「柳生十兵衛」 フジテレビ
1970年9月26日~1971年5月1日
プロデューサー 岡田 茂
脚本と監督は回によって違う
青年期の十兵衛が描かれている。
将軍御手直役柳生但馬守宗矩の嫡男・十兵衛は二代将軍
徳川秀忠の嫡男・家光の側近として、親友・松平信綱と
共に家光の補佐に当たっていた。
ある日、己が剣の道を究めんと諸国放浪する荒井又右衛
門の話を聞き、自身も半日自由気ままに町を散策したい
と思うようになった家光に、十兵衛は江戸庶民の暮らし
を見聞するという条件で、家光の江戸市中一人歩きを許
可する。
ところが家光は茶店でのいざこざが原因で、町のならず
者等の抗争に巻き込まれてしまう。 次代将軍に家光の
弟・忠長を推す鳥居成次等がこの動きを察知し、家光廃
嫡計画へと発展。 絶体絶命の危機に直面する十兵衛だ
が、信綱、宗矩、又右衛門、沢庵、忠長、幡髄院長兵衛
等の協力により、計画は阻止された。
無事に三代将軍となった家光であったが、十兵衛はこの
騒動の責任を取って職を辞し、さらに自身の希望により
廃嫡となる。 諸国放浪の旅に出た十兵衛は、宿敵・奥平
図書助の果し合いに勝利。 衰える一方であった左目の視
力は京の医師・平田夢庵の治療を受け、回復した。
そして、大坂で起こった騒動を鎮めた十兵衛は家光、信
綱より、西国大名の動向を探るよう要請される。
かくして、十兵衛の西国への旅が始まった…。
出演 柳生十兵衛:山口 崇、徳川家光:山本 宣
松平信綱:中山 仁、荒木又右衛門:緒形 拳
柳生宗矩:片岡千恵蔵、幡髄院長兵衛:里見浩太朗
瑞代(信綱の妹):永原 和子、
奥平図書助:中谷 一郎、鳥居成次:内田 朝雄
空っ風の三九郎:田中 邦衛
その他ゲスト
中村 玉緒、伴 淳三郎、池辺 良、加藤 嘉、
笠置シヅ子、嵐 寛寿郎、田村 高廣、美空ひばり、
北島 三郎、大友柳太郎 等々。
このドラマの十兵衛は、目に傷はあるが、トレードマー
クの眼帯はしていない。
往年の東映時代劇を思わせるような作品になってい
る。
「おさな妻」 東京12チャンネル
1970年10月2日~1971年9月24日
原作 富島 武雄 制作 C.A.L
母の急死によって叔母の家に身を寄せることとなった女
子高校生・玲子。保育園でアルバイトを始めた彼女はあ
る女児と仲良くなった。女児も既に母を亡くしており、
玲子をまるで母親のように慕う。やがて女児の父とも親
しくなった玲子は彼と結婚することとなり、妻・母・学
生の3役をこなすこととなった…。
出演 香山(吉川)玲子:麻田 ルミ、母・寿子:森 光子
吉川誠一:井上 孝雄、吉沢和郎:名古屋 章
吉沢みちよ:春川ますみ、
その他 黒柳 徹子、松山英太郎、工藤堅太郎、勝呂 誉、
中原 早苗、赤塚 真人、沢村 貞子、
財津 一郎、悠木 千帆、日吉ミミ 等々。
1970年11月に大映映画で、関根恵子(現・高橋惠子)
と新克利で映画も公開されている。
衝撃的な設定と内容だったが、あまり印象には残らな
かったかも。
出演者は当時の東京12チャンネルとしては、多彩な
方々が出演している。
「大江戸捜査網」 東京12チャンネル
1970年10月3日~1971年9月25日
制作 日活・東京12チャンネル 監修 川内 康範
全6シリーズの第1シリーズ
日活初のテレビ時代劇として東京の日活調布時代劇撮影
所で製作。
江戸時代の町奉行所所属の秘密潜入諜報捜査員の隠密廻
り同心をモデルとして、御庭番のエッセンスを加えて考
え出された秘密潜入捜査員「隠密同心」たちが、変装、
潜入、囮など様々な手段を駆使しながら探索、事件の裏
にはびこる江戸の悪を斬り捨てていく痛快時代劇。
「隠密同心 心得之條 その一つ わが命わが物と思わ
ず 武門之儀 あくまで陰にて 己の器量を伏し 御下
命 如何にても果すべし 尚 死して屍拾う者なし 死
して屍拾う者なし 死して屍拾う者なし」
出演 十文字小弥太:杉 良太郎、井坂十蔵:瑳川 哲郎
芸者・小波:梶 芽衣子、山猫お七:岡田 可愛
旗本寄合席(隠密支配)内藤勘解由:中村 竹弥
その他 悠木 千帆、白木マリ、野呂 圭介、三ツ木清隆、
深江 章喜 等々。
主演は、後に時代劇の大看板俳優となった杉良太郎
(130話)、里見浩太朗(278話)、松方弘樹(230
話)が務めた。
女性出演者も、何人も交代している。
1話完結の王道時代劇として、今でもCSでは放送されて
いる。決して旧さを感じさせない。
「男は度胸」NHK 1970年10月9日~1971年10月1日
原作 柴田錬三郎「徳川太平記」
徳川吉宗の生涯を描いた作品。
元禄から享保の騒然たる時代を背景に、八代将軍吉宗を
中心とした様々な人たちの愛憎や葛藤を、明るいタッチ
で描いている。物語は、少年時代の吉宗が、将軍綱吉と
対面するべく、江戸へ出るところから始まる。
そして将軍となり、“江島生島事件””赤穂浪士”“天一坊事
件”や“柳沢騒動”など史実を巧みに取り入れつつも、歴史
の枠にとらわれない自由な発想の異色時代劇。
総合(金)午後8時からの1時間番組で全50回。
出演 徳川吉宗:浜畑 賢吉、大岡忠相:米倉斉加年
山内伊賀亮:寺田 農、多藻:三田 佳子
徳川綱吉:中村 伸郎、柳沢吉保:二谷 英明
紀伊国屋文左衛門:森繁 久彌
大石内蔵助:中村翫右衛門、堀部安兵衛:中尾 彬
雲霧仁左衛門:フランキー堺、天一坊:志垣 太郎
絵島:岡田茉莉子、生島:中村 扇雀
その他 笑福亭仁鶴(3代目)、笠 智衆、寺尾 聡、
中村メイコ、三木のり平、片岡 孝夫、天地 茂
沢村 貞子、吉沢 京子、森 光子 等々。
NHKの金曜時代劇の初期の人気作品。とにかく出演者が
「お荷物小荷物」 TBS
1970年10月17日~1971年2月13日
朝日放送(ABC)製作
プロデューサー 山内 久司(後の必殺シリーズも)
脚本 佐々木 守 監督 西村 大介
シュールなブラック・ユーモアをちりばめ「脱・ドラ
マ」「脱・ホームドラマ」と呼ばれたアバンギャルドな
テレビ番組と評される。テレビドラマの約束事を打ち破
る手法で人気を博したが、当時の有識者からは「有害番
組」と評された。作品のキャッチフレーズは「超えてる
人たちです」。
各話にはサブタイトルが付けられていた。
東京の下町にある「滝沢運送店」は、祖父・滝沢忠太郎
を頭とする男7人家族が営む男尊女卑をモットーとする
運送店。この店に米国統治下の沖縄からから上京した
「田の中菊」が、住み込みのお手伝いとして働き始め
た。
菊は実は「今帰仁菊代(なきじん・きくよ)」という名
であり、4年前に滝沢家でお手伝いをしていた「洋子」
の実妹である。洋子は仁と恋に落ち、結婚の許しを仁と
忠太郎に請うのだが、一方的に捨てられてしまった。
失意のうちに沖縄へ戻った洋子は、仁との間にできた子
供(仁一)を産むとすぐに死んでしまった。
菊代(菊)は姉の復讐を果たすとともに仁一を滝沢家に
認知させるために、素性を隠して滝沢家に潜り込んだの
だった。菊は男たちのしごきに耐え、得意の空手を駆使
しながら、男たちを手玉にとり、次第に彼らを懐柔して
いくのだった。
そして菊は祖父・忠太郎の妻に。菊のことが好きな五人
兄弟はその結婚をめぐり、武道の達人である祖父と対決
する。シュールな演出、ブラック・ユーモア満載の番組
後半では、兄弟たちのプロポーズに対し、ついに菊が本
当に一番好きな人を告白する。
出演 祖父・滝沢忠太郎:志村 喬、田の中菊:中山 千夏
父・滝沢孝太郎:桑山 正一、
長男・仁:河原崎長一郎、次男・義:浜田 光夫
三男・礼:林 隆三、四男・智:渡辺 篤史
五男・信:佐々木 剛
その他 中原 早苗、鮎川いずみ、南風 洋子、
戸浦 六宏、宮前ゆかり、石田 智晴 等々。
このドラマは、土曜日の夜10:00からの放送だったが、
とても楽しみに観ていた記憶がある。エロチック作品で
はないが、大人が観るドラマという感覚が有った。
佐々木剛さんは、仮面ライダーより、こちらの作品の方
が良かったのでは。後から聞いた話では、このドラマ
は、有害ドラマのレッテルを張られていたとか。
不思議?
「だいこんの花」NET 1970年10月22日 ~ 12月24日
脚本 松木ひろし、向田 邦子
1977年までの間で第5シーンズンまで放送。
元海軍大佐で巡洋艦「日高」(架空の船名で実在しな
い)の艦長も務めた永山忠臣は、早くに妻・繁子を亡く
してからは一人息子・誠を男手ひとつで育て上げた。
忠臣は妻を「だいこんの花のような、素朴だが美しく控
えめな人だった」と常々語り、結婚適齢期になった誠に
も「妻を娶るならだいこんの花のような人を」と口うる
さく言うのであった。
誠の恋愛事情や忠臣の元部下が営む小料理屋の一家との
かかわりを交えつつ、明治世代の頑固親父・忠臣と戦後
世代の現代っ子・誠の家族模様を綴る。
オープニングでは森繁久彌による詩を竹脇無我が朗読す
る。「人知れず/忘れられた茎に咲き/人知れず/こぼ
れ散り/細かな白い/だいこんの花/久弥」
出演 巡洋艦「日高」の元艦長・永山忠臣:森繁 久彌
息子・永山誠:竹脇 無我
亡き妻・永山繁子:加藤 治子
忠臣の妹・誠の叔母・山本咲代:ミヤコ蝶々
永山家のお手伝い・トミ子:川口 晶
忠臣の元部下・小料理屋「日高」の店主・
相馬京太郎:大坂 志郎
京太郎の娘・麻子:武原 英子
その他 砂塚 秀夫、服部 哲治、細川 俊夫、藤間 紫、
沢井 孝子、原ひさ子 等々。
家族で安心して観られる、人情が絡むホームドラマの
王道作品。TBSのお化けドラマ「ありがとう」に対抗し
て製作されたドラマだったとか。そういえば、我が家で
は、リアルではなく再放送を観ていたような……。
「二人の世界」TBS 1970年12月1日~1971年5月25日
木下恵介アワー第8弾(1967年~1974年で15作放送)
脚本 山田 太一 NA 矢島 正明
1968年に放送された第4弾作品で大人気となった『3人
家族』が、すれ違う恋人同士を描いたのに対し、その二
人が結婚し、夫婦となったらというコンセプトでゴール
デンコンビの再登場となった。
脱サラして喫茶店(スナック)を開く夫婦の愛を描いた
作品。
宮島二郎と榊原麗子は、海外有名アーティストのコンサ
ート会場で入場を断られた同士として偶然知り合う。
楽屋口から忍び込もうとして見つかって追いかけられる
などしてそのまま深夜までデート。お互い惹かれあった
二人は、毎日のように会ってわずか5日目に結婚を約束
するまでになる。知り合って短すぎる、若すぎると言う
反対にも抗して二人は3カ月で結婚へとこぎつけるのだ
った。
安定したサラリーマン家庭で幸せな生活をおくる麗子だ
ったが、二郎は、会社の派閥争いで左遷され、サラリー
マン生活に前途を見いだせなくなっていた。新婚早々、
夫婦の危機を迎えた二人だが、お互いに協力し合って生
きていこうと脱サラしてスナックを営むことにする。
しかし、その経営にも大きな荒波が押し寄せてくるのだ
った。
出演 宮島二郎:竹脇 無我、榊原麗子:栗原 小巻
麗子の弟・恒雄:あおい輝彦
その他 長浜 藤夫、吉川 雅恵、菅 貫太郎、加藤 嘉
新田 勝江、山内 明、文野 朋子、三島 雅夫、
高津 住男、太宰 久雄、村井 国夫、西田 健、
小坂 一也、小野寺 昭、近藤 陽介、佐山 俊二
等々。
あおい輝彦が歌う主題歌「二人の世界」もヒットした
この作品も観てはいるのだろうが、印象は薄い作品にな
っている。
「張り込み」日本テレビ1970年12月7日~1971年1月11日
原作 松本 清張 シナリオ原作 橋本 忍
日本テレビ・ファミリー劇場内で6話
「小説新潮」1955年12月号 短編
第15回ギャラクシー賞期間選奬受賞(八千草薫)
警視庁の柚木刑事は、東京・目黒で発生した強盗殺人事
件の主犯・石井を追って、石井の昔の恋人・横川さだ子
が嫁ぐ九州S市に向かう。
横川家近くの旅館で張り込みを開始した柚木だが、銀行
員の後妻となったさだ子はただただ単調な日常生活を繰
り返すのみ。本当に石井は現れるのか。柚木にも焦りが
募る。
出演 柚木:加藤 剛、横川さだ子:八千草 薫、
下岡:浜田 寅彦、石井:江原真二郎
その他 山口 果林 等々。
放送前に、1958年五松竹で映画化。テレビドラマとして
も今作までに5作放送。今作以後も何度も製作されてい
る。落ち着いた大人の刑事ドラマとして、今でも人気の
題材だ。
「謎の円盤UFO」 日本テレビ
1970年10月3日~1971年3月27日
イギリス・センチュリー21 プロダクション制作のSF
特撮ドラマ。本国では1969年放送。
監督はジェリー・アンダーソン。
このドラマから「UFO」という言葉が一般的になって
行った。
宇宙の彼方からUFO(未確認飛行物体)で飛来する謎
の宇宙人とその侵略行為を阻止する組織の戦いを、シリ
アスかつハードタッチで描かれている。
司令官であるストレイカーを中心に、シャドー各メンバ
ーによる異星人との戦いや、時には私生活も絡めて展開
するSFドラマ。一話完結方式。
放送当時としては近未来にあたる1980年代。物語の舞台
となる地球防衛秘密組織はSHADO(シャドー、異星人
防衛機構最高司令部)と呼ばれ、英国ロンドン郊外のと
ある映画会社の地下に本部を置かれていた。
シャドー最高司令官のエド・ストレイカー大佐は、表向
きはハリントン・ストレイカー映画会社の専務として行
動している。
これは、異星人が既に地球に侵入していることを一般の
人々が知るとパニックが起きかねないとの危惧から、全
ての任務を極秘のうちに遂行する必要があるためであっ
た。特殊機材を持ち込む際など、周囲からは映画のセッ
トと思われるというメリットもあるからだ。
出演 ストレイカー最高司令官:エド・ビショップ:
広川太一郎
フリーマン大佐:ジョージ・シーウェル:小林 昭二
フォスター大佐:マイケル・ビリントン:羽佐間道夫
レイク大佐:ワンダ・ヴェンサム:小原乃梨子
エリス中尉:ガブリエル・ドレイク:松島みのり
カーリン大尉:ビーター・ゴーディノ:田中 信夫
ミス・イーランド:ノーマ・ロナルド:来宮 良子
その他 グラント・テイラー、ヴラディク・シェイバル、
ゲーリー・メイヤーズ、ドロレス・マンテル 他
声優 穂積 隆信、仲村 秀生、北浜 晴子、青野 武、
池田 昌子、加藤 精三 他。
ナレーション 矢島 正明
当時メチャクチャ嵌ったドラマ。「ユー・エフ・オー」
と呼んでいた。
物凄くリアルで、メカの多彩。先日CSで放送してい
て、再び食い入るように観てしまった。
大阪万博もあり、未来に興味を持つようになっていたの
で、ピッタリだったような。
「ロンドン指令X」 NHK
1970年11月15日~1971年2月21日
1969年にイギリスで放送された、特撮人形ドラマ。
監督はジェリー・アンダーソン。
日曜日の夕方6時から、NHK総合の少年映画劇場で放
送。
「静かな田舎町の教会。この窓に立つ、穏やかな顔つき
のスタンレー神父が、実はイギリス情報部の特捜員であ
ることは誰も気がつくまい。しかし、ひとたびロンドン
本部から指令Xがとぶと、スタンレー神父と助手マシュ
ウは秘密兵器ミニマイザーを頼りに、恐るべき国際犯罪
網やスパイ組織の中に敢然と飛び込むのだ。」-オープ
ニングナレーションより
国際的な難事件が発生したとき、ロンドンに本部を持つ
英国秘密情報部X作戦課ビショップより、スタンレー・
アンウィン神父と助手のマシュウ・ハーディングに指令
Xが発令される。
この二人、ある田舎の教会の神父と庭師なのだが、実は
腕利きの諜報部員なのだ。
スタンレー神父は、教区の故ハンバード教授から遺産と
して託された、物質を1/3に縮小する「ミニマイザー」
なる装置を持っている。人類のためにミニマイザーを役
立てて欲しいという教授の遺言から、神父は英国秘密情
報部のために活用することにしたのだ。
指令を受けた神父は、助手であるマシュウをミニマイザ
ーで縮小してカバンに入れ、1917年フォードT型「ガブ
リエル」に乗って現場へ急行。小さくなったマシュウは
敵地に潜入、隠密行動で様々な陰謀を阻止する!!
声優 スタンレー神父:久松 保夫
マシュウ・ハーディング:堀 勝之祐
作戦課課長・ビショップ:川久保 潔、
教会の家政婦・アップルビー:鈴木 光枝
(秘密は知らない)
オープニングナレーション:中江 真司
当時のイギリスの人魚劇は、「サンダーバード」を筆頭
に料理で言うなら絶品フルコースのように堪能できた。
アニメやバラエティー番組は次回……。