本日2019年(平成31年)311日(月)午後1時、放送倫理・番組向上機構[BPO]放送と人権等権利に関する委員会(BPO放送人権委員会)より、2017年(平成29年)12月29日(金)午後9時〜午後11時04分に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysランキング2017決定版』について、「放送倫理上問題がある番組放送であった」と結論付ける「委員会決定」が「通知」されました。
 
委員会決定の説明後、感想と意見を求められ代理人弁護士から下記の意見が述べられました。
 

●代理人弁護士コメント
 
一連の対応、質問状に対する回答、答弁書を踏まえた率直な意見を述べさせて頂きます。
 
我々は、BPOホームページに掲載されている、番組側の答弁内容を確認しました。審理の過程をふまえて我々が至った結論は、番組側は「裁判決定を放送したくなかった」ということ、それが明確になりました。
 
本放送で扱った内容は、東京地方裁判所にて裁判決定されたことが全てです。すなわち、事務所側の主張は、裁判官3名の合議体による審理にて、全て認められなかったという結論が出ています。芸能事務所に細川茂樹さんの芸能活動の地位を保全する命令が下され、契約を続行する裁判決定が出されました。
 
この放送は「裁判決定を伝えていないこと」に「意図」があります。

放送された内容は、ねつ造、創作であることを、音声データを含む、ゆるぎない客観的証拠によって証明しました。芸能事務所の要求は金銭目的であり、隷属的契約を強要するものであったため、元々の契約の続行を東京地裁が認めたものであります。
 
番組側は、謝罪やお詫びをするとBPOホームページに記載されていますが、我々に放送被害を回復する具体的なものを提示されたことは一切なく、むしろ、更に誤解を招く番組ホームページのみで掲載する文案を渡され、細川さんを恣意的に陥れる意図を確信しました。
 
放送法、放送倫理を順守していれば、この番組は放送しない内容です。本放送の約半月前には、他局から謝罪コメントも出ておりました。

すでにお伝えした通り、裁判決定を扱ったどの番組よりも、責任者であるAチーフプロデューサー(以下、Aプロデューサーといいます。)は、この事件の真相を、本放送の10か月以上も前である、平成29年2月には知りながら、細川茂樹さんが裁判所で認められた裁判決定を割愛し、本放送を決行したのです。このような行為は、Aプロデューサー個人による意図的な、細川さんに対する偽計業務妨害、名誉毀損であると言わざるを得ず、看過することはできないということです。
 
BPOホームページに記載されているように、この放送では、裁判決定に関わる事柄を、裁判決定を一切伝えず、事務所名も伝えずに、細川さんの名前のみ用いて、わざわざ放送しました。
 
放送では「表舞台から姿を消した」と表現し、「細川さんは事務所側からパワハラを理由に契約解除を突き付けられ、これを認めずにトラブルになったけれども、別の形で契約終了の形を選び、芸能界の一線から退くことになった」と、BPOヒアリングでAプロデューサーが答弁したことを、非常に問題視しています。
 
なぜなら事件の全てを知りながら、このような情報操作の答弁を繰り返すことこそが、Aプロデューサーによる恣意的な誘導に他ならないと理解しているからです。なぜ事務所が起こしたトラブルを、本件俳優が起こしたことに置き換え、上書きするのか、そこにAプロデューサーの真意を見ました。
 
細川さんが事件の被害にあった後も、通常通り活動していることは、2017年(平成29年)9月に行われた、TBSのスタッフD氏(以下、D氏といいます。)による事実確認の取材の際に伝えています。
 
被害の背景や、D氏の再三の要求に我々がFAXコメントを提出し、番組で扱った同年2月25日に放送された内容の間違いも指摘しています。この時の番組責任者もAプロデューサーでした。
 
芸能事務所の計画実行に対し、裁判が行われたこと、芸能事務所に司法の判断が下されたこと、芸能事務所が金銭目的で隷属契約を強要したことを隠ぺいしたかったこと、細川茂樹さんに芸能活動させたくない業務妨害行為の数々の事実を知りながら、正確な放送をする意思もありません。
 
それは、Aプロデューサーの主張が事実を隠したい事務所の意向と、完全に一致しているということです。
 
この一連の対応を鑑みるに、細川茂樹さんが裁判で認められ、ねつ造を証明したことと、芸能プロダクションに司法の判断が下ったことを隠したこと、そして、芸能活動を妨げることを、平成29年年末の番組で、全国放送にて流布し、印象付ける番組制作をしたと受けとめています。
 
我々は、最初から一貫して、放送被害者である細川さんに、謝罪の真意が伝わるおわびと名誉回復措置を要望しているだけです。

しかしながら、Aプロデューサーは、最初から解決するフリをしていただけで、誠実な解決とは受け取れませんでした。提案された解決方法には更なる意図があり、1年3か月の対応に謙虚さは見られませんでした。
 
さらには、Aプロデューサーは放送被害に対して向き合わず、解決しない理由まで、細川さんに押し付けてきました。正しくはAプロデューサーが解決させなかったのです。
 
事務所トラブルを起こされたのも、BPO審理入りの原因も、謝罪と名誉回復措置の第一歩でさえ行われないことも、全て被害を受けているのは細川さんです。それを番組責任者であるAチーフプロデューサーは、細川さんになすりつけて、芸能人としてのイメージダウンを植え付けようと図る姿勢を続けられ、解決と受け取れるものはありませんでした。
 
現在、番組側がBPOに述べている細川さんへの謝罪、訂正、名誉回復措置をどう講じるのか、番組責任者の姿勢をお知らせ頂くよう、お伝えしました。

BPO人権委員会の審尋においても、何一つ放送の根拠を示す客観的証拠は提出されなかった、公平・公正・正確性を欠く放送であり、「言葉足らず」という理由で裁判決定を伝えない放送をした背景には、一体何があるのか。BPO人権委員会の審尋に至っても、必要な質問に一切回答をしないままであり、BPO人権委員会が検証を求めた放送の背景、放送の根拠をまずは示して頂きたく存じます。
 
以上をもって、当職からの委員会決定への意見とさせて頂きます。