十三夜。

十三夜は
これから満ちていく
少し欠ける

未完成の月。


秋の月見と言えば
まんまるな
十五夜の月見。

そして
『後の月』と呼ばれる
十三夜の月見。

これから満ちていく
未完成ゆえの美しさを
共に愛でる。

長雨や台風で
雲に隠れる無月の年も多い
満月十五夜。

だからこそ

ひと月ほど後の
晴れることの多い
十三夜を眺め、
その程良い美しさに
惹かれた歴史が
残っています。


日本の気候に合わせて
風習となった
十三夜。

十三夜月見の始まりは、
諸説あります。

時は平安時代、
醍醐天皇が、宴の席で
詩歌を楽しんだのが、

『十三夜の月見』

の始まりが有力説。


先人たちは
秋の収穫に感謝しながら、
美しい月の下
何を思ったのか

ぼんやり眺めました。


十五夜と十三夜を
「二夜の月(ふたよのつき)」
と呼び

十三夜は、別名

豆名月(まめめいげつ)
栗名月(くりめいげつ)
と呼ぶそうです。

どこか
豆や栗に似て
愛らしさがあるのも
十三夜の親しみやすさかなと
見上げました。


先人たちと同じく
月に願いを伝え続けた頃が
あります。

見えますか。

月の側にいる星が
なぜか羨ましいと
想うこともありました。


四季を感じて生きる
暮らしの中、
秋の澄んだ空気の中、

月はあなたを
強く明るく照らします。

未完成の月の美しさは

本当の美しさと
輝きとは何かを
私たちに
教えているようです〆