入院8日目。

昨夜は久しぶりに熟睡することができた。ここ1週間ほど検査や入院生活への緊張が続き、夜眠れない日々を過ごしていた。日中は、仲間と一緒で楽しいのだが、いざ消灯時間を過ぎると、何故か色々考えてしまい、何度もトイレに行く。

 Tさんが、おはようとカーテンを開けてくれた。

「よく眠れたみたいだね。良かった。安心したよ。」

何度も言うが、Tさんは主治医のようだ。本当に心強い存在である。

熟睡できたのは、Tさんのおかげかもしれない。

「トイレ何度も行っているみたいだね。大丈夫?入眠剤もらったほうがいいよ。」

『薬はなるべく飲みたくないけど、やっぱり必要なのかな。』


 それまで、入院しても薬をもらわずに夜眠れないことを繰り返してきたので、今回もそのうち眠れると思っていたので、薬はもらわなかった。

 今回は思い切って、試してみることにした。


 Eさんが、文字の書かれた紙をくれた。その紙には、

『うれしいな。たのしいな。、、、。』

ポジティブな言葉が羅列されていた。

「毎日、これを声に出して言うの。そしたら、元気になれるよ。」

 またTさんに‘元気になるおまじない’を教わった。


 病気を治すには、もちろん治療や薬が必要だが、最後は人の力、絶対に良くなろうと思う

人間の意志が大切なのだろう。


 明日からいよいよステロイドパルス点滴治療が始まる。

『元気になって家に帰ろう!』

 早く息子の笑顔に会いたい。