仮面ライダー響鬼
15周年記念~anniversary


放送開始から
15年が過ぎて

あの頃の
少年少女たちが
社会に旅立ちました。

15年前
既に大人だった
ひとたちも

響鬼は
みんなの心の中に
いますか。

主演として
今もファンの皆さんと
語り合える
素敵な作品に出会えたことに
少し踏み込んで
毎月一緒に
思い出を振り返ります。

今月も
共に語り合いましょう★

『響鬼の中にいる
    世界の英雄たち』


撮影前
『仮面ライダー響鬼』のキャラクター像のイラストを見ながら、想像する日が続きました。


響鬼のマスクは
仮面ライダー特有の
大きな瞳がなく

両手に撥(ばち)
角(つの)襷(たすき)
褌(ふんどし)

が特徴で
ヒーロー像として
思っていた以上に
イメージを深めることが
困難でした。


響鬼のフォルムは
どこか大人びた美しさで
幻想的な印象故に

近づくのが難しかった。

『自分が変身したら
この姿、か?』

何度もイメージしましたが
中々重ねることが出来ず

時には

夜中にファミレスに出掛け、車を眺めながら考え、海までドライブしてはPAで考え、永遠にゲームMGSをやり続け考え、野生のプレデターを鑑賞し考え、プールで泳ぎながら

考え続けました。

一年間ブレずに演じるため、
役作りの基本イメージの土台となるものが欲しくて、たくさんの不安とプレッシャーの中、想像する時間が続きました。

『拠りどころ』

これは
演ずる芯になるものですが
疲弊する作業でもあり
次第に焦りを感じました。


公式なインタビューでは

曲解して掲載されたり、真意が伝わらない内容も一部ありましたが、記者や編集者の方にネガティヴに捉えられそうなエピソードは、最初から極力避けることを決めていたので、なるべく簡単に明るく楽しく前向きな回答に努める準備を進めました。

この作品を通じて
「役作りの真髄」を
教わった気がします。

『響鬼と一体化』
『子供たちの手本』
『憧れのヒーロー像』
『色褪せない作品』

出来るだけたくさんのことを書き出し、たくさんの場所を訪れ、あらゆるものにヒントを求め続けた或る日
響鬼の土台となるものは

『和洋中』

という結論に至りました。


親しみやすい
J.チェンのように。

紳士的な
J.ボンドのように。

眼光鋭い侍魂
三船敏朗氏のように。

各国を代表する
愛すべき英雄たちの
エッセンスを取り入れ
自分らしく表現する。

自分が思い描く
ヒーロー像。

「また会いたい人」

毎週会いたい、
と思わせる魅力とイメージを
取り入れるニュアンスが
どんどん湧き上がり

前向きになれる指針が
やっと降りてきた
そんな瞬間。

これが
自分の気持ちを支えた
一年間の軸に。

『和洋中を含んだ
新たなヒーロー像』を
子供たち、
ファンのみんなに届けたい。

このフレーズで
気持ちが自然と
落ち着きました。

それぞれの英雄たちが
いつも気持ちの中で生き続け
時に励まし
響鬼は躍動し続けました。

とにかく、強く
時には、お茶目に
そして、
親しみやすく。

そんな雰囲気を
感じて貰える場面に
気付いて貰えたでしょうか。


それからは
説得力を持たせる為に
とにかく身体の線を
太くすると決めて
GYM通い。

「頼りになる人」
「負けそうにない人」
「少し甘い人」
「諦めない人」
「近くにいたい人」

自分が子供の頃に抱いた
理想の大人。

それを自分自身が
表現してみせる嬉しさ。

優しさ、強さ、頼もしさ
全部、薄くなく細くない
内面の厚さ。

そして
ひとつに
縛られないということ。

内外共に
華奢に見えない姿は
仮面ライダー響鬼の軸です。

『和洋中の型!』

これで気持ちが
完全に無敵に
なりました〆


制作発表時に配布された
未塗装のフィギュアです。

(つづく)