あるとき訪問した患者さんは
がん治療医から、
外来に通院できなくなったら、抗癌剤治療は続けられない。
といわれていました。
その通りだなぁ。。。と私も思いました。
この方は呼吸が苦しくて、家から出ることは難しくなり
奥様から状況を聞いて初めて訪問したのがこの日でした。
それでも、がん治療を続けたい理由がありました。
先生、抗がん剤をやめたら痛くなるんでしょ?
あ~なるほど。そういう風に考えているのですね。
抗がん剤を続けたい理由は、やめると痛くなるから、ということですか?
その通り。
まず、今は痛みがない状態なので、
この先もこのまま痛くなく過ごせる可能性があります。
もちろん痛みがでてきたら、その時にすぐに痛み止めを調整します。
それよりも、今は呼吸がこんなに苦しい状態なので、
すぐに酸素を用意して、呼吸が苦しいときに飲む薬を用意しましょう。
少し歩くと呼吸が苦しくなり、
トイレに行くこともやっとのこと。
がん治療医にはこのことを伝えていないのか、
呼吸が苦しいときの対処法は何も示されていませんでした。
緩和ケアは、今ある苦痛を緩和して
少しでも日常生活が楽に過ごせるように工夫をしますよ。
抗がん剤治療について、やはり続けたいという気持ちですか?
いや、痛みを取ってもらえるなら抗がん剤はやめるよ。
痛いのはいやだから、先生よろしくね。