細谷ゼミのブログをご覧の皆さん、はじめまして!17期の蜂須賀さくらと申します。入ゼミ係を務めており日吉での説明会にも顔を出したので、もしかしたらお話ししたことがある2年生の方もいるかもしれません。改めまして、お忙しい中説明会およびオープンゼミに足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。私たちの予想以上にたくさんの方が細谷ゼミに興味を持ってくださっているようで、ゼミ生一同大変喜んでいました。また、ご都合がつかずイベントへの参加が叶わなかったという方も、SNSやブログを通して少しでも細谷ゼミの雰囲気を掴んでいただけると幸いです。
すでに10名近いゼミ生がブログを公開しているということで少し目を通してみましたが、みんな思ったよりも長文をしたためていて驚きました(笑) 私の方からはありきたりですが、「細谷ゼミの魅力」と「選考のコツ」についてお伝えしようかなと思います。同期が30名以上いるので内容が被る部分もあるかと思いますが、ご容赦ください。
大学生活後半をどう過ごすか決める、と言っても過言ではない入ゼミ選考において、1つに絞ってエントリーしなければならないという制度はなかなか残酷だなと感じます。私は2年生の春学期に細谷先生の演習授業を受けたこともあり、かなり細谷ゼミに気持ちが固まっている状態ではありましたが、それでも入ゼミ課題に取り掛かる直前まで迷いはありました。細谷ゼミを候補に入れている方は国際政治に興味がおありかと推察しますが、国際政治系のゼミはどれも魅力的ですよね。その上、人気のゼミは一次募集で定員が埋まってしまいます。結果がどうなっても後悔しないためにも、ご自身が本心から入りたいと思うゼミに挑戦することをお勧めします。ただ、外から見るとどこも同じように見えてしまって、どのゼミが自分に合っているのか分からない、という方も一定数いるかと思います。そんな方々へのヒントとして、私なりに細谷ゼミの大きな特徴と感じている点を3つお伝えします。
①教授の寛容さ
細谷先生は日吉でも授業を開講されているので、その人柄に触れたことのある2年生の方も多いのではないでしょうか。そして皆さん感じられたと思いますが、細谷先生は本当に温かく寛容な方です。日本を代表する国際政治学者として世界中を飛び回っている先生ですが、学生に対して高圧的だと感じたことは一度もありません。いつも物腰柔らかで、私たちのどんな些細な疑問にも丁寧に向き合ってくださいます。同時にお茶目な一面もあり、ニコニコ笑顔から飛び出す天然(しばしば毒舌)発言は、教室に笑いを生んでいます。「勉強することが苦ではなく楽しみであってほしい」という細谷先生の思いはゼミ活動の節々に表れており、そのおかげでのびのびと過ごせていると感じます。細谷先生の温厚さに影響されてか、ゼミ生の間にも穏やかな空気が漂っており、ディスカッションでは「相手を打ち負かす」よりも「相手の考えを吸収する」という姿勢が多く見られる点もポイントです。
②ゼミ生の多様性
細谷ゼミは毎年30名程度の生徒を受け入れています。この時点で他のゼミと比較すると多い方かなと思うのですが、秋学期から留学帰りのメンバーがちらほらと加わり、17期は現在40名近い大所帯で活動しています。ゼミ生のバックグラウンドは本当に多様ですが、皆に共通するのは国際政治を学ぶことへの意欲です。国際情勢について自分なりの意見を確立している人が多く、自分とは異なる価値観のゼミ生と議論を交わすことで、毎回のディスカッションを通して新たな学びを得ることができます。また、ここまで大所帯なのでゼミというより高校のクラスのような雰囲気が漂っており、1人は絶対に気の合うゼミ生が存在します。同期の人数が多いので、毎週みんな揃って飲み会を開催する、という訳にはいかないのも事実です。しかし言い換えると、自分の忙しさや気分によってゼミ活動へのコミットをコントロールすることが可能であり、自由度高く、誰にでも居場所があるゼミだと言えます。
③学べるテーマの広さ
細谷ゼミの研究テーマは西洋外交史となっておりますが、それに限らず国際政治全般について学ぶ機会が提供されています。扱う文献は西洋外交史に関連したものが多いものの、討論者が設定する論点によっては、本の内容から離れて時事問題について議論が交わされることもしばしばあります。また、授業内で細谷先生に質問するタイミングもたくさんありますので、自分が気になっているニュースについて先生の見解を仰ぐことも可能です。国際政治の最先端で研究をなさっている先生から、世界の動向やそれに対するご意見を直接お伺いできるのは、本当に贅沢な環境であると感じています。
ここまで細谷ゼミの魅力という観点でお話を進めてきましたが、2年生の皆さんが最も不安なのは「どうやって選考を突破するか」という点かと思います。ただ大前提として知っておいていただきたいのは、細谷ゼミの倍率はおそらく皆さんが思っているほど高くない、ということです。公式HPにも毎年の応募数/採用人数を掲載していますが、倍率は2倍に満たない年がほとんどです。昨年の私も「15000字も書いて落ちたらたまったもんじゃない」と思いながら課題に取り組んでいましたが、その点に関してはあまり怖がらずに挑戦していただけたらと思います。
その上で、僭越ながら選考に関するアドバイスをお贈りするとしたら、書類でも面接でも「自分を偽らないこと」が最も大切だと感じます。
書類選考では、5000字で自己紹介の提出を求められます。私は「自分史の振り返り→志望動機」という流れで書きましたが、そのうち4000字ほどは自分史に費やしていました。その際に意識していたのは、「綺麗な出来事でなくとも、自分の人格形成に影響を及ぼした出来事は全て書く」ことでした。20年間の人生を振り返ってみると、必ずしも良いことばかりではなく、悔しさが残る経験を誰しも抱えているものだと思います。このブログを執筆するにあたり昨年書いた入ゼミ課題を見返してみたのですが、挫折経験とその時の感情がかなり率直に綴られていて、「こんなこと書いたの?!」と少し驚いてしまいました(笑) 自分史に挫折経験を必ず盛り込まないといけないとは思いませんが、飾らないありのままの自分を見せた方が、人間味があって親しみを覚えてもらいやすいのかな、とは思います。
記憶に残った5冊の書評も、国際政治に関係するような学術書でなくて全く問題ありません。私は幼少期に読書好きだったこともあり、『赤毛のアン』や『ハリー・ポッター』シリーズのような児童書を選びました。それぞれの本のどのような点が印象的で、ご自身にどのような影響を及ぼしたのか、この2点を書くことができればどんな本でも大丈夫だと思います。あまり難しく考えず、文字通りご自身の記憶に残っている本を選んでください。
最大の鬼門である課題図書の書評に関しては、いかに自分の意見を論理的に展開できるかという点が見られているように感じます。私の場合はまず課題図書を読んで、その一部について自分なりの疑問や問題意識を見つけました。それに対して仮説を立てて、仮説を導く根拠となるような事例を調べて肉付けしていくと、意外とあっという間に5000字を書き終えることができました。
面接については、2月の三田キャンパスは寒いので温かい飲み物で体をほぐしてください、というのが最大のアドバイスです(笑) 個人的には、投げかけられた質問にうまく答えることよりも、自分の考えを素直に伝えることが大事かなと思っています。少なくとも私の場合は、これまでの経験や学校生活に関するオーソドックスな質問ばかりだったので、あまり深く考えずに答えていました。入ゼミ選考に限らず面接全般の話ですが、笑顔でハキハキ喋ることを意識すると印象は良いかな、と思います。緊張するかと思いますが頑張ってください!
そろそろ同期に見劣りしない分量が書けたようなので、私のブログは締めくくりとさせていただきます。ここまで読んでくださりありがとうございました。授業、課外活動、アルバイトとお忙しい中で入ゼミ課題にまで取り組むのは本当に大変かと思いますが、少し時間を取ってじっくり向き合ってみてください。本格的に寒くなってきたので、くれぐれも体調には気をつけてくださいね。末筆となりますが、このブログをお読みくださった皆さん全員がご希望のゼミに合格できますようお祈り申し上げます。
