○7月1日

 若い人たちが出演の邦画2本と、ベテランが主演の洋画3本です。今回は、好き嫌いがはっきり出る作品ではないでしょうか。私的には、何も考えずに、ただ単に面白ければ良いか……という事で、邦画の2本の方が単純に暇つぶしにはなりました。洋画の3本は、2本は戦争映画、1本はヒューマン系で、ストリー的には考えながら観なければいけない作品で

す。

 

 

 2021年公開のバカリズムが脚本の「地獄の花園」を観た。

 普通に働くOLの職場に元カリスマヤンキーの女性が中途採用されたことから始まった、OLたちによる派閥争い。

 OLたちの華やかな職場の裏で、拳を戦わせる壮絶な派閥争いがおこなわれていたというバカリズムの奇想天外なオリジナル脚本を、Perfumeやサカナクション、星野源のMVを手がける関 和亮が監督。

 

 永ごく普通のOL生活を送っているかのように見える田中直子。この平凡なOL・田中直子の職場は、裏では社内の派閥争いを賭けたヤンキーOLたちによる喧嘩が日々勃発していた。

直子の職場である三富士株式会社では、佐竹紫織と神田悦子を下し、安藤一派の長である安藤朱里がトップを制していた。

 しかし直子はそんな事を全く気にせずに生活していた。

ある日、中途採用されたOL・蘭と直子は一緒にカフェめぐりをするなど友情を深めていくが、蘭の正体はスカジャンがトレードマークのカリスマヤンキーOLだった。その蘭子は裏では、圧倒的な喧嘩の強さから、たちまち会社のトップに立つ。

 これをきっかけに、全国のヤンキーOLたちが直子の会社に集っていく。北条蘭と親しくなっていた直子も、その争いに巻き込まれていく………。果たして最強のOLとは誰なのか。

 

出演  田中直子:永野 芽郁、北条蘭:広瀬アリス

    安藤朱里:菜々緒、佐竹紫織:川栄 李奈

    神田悦子:大島 美幸、白鳥真央:長井 短

    進藤楓:ファーストサマーウイカ

    大柴姉妹:近藤くみこ(ニッチェ)

         かなで(3時のヒロイン)

    ○トムスン三銃士

    冴木妙子:勝村 政信、藤崎麻理:松尾 諭

    工藤早苗:丸山 智己

    ボス・赤城涼子:遠藤 憲一

    日本最初のOLのトップ・七瀬小夜:室井 滋

    ヤンキーOLの伝説・鬼丸麗奈:小池 栄子

その他 森崎ウィン伊原 六花森カンナ菅野 莉央

                     等々。

 永野芽郁、広瀬アリス菜々緒、川栄李奈、大島美幸(森三中)、小池栄子に加え、勝村政信、松尾諭、丸山智己、遠藤憲一らが全員OL役を演じている。

 2021年2月28日に行われた『第32回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2021 SPRING / SUMMER』では、主演の永野をはじめ、OL役を演じる遠藤憲一ら主要出演者7名が役衣装でランウェイを歩いたそうだ。

 

 バカリズムの作品は、面白いものと、意味が分からずついていけないものとがはっきりしているような気がするが、この作品は兎に角、何も考えずに観る事が出来て、正解の作品だった。

 バカバカしいことを真剣にやるとやっぱり面白いのかな~。中身は無かったが、ただ面白かった。

 ベテラン男性たちの不良OL嵌っていたし、全ての中で小池栄子の存在感が凄かった。

 ただ欠点は、心に残るシーンは無かった。でも、それでよい作品ではなかったか。

 

 

 2021年公開の「ブレイブ・群青戦記」を観た。集英社「週刊ヤングジャンプ」で2013年39号から2017年29号まで第一部が連載された、笠原 真樹原作の人気コミック「群青戦記」の実写映画化。

 現代人が在学中の高校の校舎もろとも戦国時代にタイムスリップし、戦に巻き込まれていく物語。監督は、「踊る大捜査線」シリーズ本広 克行

 

 スポーツ名門校で弓道部に所属する西野蒼は目立つことが苦手で、弓道場で練習に打ち込日々を送っていた。 

 幼なじみの瀬野遥と松本考太は、そんな蒼のことをいつも心配している。

 ある日、1本の雷が校庭に落ちた直後、学校の外は見渡す限りの野原となり、突如として校庭の向こうに城が出現。校内には刀を持った野武士たちがなだれ込んでくる。全校生徒がパニックに陥る中、歴史マニアの蒼は、学校がまるごと戦国時代、しかも“桶狭間の戦い”の直前にタイムスリップしてしまったことに気づく。

 織田信長の軍勢に友人たちを連れ去られた蒼は、後に徳川家康となって天下統一を果たす松平元康と手を組み、剣道、野球、アメフト、空手、フェンシングなどの選抜メンバーたちと、それぞれが所属する部活で培ったスキルを駆使して、共に立ち上がるが……。

 

出演  西野蒼:新田真剣佑、徳川家康:三浦 春馬

    織田信長:松山ケンイチ、瀬野遥:山崎 紘菜

    松本考太:鈴木 伸之、不破瑠衣:渡邊 圭祐

    吉元萬次郎:濱田 龍臣、黒川敏晃:鈴木 仁

その他 高橋 光臣市川 知宏福山 翔太  等々。

 

 原作マンガは読んではいない。集団タイムスリップで、武士と戦うという事で、「戦国自衛隊」を想像して観始めていた。

 観終わった感想としては、若い役者達が頑張って身体張って演じているのを楽しむ映画。かな。

 まず、鑑賞の時には、歴史的な事は全て忘れてから観る事をお薦め。全く奇想天外な展開だが、なかなか引き込まれて行く。電気がついていて、パソコンが動くなど突っ込みどころも満載。

 しかし、それぞれの立場で力を合わせる高校生にからむ松平元康との触れ合いが良かった。新田よりも三浦春馬が目立っていた。

 大作の素晴らしい映画とは言いづらいが、豪華なB級映画としては、合格点は出る作品だ。

 

 

 2013年公開の「グラウンド・ジョー」を観た。

 過去の犯罪歴に振り回されながらも真面目に生きようとする男と、父親の暴力に耐える少年が織り成す交流と苦難を描いた人間ドラマ。監督は「スモーキング・ハイ」デビッド・ゴードン・グリーン

 

 アメリカ南部の田舎町で暮らす男ジョーには複数の前科があったが、現在は森林伐採業者として真面目に働き、周囲の人々からも慕われていた。ある日彼は、仕事が欲しいという15歳の少年ゲイリーを日給制で雇うことに。

 ゲイリーは酒に溺れて働こうとせず、酔うと暴力を振るう父親ウェイドに給料をことごとく奪われる。しかし、暴力に耐えながら、母や妹を養っていた。

 それを知ったジョーだが見て見ぬふりをする。一方、酒場でジョーに殴られたことを恨む男性ウィリーは、ジョーへの復讐に燃え……。

 

出演  ジョー:ニコラス・ケイジ

    ゲイリー:タイ・シェリダン

    ウェイド:ゲイリー:ブルーター

    ウィリー:ロニー・ジーン・ブレヴィンズ

    コニー:エイドリアン・ミシュラー

                       等々   

 タイ・シェリダンが、第70回ベネチア国際映画祭で新人俳優賞を受賞した。

 

 とくにひねりはないが理解しやすいヒューマンドラマになっている。展開は淡々と進み、話もよくあると言えばよくある。見たまんまではないだろうか。

 こういう時は、子役がやはり得をする。私的には、ニコラス・ケイジは、シリアスな演技より、ちょっとコミカルなアクションの方が似合うような気がする。

 

 

 2014年公開の「ミケランジェロ・プロジェクト」を観た。

ジョージ・クルーニーが監督・脚本・製作・出演。

 ロバート・M・エドゼルによる書籍『ナチ略奪美術品を救え 特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』を原作とし、第二次世界大戦時に、ヒトラーによって重要な美術品や文化財が破壊される前に奪還を試みる連合軍の活躍が描かれている。

 製作はコロンビア・ピクチャーズ、20世紀フォックス、22バーズベルグが共同で行っている。

 原題は、原作のタイトルにもあり、主人公たちのチームの通称である「モニュメンツ・メン」である。劇中にミケランジェロの聖母子像は登場するものの、「ミケランジェロ・プロジェクト」はあくまで日本語版のタイトルであり、この言葉は史実にも劇中にも登場しない。

 

 第二次世界大戦においてナチス・ドイツは、その占領地域において教会や美術館などに収蔵されている貴重な絵画や彫像を収奪していた。アドルフ・ヒトラーや側近のヘルマン・ゲーリングは美術品蒐集家であり、ゆくゆくは総統美術館を建設しようと考えていた。

 戦況が連合国側に傾きつつある1943年。ハーバード大学付属美術館長のフランク・ストークスは、戦況の悪化に伴いドイツが収奪した美術品を集めてドイツ本国へ撤退していることや、連合軍による爆撃によって後世に残すべき歴史的財産が失われていく現実に心を痛めていた。そこでストークスは若い美術専門家を前線に派遣して保護活動に当たらせることをフランクリン・ルーズベルト大統領に直訴する。

 しかし、既に多くの若者は戦線に送られ人手はないとの返答を受け、ストークスは自分が仲間を集め、戦地に赴くことを決心する。彼はアメリカ各地を回って壮年や中年の美術専門家たちに声を掛ける。

 こうして1944年3月、ストークス以下、ジェームズ・グレンジャー、リチャード・キャンベル、ウォルター・ガーフィールド、ドナルド・ジェフリーズ、プレストン・サヴィッツ、ジャン=クロード・クレルモンの6人を加えた美術品救出作戦を主任務とする特別部隊「モニュメンツ・メン」が結成される。

 ノルマンディ上陸作戦によって連合軍がヨーロッパ大陸に上陸すると、モニュメンツ・メンは収奪された美術品の行方を追って調査を始める。しかし、敵狙撃兵が潜んでいるかもしれない教会への砲撃を止めさせようとするなど、人命よりも美術品を重視していると受け取られ、現地の将校からは反感を買う。

 その一方で、ストークスはドイツ語に堪能な兵士サム・エプスタインと偶然再会して彼を新たに仲間に加え、美術品を運搬していた列車を鹵獲することに成功するなど、目的通りの成果を収めていく。その後、さらなる美術品追跡のため、仲間たちはそれぞれ別行動を取ることになった。グレンジャーはフランスへ向かい、現地で美術品略奪の指揮をとっていた親衛隊将校シュタールの元秘書クレールと出会う。

 彼女は、今度はアメリカが美術品を横取りするのではないかと危惧し、沈黙を通す。サヴィッツとキャンベルは奪われたヘントの祭壇画の行方を追うが手がかりは掴めない。また、ミケランジェロの聖母子像の調査にブルッヘの聖母教会に向かったジェフリーズは、現地の友軍の協力を得られず、聖母子像を撤退するドイツ軍の略奪から守ろうとして戦死してしまう。ストークスらは聖母子像の奪還を誓うのだった……。

 

出演 ハーバード大学付属美術館館長

    フランク・ストークス:ジョージ・クルーニー

   メトロポリタン美術館キュレーター

    ジェームズ・グレンジャー:マット・デイモン

   シカゴの建築家

    リチャード・キャンベル:ビル・マーレイ

   彫刻家 ウォルター・ガーフィールド

               :ジョン・グッドマン

   イギリス人歴史家

    ドナルド・ジェフリーズ:ヒュー・ボネヴィル

   美術鑑定家

    ブレストン・サヴィッツ:ボブ・バラバン

   フランス人美術商 ジャン=ロード・クレルモン

             :ジャン・デュジャルダン

その他 ケイト・ブランシェット

    ディミトリーレオニダス

    ユストゥス・フォン・ドホナニー、  等々。

 

 物語は史実という事で興味を持ったのだが、なんとなく緊張感に欠けているような。色々な事を盛り込みすぎで、話が散漫になっているのでは。

 ジョージ・クルーニーらしいと言えばそれまでだが、戦争映画なのにちょっとおしゃれ感もあり、ユーモアが見られ、だから悲壮感が無かったのかも。それは、あの映画と比較してしまったからでしょうか。

 

 

 2021年公開の「アンダー・ウォー 史上最大の地下爆破作戦」を観た。第一次世界大戦も終盤近い1917年、メッシーネ高地攻略戦で坑道戦に従事した男たちの、史実ベースの物語。監督はJ・P・ワッツ

 第1次世界大戦中、ドイツ軍の進行を食い止めるため、起死回生の一手である地下トンネルを使った奇襲攻撃を成功させた、実際のイギリス軍の軍事作戦を題材に、それに従事した民間のベテラントンネル堀職人(鉱山労働者)達をメインにした戦争映画。

 

 第1次世界大戦中のイギリス…鉱山労働者のウィリアム・ホーキンスは、国のために身をささげる覚悟はできているのだが、長年の労働がたたり、兵士としての適性が満たさず苦渋を味わっていた。

 イギリス軍はドイツ側の強固な塹壕によって砲撃が効かず、地上からの攻撃に限界を感じていた。

 この状況を打破すべく、イギリス軍のヘルファイア・ジャック大佐は、前線で敵であるドイツ軍が活用する退避豪に注目!敵の裏をかき、敵軍の陣地まで地下深くから掘り進め、そこに爆薬を仕掛け破壊する作戦を立案する。

 ジャック大佐は、民間のトンネル堀会社である“マートン&サンズトンネル会社”に、当初は兵士への技術指導を依頼したが、兵士たちの技術がなかなか向上しないので、結局は専門家のウィリアムと4人の職人が実際に作戦のトンネル堀ることになった。

 工兵となったベテランの掘削作業員ホーキンと仲間たちは、崩落や有毒ガスに不意の爆発と、地上戦とは違う数々の危険に立ち向かいながらトンネルを掘り進めていく。最終破壊地点のメシヌを目指していくホーキン達であったが、その裏でドイツ軍も同じくトンネルを掘っていた…。

 

出演 ウィリアム・ホーキンス:サム・ヘイゼルダイン

   ホロルド・ストックフォード:クリス:ヒッチェン

   ジョージ:エリオット・ジェームズ・ラングリッジ

   チャーリー:サム・クレメット

   ショーティー:ジョゼフ・ステイン

その他 トム・グッドマン=ヒルアンナ・マグワイア

    アンドリュー・スカボロー

    ソニー・アッシュボーン・サーキス  等々。

 

 史実の戦争映画なのだが、基本は穴の中のシーンが多いので、派手な戦闘シーンはない。

 民間の技術者なので、実際の兵士や、軍の幹部の人たちにはバカにされている。それにしても、現場を知らないのに威張っている人は、いつの時代もいるものなのだ。

 でも黙々とトンネルを掘り続けるウィリアムたちを、自然と応援したくなる。

 最後は作戦というより、職人の魂と気質の世界に、兵士たちも心が変化してくる。

 映画としては派手さが無いので、好き嫌いははっきりする作品だろう。