今日は久しぶりに妻とプチ遠出をした。

 

ここ最近は妻もボクもそれぞれの予定のために忙しく動いていて、何か一緒にしたことと言えば近所のスーパーへ買い出しに行ったことくらい。

 

今日は天気も良いからと、ボクらは車を走らせた。

 

天気予報によれば、最高気温は35℃。

 

車のエアコンを効かせていると分からないものだが、7月頭にしてもうすっかり真夏を感じさせる気候になっている。時の流れの何と早いことか。

 

妻と車内で会話する。

妻の職場の課長さんのこと、先日お友だちと遊んで楽しかったこと、そういう話を聞く。

 

妻の話を聞くのは楽しい。

 

ボクは熱心に語られる彼女の話に合わせ、

「ぅ…」

「ぉ…」

「ぁ…」

と、適切に相槌を打つ。

 

彼女の話は止まらない。

 

妻はよく、

「ラジオのMCの人って凄いわよね。

あんな風に喋り続けるなんて私には絶対に出来ないわ」

と言うが、ボクは思う。

 

キミほどラジオのMCに向きそうな人もなかなかいないだろうと。

 

 

道中、時折カーナビのガイドが、

「間もなく側道を斜め左方向へ進んでください」

などと、どう見ても車を乗り入れるべきではない細道へと誘導してきた。

 

「こんな狭い道、無茶だろ」

 

ボクは妻の熱心な話に耳を傾けながらも心の中でそう思い、ナビの誘導を無視して直進した。

 

すると、ナビは言った。

 

「この先、右方向にUターン」

 

え?

 

このナビ、意地でもさっきの細い道へ連れて行こうとしている…?

 

殺される…?

 

 

そんなドライブを楽しんでいるうちに、気がつけばお昼時になっていた。

 

特に何を食べようという目当てもなく車を走らせていたので、適当にどこか良さそうな店を見つけて食事を取ろうということになった。

 

「この店が良いんじゃないかな?」

 

ボクはやや年季の入った外観をしたタンタン麺の店を指差してそう言った。こういう店は料理そのものにお金をかけるから、建物の外観だとか内装だとかは二の次なのだ。

 

車の冷房が涼しかったこともあって、ボクたちは温かいタンタン麺を食べることに合意した。

 

 

着席すると、定食屋のお母さん、という印象の愛想の良いスタッフさんが水を運んで来てくれた。

 

「ご注文がお決まりになりましたら、こちらのボタンで呼んでくださいね」

 

メニュー表を見る。

 

ボクは辛味噌タンタン麺に決めた。

妻はああだこうだと3つか4つのメニューで迷いながら、結局つけ麺にしたようだ。

 

ボタンを押し、店員さんを呼び、オーダーをする。

 

料理が運ばれてくる。

 

レンゲでスープをすくい、口の中に流し込む。

 

途端にボクはビックリした。

 

「うまい!」

 

思わず声が出た。

 

スパイスの辛さと味噌の甘さ。

それらが絶妙に融合された濃厚スープは、実に深みのある味がした。そして、大盛りの野菜炒めもしっかりとした味付けがされており、濃厚スープとシャキシャキのもやしに合わせられたのは太麺。

 

「この太麺もコシがあって美味しいね。スープと具材、そして麺が見事に調和しているよ。キミも食べてごらんよ?」

 

ボクはこの店に入って正解だったと思った。

こんな土地にひっそりと存在しているタンタン麺の名店。

本当に美味しいタンタン麺だ。

 

食事を終え、いつものように妻に会計をお願いする。

 

「今日はキミのおごりかい?すまないね」

 

もちろんお金の出どころはボクたちの家計からなのだが、ボクはおどけてよくそんなことを言う。

 

妻はLINEをチェックしていた。

ボクのジョークは空を切った。

聞いていなかったようだ。

 

ボクは先に外へ出るところで、

「大将、お宅のタンタン麺は絶品だよ。

この味なら他の街にもお店を出されてはどうだい?

絶対流行ると思いますよ」

そう言ってあげたかった。

 

しかし、ボクはコミュ障。

 

そんな思いを秘めながら、

「…あ…ありがとうございました」

と、突拍子もなくそんな言葉を吐き出し、店の外へ出たのであった。

 

車内へ戻り、スマホを手に取り、このタンタン麺の名店をネット検索してみる。

グルメサイトにはさぞ高い評価、コメントが寄せられているに違いない。

 

店名を入力し、検索する。

 

そしてボクは知った。

 

チェーン店だった。

 

危なかった。

 

店を出る時に、

「大将、絶対流行ると思いますよ」

なんて言っていたら…。

ボクは自らのコミュ障に初めて感謝した。

 

 

前置きが長くなりましたが、いよいよスト6の話を。

 

6/27に全身全霊を賭して臨んだランクマッチ150戦。

それまであまりにも思い通りにいかなかったため、開始からブチ切れて臨みました。。

とにかくMR1,300へ復帰することだけが目的となっていて。

 

結局、何とかMR1,300には辿り着けたものの、そこで得られたのは満足でも安心でもなく、文字通り虚無感のみでした。

 

それもそのはず、150戦ものランクマを通じ、改めて自分の実力ではMR1,200がせいぜいだということがハッキリ分かりながら、ただMRという数値のためだけに一心不乱に対戦を重ねたのですから。

 

何かの課題に気づくことも、何かを学び取ることも、そんな余裕は一切ありませんでした。

 

ちょっと限界かな。

 

今、ボクはそんなことを思っています。

 

6/27のランクマだけでなく、ボクはAct4で1,513戦ものランクマッチを戦ってきました。

これは、発売当日からスト6をプレイしているボクにとって、過去Actで最多となる試合数(これまではAct1のランクマ1,104戦が最多数でした)。

 

・下段ヒットからゴッソリ体力を奪われている。だから下段ガードを多めにしよう。

・画面端を背負って固められたらDリバを出してみよう。

・SA3からのコンボが不安定だから、トレモで慣らしてからランクマへ行こう。

 

そのような努力も成果に繋がることはなく、戦えば戦うほど、このままでは厳しいなって。

 

 

急いで、走り過ぎたかな。

 

 

しかし、ボクは永遠の旅人。

ここで旅が終わるわけではありません。

 

ただ、この先も旅を続けるために、体を休ませるだけさ。

 

 

どんな旅にも持っていかなければならないものがある。

自分だけは必ず連れていかなければならない。

 

 

だから、苦しい時には立ち止まって、

がんばった自分を労わってもいいよね。

 

「そんなのでがんばったって言えるの?」

 

まだまだなのかも知れない。

 

だから、もう一度立ち上がれるように力を蓄えようじゃないか。

 

 

つづく