早朝上高地→南岳小屋
2日目 南岳小屋→穂高岳山荘
3日目 穂高岳山荘→上高地
4日目 予備日
だったのだが...
各小屋のサイトを見るとまだ取れそうだ...というわけで翌日早朝東京発で予定を組んでみた。
1日め 新宿⇒松本⇒上高地⇒槍沢ロッジ
2日目 槍沢ロッジ⇒南岳小屋
3日目 南岳小屋⇒穂高岳山荘
4日目 穂高岳山荘⇒上高地
まず、秋分の日の連休1日目の朝イチ 特急あずさは満席 途中で席移動で新宿⇒甲府 甲府⇒松本でも新宿⇒甲府がとれず。🤔
また、槍沢ロッジも前日ではオンライン予約できず...当日の朝一か八か。🤔
結局八王子⇒甲府 甲府⇒松本で漸く席が取れた。そして、松本バスセンターから上高地直通のナショナルパークライナーと銘打つバスはぎりぎりで予約が取れた。🚌
続いて、山小屋...南岳小屋、穂高岳山荘・・・予約はとれたが、直前なので南岳小屋の初めの予約キャンセルは翌日電話で...
と、腰が据わらない出発となったのでした。
あずさは甲府での席移動があったものの、快適に眠れて松本へ...松本からのバスもほぼ熟睡。ここのところ残業続きで午前様になることも度々だったので...🔥
というわけで、当初予定より6時間半遅れで上高地に舞い降りたのでした。
第1章
上高地⇒槍沢ロッジへ...
朝一7時過ぎに槍沢ロッジに電話をして宿泊を申し込むと廊下(板張り)のエリアになりますとのこと。全然OKです...ところでお客さんいまどちら?”八王子です”というと..."えっ!まだ八王子...ですか~”
何時に来られますか? ”4時” ”4時なら大丈夫です”と...
そんなやり取りがあって、上高地を12時に出発。
快適にステップを踏みながら明神、徳沢、横尾へ...横尾まで2時間10分・・・うん!速い!
横尾からは一の俣 二の俣と軽快に歩いて15時30分に槍沢ロッジ到着。
一の俣手前の槍見河原から。もう葉っぱも落ちてよく見えます
だいたいいつも3時間半余りで歩く距離だから...
到着したもののランチは終了しているので持ってきたパンをペットボトルの麦茶で頂く。🌭
小屋は満員御礼...日ごろの寝不足故よく眠る。💤
第2章 15回めの槍ヶ岳へ
槍沢ロッジ➡️槍ヶ岳を経て南岳小屋へ...
槍沢ロッジで翌日のことを考えていて、夕方南岳小屋に着けば良い...ということは槍経由で行こう🎵
槍沢ロッジから朝の槍穂
流石に大曲から水俣乗越 東鎌尾根という発想は出てきませんでしたが時間的には余裕だったな🤔
さあ、夜明けとともに槍沢ロッジ出発。今まで朝イチ上高地からの夕方槍ヶ岳山荘という苦行になれ親しんだ身には快適そのもの🎶
いつもはキツくて辛い天狗原分岐までとそこからグリーンバンドまでの急登もルンルン😃🎵
グリーンバンド手前の水場 清水沢 ひんやりしてて美味しいお水です。
るんるん行っちゃって気がついたら槍ヶ岳山荘⛰️
すぐにリュックをデポして槍の穂先へGo💨
穂先への登攀 〇×鎖 鋲 梯子と至れり尽くせりです
小鑓 最近この上でアルペン踊りを披露するYoutube動画が出てます。お疲れ様です。
奥穂高岳山頂 ズームで...向こうからもズームでこっちを見てるかも...
ジャンダルム おひとりいらっりゃいますね
まずは3000m峰第一座め🤩
槍はいいなあ〰️何度登っても飽きない素晴らしさ。
さて、穂先を下りてランチ☀️🍴
キッチンさいはて(3180)で槍のキーマカレー🍛
スパイシーで辛くて美味しい✨
ランチに満足したら正面にドンと構える大喰岳へ💨
ピーカン 暑くも寒くもない中飛騨乗越まで急な下りに続いて大喰岳への登り。ほどなくピークハント👍
なだらかな山頂で槍を眺めるならここ❗槍と東西鎌尾根がまるで羽のように、そして槍が白頭鷲の頭のように見えます。
3000m峰第2座👍
さて、そこからの中岳は頂上が見えています。下って登って💦最後の二連梯子を登ると山頂です。
3000m峰第3座👍
あらら?山頂標が倒れてる⁉️岩屑の中に差し込むように立っていた山頂標...
手にもって記念撮影👍
最高の解放感🤩この先大キレット、涸沢岳、前穂高岳と目の前に山が迫っていてこの解放感はありません。
北穂高岳と北穂高小屋
南岳小屋がちらり
さて、ここからはゆったりと中岳を下ってさらに稜線を進みます。
じきに天狗原分岐に至って、そこからも快適な稜線歩きを💨
真ん中の小さな棒が天狗原方向の分岐標です
南岳⛰️
3000m峰第4座👍
最後の丸い山南岳です。眼下には、小屋が見えます。山頂標が薄いのが残念。
15時 大キレットにもガスがかかってきました。
下って今日のお宿 南岳です🎶
今回御味噌汁は❗普通の味噌汁でした...豚汁を期待してたんだけどな...
そして...この小屋初宿泊以来の美しきSunsunset✨
第3章 大キレットと奥壁バンド 涸沢岳
朝~🌞去年と打って変わって最高の天気。🎉
ささっと準備してまずは獅子鼻岩の頭へ...大キレットとその上に聳える北穂高小屋、遠くに奥穂高岳、前穂高岳を臨む。
すぐに出発。まずはキレットの基部まで下る。ザレあり、鎖あり、岩のルンゼあり、梯子ありと結構変化に富んだルート。
基部からは登り返し。初めは大岩を渡るような区間が続いて、段々幅が狭いナイフリッジになる。登り切ったところが長谷川ピーク。
昨年までは岩に”Hピーク”とペンキで書かれていたのが、今年は立派な?看板が出来ている。
さて、ここからが岩の醍醐味。といっても、整備されていて歩きやすい。
鉄杭、ステップ、鎖、鋲など、そしてペンキ印も...
北穂高小屋に登る所から振り返って撮った写真...長谷川ピークを行く人ですが、こう見ると結構怖いですね。
そう、自分が通った日を前後しておひとり滑落してお亡くなりになったそうです。こころより哀悼の意を表します。
長谷川ピークを過ぎるとまずはA沢のコルで息を整えて。今年は自分のペースで行けたので結構いいタイム。👌
ここからは滝谷が不気味でも壮大にその姿を魅せてくる。眺めながら少し行くと...
”飛騨泣き”😭
なんで飛騨泣きというかというと、非常に飛騨側が切れ落ちており(松本側も)落ちると留まることを知らないほど落ちてしまうのでその名がついたそうだ。
とりつきは垂直登攀。といってもこの短い20mにもならない区間を飛騨泣きというそうだ。
写真では見にくいが上向き矢印のところ 鋲に手足をかけて垂直に登る
最初は長谷川ピーク側から飛び移るような感じで向かい側の垂直な岩に打ち付けられた鉄杭に取りつく。スパンも丁度よく登りやすい。
登り切ったところに足が...さらに登るとやっぱり人間だ。自分を退避して待っていてくれた方。飛騨泣きってここから結構続くんですか?と新たに作られた看板を見て質問された。
いやいや、ここを垂直に下りる十数メートルですよ。
いやはや...でもここで滑落する人っているのだろうか?時々お尻が重い女の子が垂直に上がれなくてエンコすることがあるみたい。💦
飛騨泣きを過ぎると延々と北穂高小屋への登り。小屋は見えどもなかなか着かない。ここら辺は槍ヶ岳山荘に通じるものがあるな~💦💦
小屋下で危なげにストックを突いてこの岩稜を下りていく人を退避したけど...岩稜帯でストックを使用しないということを知らないレベルの人がこのような最難関ルートに入ることが今年の滑落事故多発の原因か...もちろん超エキスパートでストックを使いこなして岩場を渡り歩く人もいるけど。今日の人はどう見ても危ない!
北穂高小屋。まだランチは始まっていないのでコーヒーだけ。一杯ごとに落としてくれるコーヒーは美味しい。バックに槍、フジ、常念と記念撮影。☕
トイレを済ませて出発。北穂高岳山頂で記念撮影、槍のポーズってこれ、どっかの女性議員団がパリのエッフェル塔をバックにやったあれ...🗼
3000m峰第5座👍
分岐まではえっちらこっちら登ってきた人にねぎらいの言葉を掛けて...分岐を右に。奥穂高岳方面。上から来る人を先に通すべく退避していると見るからに学生の山岳部といういでたちの4人が追い付いてきたので譲る。👌
滝谷 ほぼ垂直 ロッククライミングのメッカ(南陵から)
登ってしまうとまずは下り中心なので気楽なもの...のはずだったのだが...前出の学生さん...慎重に行くものだから遅い。こちらもヘッドカメラで撮影しているので学生さんが入らないように間隔をあけて待つことの連続。
まだ、岩場初中級者なのかな。
流石に奥穂高岳にも近づいてズームでこれだけはっきりと写るのですね
左が涸沢方面 奥が涸沢岳 奥穂高岳方面
毎年数名が滑落している奥壁バンド。足元をしっかりと確保して行く
なんてしているうちに ”奥壁バンド” ここも長谷川ピークに並んで難しく滑落事故も良く起きる。自分が通る前の週に一人滑落して尊い命を落とされた。合掌。
昨年は、大雨と強風の中通過したが自分の後に通過した人がやはり滑落。この方は幸いにも2日後に救出された。
ここは、比較的足元がしっかりしてないので浮石を踏まないように注意する。ところどころに鎖も着いているが頼らない。🪢
よく、鎖に全体重を預けて下りていく人が居る(自分の前を行く学生さんもそのような方がいた)が鎖はいつ切れるかわからない。そのようなものに頼るのは危険だと思う。あくまでも補助で。残りの両足、片手で確実にホールド。
奥壁バンドの最後には飛騨泣き同様、鉄杭を掴んで垂直に登るところがある。ここは、両側が切れ落ちていてまるで空中に上がるような感じ。🔥
そのような上下を繰り返して最低コルまで。ここからは涸沢岳に向けて最後の登りだ!🔥🔥
調子が良いので、休まずに登りに行く。涸沢岳は今日は非常に天気が良く山頂標が望める。
一つ二つの岩稜をトラバースして涸沢岳の急な登りに取りつく。
いや~~~急だ!!😅
でも、昨年の大雨で滑り滑りで苦労したのに比べるとしっかりグリップする今年はスイスイ登っていく...反面...息が切れる。
おっと、最後の狭いルンゼが見えてきた。
ここをぬければ山頂だ!!
一歩一歩近づいていく。
一番最初にここに来た時はこのルンゼ、どうやって抜けるのか?足場がないと悩んだけれど、今年は難なく抜けられる。それだけ上達したということかな。
開放的な岩屑の道を行くと山頂。🏔️
3000m峰第6座👍
山頂には山頂標を眺めながら登山女子が佇んでいる。なかなか横からの姿が美しい。
山頂について挨拶をして写真撮影をお願いする。何しろ山頂が飛び出た斜面の上に山頂標なので誰かに撮ってもらわないと撮れない。
その後その女性とお話しをして、上高地から上がってきて奥穂を行ってこちらへ来られたそうな。山が楽しいということが言葉の節々に現れている。
彼女が下って行くのと入れ違いに穂高岳山荘から女性3人が上がってきた。そこでも山の話て盛り上がる。ほんと、山に行くとみんな”純”になるんだな。
昨日の今頃はあの尖がった先にいました。
まだ13時。ゆっくりかみしめながら穂高岳山荘に下りる。
受付では100周年記念のバッジを下さった。今年2個め(っていうことは2回目っていうことだね)✨
今日はカレーライスを注文して見た。みかけ普通なのだが、筋肉を使った身体に嬉しいスパイシーなカレー。そして、ゆっくりと飲み物をおかわりしつつ水分補給。🍛
やっぱりまずはコーヒーかな~落ち着くな~☕
山荘は結構混んでて、部屋は6人(6畳)だが満杯。挨拶をして入ってふとんメーキング。
穂高岳山荘は毛布2枚にかけ布団とサービスが良い。スタッフも大変だろうな。
夕食はいつもの豪華な夕食。テレビはこの前の落雷で見れないままみたい。
そうそう、穂高岳山荘はフリーWiFiを完備してるので有難い。
8時近くなったので安眠剤を飲んで寝る。
第4章(最終日 奥穂~前穂下山)
2日間続いた好天もさすがに3日目は???
予報通りガスが濃い朝になった。☁️
でも山荘テラスからの日の出は美しい。
雨になって行く予報なのでさっさと出発。
さすがに3日目になると山荘からの岩場急登は堪える。まあ、登山ははじめ1時間は慣らし運転。
ゆっくりと奥穂高岳へ。
3000m峰第7座👍
ここはタイマーでなんとかパチリ!この前はロバの耳で雷雨にあって写真どころではなかったからね。
早々に吊尾根へ。吊尾根は最初の区間が狭いルンゼを抜けて、広いスラブを下りる。前の人が鎖に体重を預けておりるところを自撮りしていたので少し待つ。Youtubeにあげるんだろうな。そして鎖を頼りに慎重に下りていく脇を自分は鎖も掴まずマイルートで軽々おりていくので少し拍子抜けしたみたい。まあ、そこからはマイペース。吊尾根急いでいいことない。間違い道が多いので迷い込みしやすいし。🎶
涸沢はガスっているが4か所位見えるところがある。
吊尾根で雷鳥に遭遇しました。
そこからは道を間違えないように慎重に。紀美子平も見えてきた。
紀美子平では一応ザックにレインカバーを掛けて、アタックザックにはレインウエアも入れて山頂アタック。少し途中マイルートも使って難なく山頂。
3000m峰第8座👍
な~んも見えへん😰
まあ、3000m峰8座の最後だからな...と記念写真を撮ってもらってさっさと下りる。
紀美子平でザックを背負ってスタート。直下のスラブも難なくクリア。そして雷鳥広場...う~ん居ない。こういう天気が崩れるときはいるんだけどな?
まあ、ゆっくりしてられないのですぐスタート...と...降ってきた。
はじめはポツポツなのでまだ、いいかと...しかし、下に下りていくと少しずつだが雨は粒が大きく。
岳沢パノラマ...ガスは薄くて素晴らしいパノラマにうっとり。ホントにこの重太郎新道って急だなと思う。遥か下に岳沢小屋が見える。
そこから少し下るとへんなところに休んでる人が。気にせず通り過ぎたが、この方実は、滑落して動けなくなって救助待ちだったらしい。滑落は10m程度だが打ちどころがわるかったようだ。そして、少し行くと最後の岩場。岩が一面に貼りついているが足場、手掛けはあるので難なく。先行していた韓国人のカップルが”どうぞ”と譲ってくれた。
そこからは岩が滑るので慎重にカモシカの立場まで...
そこで休んでいた方が、この上で滑落事故がおきたそうですね、と...自分は、そうなんですか?って、さっき脇を通ったじゃない。
カモシカの立場から下が実は事故が多い...ので細心の注意を払って下りていく。
最後の長いハシゴを下りても、お花畑の中でさえも足を踏み外さないように、つまづかないように...で、漸く岳沢小屋。そういえば遭対協の人いなかったし、ホントに遭難あったの?とザックの中身を入れ替えしてたら水色のヘリが飛んできた。ホバリングしながら2名の隊員を降ろしている。やっぱり遭難があったんだ。
ここからも油断大敵と出発すると小屋下で上高地から登ってきた遭対協の隊員2名に合う。お疲れ様ですと挨拶してると、無線で”間もなく到着します”と...まあ、松本警察署のヘリポートからの隊員と上高地からの隊員がほぼ同時に岳沢小屋へ...素晴らしい。✨
ここからの岳沢トレイルは長いな。下りでも飽きてくるくらい。胸突き八丁、河原と過ぎて、岳沢クーラー(7/10)へ。ここで発車オーライネットで上高地からのバスを予約。ぎりぎりだけど大丈夫だろう。
というわけで、ここからは文字通りのとんとん拍子で下りていく。岳沢登山道入り口から湿原を過ぎて上高地へ。
ちょうどバスの発車10分前。歩きながらストックを畳んだりして...
あっ、発車オーライネットは最近チケットを表示できるようになりました。
マイページから該当する予約を見つけて、”この予約を操作する”からチケット表示を押すとチケットが表示されます。この方がメール提示より便利ですよ~
エピローグ
こうして、槍穂高連峰 3000m級峰 8座縦走は完結しました。
槍ヶ岳 大喰岳 中岳 南岳 北穂高岳 涸沢岳 奥穂高岳 前穂高岳...どれも個性いっぱいな山ばかりでした。稜線歩きの開放感と爽快感...これは、体験者にしかわからない。