◆ホース その1◆【工業用品営業マンの為の基礎知識講座】

 

身近にあるホースですが、その種類は、多種多様です。選定時には、使用条件をしっかり、

お客様から聞き取りましょう。

 

●ホース選定時に確認が必要な5つのポイント

お客様から、ホースの検討依頼があった場合、長さや太さは、当然ですが、必ず、下記5点は、

確認が必要です。

 

1、    ホースの中を流れる物(流体)の種類 例えば、エアー、水、油、薬品等々

 流体の種類により、他の条件とを合わせて、ホースの素材材料の選定をする必要があります。

 また、その流体が、流れ出るか、吸引するかでも、種類が異なります。

 吸引は、例えば、バッキューム用のホースです。

 

2、ホースの中を流れる物(流体)の常用(使用時)圧力と、ピーク時の圧力 

 常用圧力は、連続して使用できる最高圧力を示し、ピーク時の圧力は、開始時等に発生する  衝撃圧力を表します。その圧力により、ホースの肉厚や肉厚部の糸の数(編上数)を選定します。

 

3、流体の温度と、ホースを使用している環境(雰囲気)温度 

流体の温度により、他の条件とを合わせて、ホースの素材材料を選定する必要があります。

既定の温度以上の環境で使用するとホースの素材の劣化が進み、寿命が短くなります。又低温の環境で使用すれば、硬くなり折れやすくなります。輻射熱が掛かる場合は、断熱材等でホースを保護することも検討が必要です。

 

4、ホースの曲げ半径 

ホースは、曲げて使用するケースが多いのですが、ホースの規定の曲げ半径以上で使用しないと、ホースのつぶれや折れ(キンク)が発生します。

 

5、継手の種類 

相手側の継手の形状、ねじの種類等を確認しないと、接続が出来なくなります。

ねじは、講座の「ねじ その1」をご参照下さい。

 

上記5点の確認不足で、思わぬ惨事になることがありますので、ご注意下さい。

 

●ホースの取り扱いの注意

ホースの取り扱いにおいて、注意する点は、大きく下記2点があります。その前に、ホースの内径にゴミなど異物が侵入しないようにキャップ等をしたり、直射日光が当たったり、高温多湿な場所での保管は、しない事は、当然の注意となります。

 

1、    折れ(キンク)

既定の曲げ半径より大きな曲げ半径で配管しないと、折れ(キンク)が発生します。キンクはくせがつくと、劣化が起こりやすくなります。キンクしたホースは、使用しない事をおすすめします。

どうしても、規定の曲げ半径より小さく配管する時には、ホースの外装にスプリングガードを設けたり、曲がった形状の接続金具を使用することで、対処することもあります。

 

2、    ねじれ

ホースが、ねじれた状態で可動すると、寿命が早くなったり、取付のねじが緩くなることがあります。配管する時には、ホースの外装に印字されたマーク等を活用し、ねじれのないように実施して下さい。

 

【作業標準書の広場】★作業中断時のルール★

作業を、していれば、どうしても、現場を一時、離れることがあります。これは、通常の作業からすれば、「異常作業」ということになります。不良や不具合は、異常作業時に発生することがあります。そこで、この異常作業時の処置の仕方を、ルール化した作業標準が、「作業中断時のルール」

です。作業を中断する時の対処の仕方、再開時の確認項目を明らかにしております。

作業中断時に、他の人に「今、作業を中断しています。触らないで下さい」と注意喚起する「作業中断表示プレート」の設置は、重要な要件となります。あなたの社内の実情に、あったルールに変更し、ご活用下さい。                         (細野 勝世)