寸法単位公差 その2◆ 【工業用品営業マンの為の基礎知識講座】

 

 ●公差(寸法公差)とは、何でしょうか。

図面等で指示された寸法に対し、どれぐらいのずれが許されるか、その数値の上限と下限との

差を表したものです。

10ミリという図面指示寸法に対し許容が±(プラスマイナス)0.3ミリであれば、9.7ミリから10.3ミリまでが許容となり、9.7ミリを最小許容寸法、10.3ミリを最大許容寸法といいます。最大許容寸法10.3ミリ―最小許容寸法9.7ミリ=0.6ミリが、寸法公差となります。

10.00ミリジャストで製品を作ることは、機械の精度、材料の特性から、非常に困難であり、コストと、完成品の機能上のスペックを考慮した、製品の許容を表します。

 

●公差の表記の方法

 〇上限と下限が同じ数値の場合の書き方

  10±0.3 →9.7~10.3 OK

 〇上限と下限が異なる数値の場合の書き方

    +0.5

  10-0.3 →9.7~10.5 OK

 〇下限が0、上限が0の場合の書き方

   +0.3               0

 10 0  →10.0~10.3OK10-0.3→9.7~10.0 OK

 〇上限と下限の数値が、双方+、双方―の場合の書き方

   +0.5               -0.3

 10+0.3→10.3~10.5 OK10-0.5 →9.5~9.7 OK

 上記は、寸法公差の場合をご紹介しましたが、角度も同様の書き方となります(単位は°ですが)

 

●寸法公差表

 分野ごとに、公差表が決められております。図面等に記載があれば、その公差表に準じます。

 公差表の記載がない場合は、客先に、公差の確認をする必要があります。ゴム業界では、下記の公差表を使用することが多いのですが、使用する等級がありますので、必ず、見積、打ち合わせ、加工時等には、客先にどの公差表、等級を使用するかを、打ち合わせをする必要があります。

 〇JIS B 0405

 〇ドイツ工業規格VDI2005

 

【作業標準書の広場】 ★受入検査作業標準書★

 製品が、入荷してきました。その場合、納品書(送り状の場合もあります)と、製品との

 どの部分を照合し、受入作業を完了しますか?

 その作業を標準化したものが、「受入検査作業標準書」です。この標準書に従い作業を実施

 すれば、受入作業は、完了致します。

この標準書をベースにして、自社の内容にあった標準書に改訂し、ご使用下さい。

 

                            (細野 勝世)