最期のときに間に合わなかった
そのことをずっと後悔して苦しんでいるご家族がいます。
「ずっと、ずっとそばにいたのに
あのときどうして離れたのだろう」
その気持ちがどうしても頭から離れないのです。
看取りは最期の瞬間だけではない。
そこに至るまでの時間的な幅のあるもの。
そういう風に伝えることで、そんなに最期にこだわらなくてもいいのだ。
そう思える人もいるけれど、一方で
なんとしても「ひとりで死ぬこと」は避けたかった。
そう思う人もいるのです。
それならば、このチャートで、
死まであと数時間かも、というサインを知っておきたいですね。
*このチャートはこちらの論文で紹介されています
呼吸の仕方が変わったら、
橈骨動脈(手首のところの血管)の拍動を触れなくなったら、
指先や足の裏にチアノーゼがでてきあら、
早ければあと数時間なのです。
看取りの現場にいる看護師さんたち。
是非ともこのことを知った上で、
最期はそばにいたいというご家族には
呼吸の変化があった時点でそう伝えてほしいです。
「最期にそばにいてあげたいなら、今はそばを離れない方が良い。
ただ、ずっとそばにいたとしても、
ちょっとトイレに行っている間、ちょっと少し休んでいる間に、ということもあります。
最期の瞬間だけにこだわらなくてもいいんですよ。
今まで一緒に過ごしてきた時間も含めて、
看取りの時間と考える事もできます。」
そんな声かけができたらいいですよね。
モニターの数字ばかりをみていないで、
患者さんの表情をみて、
手に触れ、
脈の拍動の強さを確認しながら、
指先や足のチアノーゼも確認しながら、
いよいよかな、という感覚を養ってほしいです。
良いタイミングで家族に声かけができた、
そういう成功体験を重ねていきましょう。