あるとき出会った小学生の男の子

 

 

お母さんの余命がわずかだとわかったときのささやかな願いは

 

 

「お母さんと一緒に寝たい」でした。

 

 

 

 

 

今までがんと闘い、治療を頑張ってきたお母さんが、

 

 

がんが進行して、治療はもう限界になり、

 

 

自分はもう食事を食べることができないのに

 

 

それでも家族の食事の支度をして

 

 

「家族と一緒に食卓を囲む時間が一番幸せ」

 

 

と、おっしゃっていました。

 

 

 

お母さんというのはそう言うものなのかも知れません。

 

 

 

そのお母さんが入院して、この先どんな風に過ごしたい?と

 

 

家族に聞いたときのこたえが

 

 

「お母さんと一緒に寝たい」でした。

 

 

このことがヒントになりました。

 

 

 

 

あるとき、年老いてちょっと認知機能も低下してきたお母さんが

 

 

がんの末期と診断されました。

 

 

積極的な治療はしないことになり、体力も低下してきて、

 

 

在宅療養が始まりました。

 

 

 

家族が思っているよりも「残された時間が短い」ということは

 

 

現状確認ツールIMADOKOで現状を確認すると

 

 

家族にも容易に理解できました。

 

 

 

 

 

これからの時間をどう過ごしたら良いのか考えてみてください、と

 

 

ご家族にお伝えしました。

 

 

 

少しだけお仕事を調整して一緒にいる時間を作るとか、

 

 

お母さんが食べたいと言ったときに、食べたいものを用意してあげるとか。

 

 

 

 

こういうお話しをしたらとっても不安になるご家族がいるのは当然のことです。

 

 

一方で、見通しがわかって、サポートしてくれる在宅チームがいることがわかって

 

 

とっても安心されるご家族もいます。

 

 

 

 

さて、このとっても不安なご家族への対応についてです。

 

 

参考になるかも知れないのでご紹介したいと思います。

 

 

 

 

そこそこの年齢の息子さんですが、とっても不安な気持ちでいました。

 

 

とにかく心配で仕方がなく、時々部屋をのぞいて確かめる。

 

 

それくらい不安で仕方がありませんでした。

 

 

 

このときに、あの男の子のことばをお借りして

 

 

こんな風に息子さんにお話ししてみます。

 

 

 

お母さんのことが心配な気持ちはもっともです。

 

 

でも、時々のぞいて、息をしているか確かめる、ということよりも

 

 

お母さんが今どれほど穏やかに過ごしているのかを

 

 

しばらく一緒の空間で過ごして感じてみて下さい。

 

 

お母さんの横で一緒に寝てみるとか。

 

 

お母さんの横で読書をしてすごしてみるとか。

 

 

あとから振り返ると、この時間があって良かったなと思える、

 

 

とっても貴重な時間ですよ😊

 

 

 

そう。お母さんはちょっと認知症で、いろいろなことを忘れるけれど、

 

 

痛みもないし、住み慣れたお家のお庭が見えるお部屋で

 

 

とっても穏やかに過ごしています。

 

 

 

 

ちょっとお母さんと一緒にすごしてみた息子さん、

 

 

ちょっと落ち着いていました😊