スキー コース外滑走とバックカントリースキー(山スキー)... | 情熱山脈(passion mountains)のブログ

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ともかく山が好き...春~秋はトレッキングを...冬~春はバックカントリースキーを通して雪山の魅力を...

最近、形態はどうあれ、スキー場のコース以外のところを滑ることがブームになっています。それに伴い、遭難事故が起きやすい状況が起きています。

 遭難事故のニュースは、数年前までは、”コース外滑走をしていた...”でしたが、近年は”スキー場のコースの外を滑る、バックカントリースキーをしていた...”に変わってきました。少しですが、バックカントリースキーが市民権を得てきたのですかね...

 さて、コース外滑走をしていた...と...バックカントリースキーをしていた...はどこが違うのでしょう?

 

近年のブームの前から、スキー場のコースではないところを滑る、いわゆる”山スキー”は存在していましたが、スキーのカテゴリーでは物凄くマイナーな分野でした。当然、雪山を登るわけですから、雪山登山の装備品にスキーが加わったような感じになります。

 では、装備とは...

3種の神器と言われるスコップ、プローブ、ビーコン...遭難したり、雪崩に埋まった時に、雪洞を掘ったり、埋もれた人を探す道具。

ビバークに必要なツエルト、エマージェンシーブランケット(使い捨て寝袋)携帯用充電池、コンパス、地図、非常食

これに、当然、十分に暖をとれる服装。ゲレンデスキーは、殆ど汗を掻かないですから、一般的なスキーウエアです。ゴワゴワしたタイプで、インナーの上に着ればOK...に対して、バックカントリースキーでは着重ねが基本です。登りが続くときや急登では、雪の上でも半TでOKなときも...でも、いったん休憩に入ると急激に冷えますから、体温を奪われないようにすぐ着こまないといけません。私の場合は、上半身5枚重ね、下半身3枚重ねくらいの着重ね。ウエア(レイヤー)などはドライパック(スタッフバック)に入れて、濡れを防ぐほか、圧縮して嵩を小さくします。ファーストエイドキット(救急セット)も入れておきます。スマホの充電に使う充電池は、私は3回フル充電分くらいの能力があるものを持っていきます。ですので、2泊3日くらいの山行では、山小屋の充電コーナーを利用しなくて大丈夫です。

その他、スマホのGPS機能を使用するアプリやココヘリなども大変有用です

 また、登攀のためには...

急な斜面を上り下りする時はピッケルが必須です...また、あるくところが平坦だったりする場合はスキーブーツのソールプロテクタで充分なことも)

スキーで登攀するために板の裏面にシールを貼ったり、凍った斜面を登るときはピッケルが必要な時も...そして、マイナーではありますが、普通のビンディングにはめ込むことで、踵が自由に上がるようになるトレッカー...e.t.c (ビンディングに関する話をしだすと長くなるので割愛します)

 これらを、パッキングするとバックパックは...

日帰りのBCスキーでも、遭難を想定して装備すると、夏山の泊まり山行よりも装備は重たくなりますね

のように一杯に...また、写真のように、スキー自体をリュックに括り付けて、アイゼンを装着して歩いた方が楽な場合もあります。また、車や電車を降りたらすぐ雪の上であれば、スキーブーツで充分ですが、私が4月に行った槍ヶ岳(槍沢)では、雪があるところまで、バスを降りてから14kmに歩くので、普通のトレッキングシューズや登山靴が適しているときもありますし、それに対する滑り止めは、チェーンスパイクが手軽で使いやすいこともあります。

チェーンスパイク...靴に装着する...写真のものは19本爪

 これに対して、スキー場のコース境界からコースを外れて、雪が吹きだまっているところを、普通のスキーウエアで特に何も持たずに滑るのが”コース外”滑走です。
 無事に帰れる保証があれば、それで十分ですが、スキー場のコース外はそうとは限りません。雪質もころころ変わりますし、雪の下に隠れている、木の根などに足を取られて転ぶこともあります。

写真は、神楽ヶ峰山域のゲート。3年前は5名の方が還らぬ人となったほどの山域だけに...

バックカントリースキーの聖地、神楽ヶ峰は、かぐらスキー場の最上部にある、かぐら第5ロマンスリフトでアクセスできるので人気がありますが、登山届(コンパスやヤマタイムなどでWeb提出していても、必ず、専用の用紙に記載されたもの)の提出が義務付けられており、それも、登山ポストに投函OKではなく、パトロールに提出、確認してもらわないといけません。オールドファッションのゴンドラがパト詰め所になっています。

 そして、ゲートには扉があって、ビーコンチェッカーがあります。登山届でOKをもらったら、ビーコンのスイッチをONにして、チェッカーがビーコンの電波を検出して〇を出さないと通れません。

 しかしながら、ここからの世界は...

平成31年元旦の神楽ヶ峰へのルート...