〇6月20日

 

 必殺シリーズは1972年の緒形拳が藤枝梅安の「必殺仕掛人」を皮切りに、1992年3月24日終了の第30作、藤田まことの中村主水シリーズ15作目の「必殺仕事人・激突」まで、朝日放送テレビと松竹京都映画撮影所制作のテレビ時代劇ドラマ。原作は池波正太郎。

 金銭を貰って弱者の晴らせぬ恨みを晴らすために裏の仕事を遂行していく者たちの活躍と生き様を描く。

 主人公たちの多くは、表向きはまともな職業についているが、ひとたび依頼を受けると各々の商売道具を使った裏稼業を行う。多くは暗殺であるが、シリーズ当初は、暗殺よりも  依頼人の復讐を代行することが多かった。

 その、必殺シリーズの映画版をまとめて観た。主人公はすべて藤田まことの中村主水。「必殺仕置人」以外の各シリーズの出演者が、何人も登場する。

 何も考えることなく、自分にとって面白いか面白くないかで判断できるシリーズ。細かい事は考えない。

           ※全作BS日テレで放送され鑑賞

 

第1弾 「必殺!THE HISSATSU」1984年公開

 監督 貞方 方久  脚本 野上 龍雄吉田 剛

 

 「必殺シリーズ」通算600回記念として製作された作品。『必殺仕事人Ⅳ』をベースに、シリーズの特色である殺しの様式美やバラエティ色などをバランスよく配分し、テレビシリーズの豪華拡大版といった趣きの強い作品。

 この作品の成功により、以後年一回のペースでシリーズ化されることになった。

 1985年4月12日にテレビで放送され、24.9%の視聴率(ビデオリサーチ調べ)を記録した。

 

 江戸市中で六文銭を口に咥えた身元不明の死体が次々と見つかった。それらが仕事人の成れの果てだと見抜いた主水は仲間達に警告。おりくはことの次第を確かめるため江戸を離れ上州へと向かう。

 そんななか、遊女お君が女郎屋の主・伝次殺しを加代に依頼してくるが、伝次に殺された愛猫の恨みを晴らしたいが為と分かり、主水達はその依頼を断る。

 その夜、お君は偶然出会った朝之助に促され愛猫の通夜をするが、伝次の密談を聞いてしまい、伝次の放った手裏剣で命を落とす。

 お君への憐憫の情から伝次を仕掛けに向かう秀であったが、そこへ蝶々を飛ばす仕事人が突然現れ、先に伝次を仕留めてしまう。

 一方、主水の前にお葉という女が現れ、金儲けをちらつかせて六文銭一味に加わるよう主水を誘惑し、明日の祭で何かが起こることを予告する。

 そして祭の日、柳橋のお甲を中心とする仕事人達が、主水達の目の前で奇妙な御輿を担ぐ黒衣の集団に次々と殺され、唯ひとり瓦職人の政が生き残る。

 上州から戻ったおりくによって、一連の仕事人殺しの黒幕が庄兵衛という男であることが分かり、おりくらは庄兵衛に接触する。

 しかし庄兵衛はおりくたちに、闇の世界から足を洗うか、江戸から立ち去るか、さもなくば六文銭を咥えて死ぬか、と選択を迫った。

 庄兵衛との戦いに備えて、助っ人を探すおりくたち仕事人であったが…。

 

出演 中村主水:藤田まこと、飾り職人・秀:三田村邦彦

   何でも屋の加代:鮎川いずみ、西順之助:ひかる一平

   三味線屋・勇次:中条きよし、おりく:山田五十鈴

   中村せん:菅井 きん、中村りつ:白木 万理

ゲスト仕事人

   政/およね 芦屋雁之助・研ナオコ

     瓦屋の夫婦。政は元仕事人。二人とも絶命。

   柳橋のお甲:朝丘 雪路

     芸者。政夫婦がいた仕事人チームの元締。死。

   髪結いの新吉:美里 英二 お甲の仕事人。死。

   太鼓持ちの善好:橋本 功 お甲の仕事人。死。

   鎖筒の時次郎:草野 大悟 

     おりくがかつて組んでいた仕事人。死。

   霞の半吉:赤塚不二夫、キツツキの吾平:たこ八郎

   此竹朝之助(蝶々の朝吉)片岡 孝夫

     江戸で人気の高い人形遣い。極度のギャンブル依

     存症で丁半博打に入れ込んでいる。主水たちの断

     ったおきみの頼みを受け入れて伝次殺しを敢行し

     た。秀に六文銭一味打倒のための協力を要請さ

     れ、最初は断るが、最終的には戦いに参加する。

   六文銭

   庄兵衛:石堂 淑朗

   絵日傘のお葉:中井 貴恵、伝次:中田 浩二

   牛鬼:大前 均

その他 山内としお斎藤 清六浜田 朱里

    火野 正平柳沢 慎吾    等々。

 

 第8回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞 菅井 きん

 

 必殺の王道の展開。仕事人殲滅を企む謎の軍団と中村主水一派の戦いが、ハードボイルド(時々コミカル)なタッチで描かれている。良かったのだが、どうして潜水艦?

 でも、スペシャルドラマでも十分だったかも。

 

 

第2弾 「必殺!ブラウン館の怪物たち」 1985年公開

 監督 広瀬 襄  脚本 吉田 剛

 

 松竹創業90周年、朝日放送創立35周年記念作品。

 キャッチコピー

  「天の裁きは待ってはおれぬ!

           幕末の動乱に躍る光と影の刃!」

 

 ある夜、品川宿で彼が警護にあたっていた御公儀御用早駕篭が襲われ、密書が奪われた。

 天下を狙うものは必ず京都の帝を担ぎ出し利用するだろうと、徳川家康はそれを防ぐため秘かに京都黒谷に屋敷を築き、いざという時、帝を京都御所もろとも爆破し得る恐しい仕掛けを設けていた。

 密書は代々将軍家に伝えられてきたその屋敷の権利書、絵図面である。

 老中稲葉正邦は急遽、筆頭同心、田中と主水に京都への出立を命じ、さらに伊賀忍者の末えいのお庭番、藤林辰之進、百地お千にも同じ命令を伝えた。

 旅を急ぐ田中と主水の前に、仕事人の仲間の加代が現われた。品川宿の事件の真相究明のため、元締のおりくをはじめ、順之肋、政、竜たち仲間が主水を追って京に向っていると言う。

 箱根芦の湯で、主水は上方いで湯めぐりを楽しむ、せんとりつに会う。

 黒谷屋敷には徳川家の秘密を守るため、代々お守番をしてきた服部佐一郎、お時、小太、お国等がいて、主水たちは仕掛けを調べるどころでない。品川宿の件は佐一郎たちが起こしたのであり、お守番の馬鹿馬鹿しさに気づいたのだった。彼らは屋敷を売って自分たちの理想郷を作ろうとする。買い手として倒幕に利用しようとする不動産屋の角助たち公卿一派、内乱を起すのが狙いの神戸の武器商ブラウン、大黒屋如安一派が現われた。

 仕事人は彼らを利用してお金を儲けようとする。二派の抗争のなか、佐一郎たらは全員死んでしまう。主水たちは、純粋に生きてきたお守番が悲惨な最期を遂げたので立ちあがる。そして………。

 

出演  中村主水:藤田まこと、組紐屋の竜:京本 政樹

    花屋の政:村上 弘明、西順之助:ひかる一平

    おりく:山田五十鈴、何でも屋の加代:鮎川いづみ

    中村せん:菅井 きん、中村りつ:白木 万理

ゲスト 

  仕事人 丑寅の角助:笑福亭鶴瓶

      猿走りの純平:高田 純次

  幕府 藤林辰之進:森田 健作、百地お千:柏原 芳恵

     老中・稲葉:平幹二朗、土方歳三:西川のりお

     沖田総司:明石家さんま

  黒谷 服部佐一郎:沖田 浩之、鉄額お国:兵頭ゆき

     蜘蛛の手お時:塩沢とき、山椒玉小太:竜小太郎

その他 山内としお中井 貴恵金田龍之介大前 均

    藤岡 重慶梅津 栄ケント・ギルバート 

                       等々。 

 

 この作品は何と言ったら良いのだろうか。製作者側の遊び心は、テレビの必殺シリーズを楽しんでいた視聴者には、全て失敗だったような。

 #蒲田行進曲、#ET、#インディ・ジョーンズ 等のパロディ満載

だったが、作品の中での必然性はあったのだろうか。

 この作品が記念作品だったとは。

 

第3弾 「必殺!Ⅲ 裏か表か」 1986年公開

 監督 工藤 栄一 

 脚本 野上 龍雄保利 吉紀中村 勝行

 

 設定は、テレビシリーズ『必殺仕事人Ⅴ・激闘篇』の後日談。闇の金融集団と闘う仕事人たちの姿を描く。

キャッチコピーは

「人が人を殺す だが 今は、金が人を殺す」、「神も仏も頼みにならず この世の恨みはこの世で晴らす―仕事人一同」

 

 ある日、両替商・枡屋仙右衛門を強請っていた八丁堀同心・清原英三郎が謀殺される。その夜、通夜の席から行方を眩ましていた清原の妻おこうは、両替商組合肝煎・真砂屋徳次を問い詰め、夫殺しの黒幕が徳次ら両替商組合であることを知る。

 主水は清原とも関係のあったおしのから、枡屋に預けた20両の利息の取立てを頼まれて枡屋を訪れるが、枡屋は清原殺しをほのめかして逆に主水を脅す。

 一方、枡屋をクビになり一家心中した彦松の無念を憂いた政は、主水に枡屋から墓代をふんだくるように頼むが、再び枡屋を訪れた主水の前に現れたのは真砂屋徳次であった。

 能面顔で嘯く徳次に、主水は薄ら寒さと怒りを感じながらもその場を立ち去る。その帰り道、手練の刺客たちに命を狙われたのを手始めに、真砂屋の仕掛けた罠にじわじわと追い詰められていく主水。

 そんな主水に、先代両替商組合肝煎の娘として、今は店を受け継いだおこうが、金を牛耳る者の強さと恐ろしさを説き、一件から手を引くよう忠告するが、夫の仇の仲間となったおこうに主水は反発する。

 やがて、真砂屋が少女の命を殺めてまで自分を罠にはめたことを知ると、主水の怒りは頂点に達し、男の意地をかけた主水と真砂屋の私闘は、仕事人たちを巻き込みながら、想わぬ結末へと向かっていく。

 

出演 中村主水:藤田まこと、鍛冶屋の政:村上 弘明

   組紐屋の竜:京本 政樹、飾り職人・秀:三田村邦彦

   何でも屋・加代:鮎川いずみ

   壱:柴 俊夫、参:笑福亭鶴瓶

   せん:菅井 きん、りつ:白木 万理

ゲスト おこう:松坂 慶子、清原英三郎:川谷 拓三

    枡屋仙右衛門:成田三樹夫、彦松:岸部 一徳

    加納平馬:織本 順吉、真砂屋徳次:伊武 雅刀

その他 山内としお野坂クミ妹尾 友信ビートきよし

    レッゴー正児佐川 満男三沢あけみ紅 萬子 

    山田スミ子遠藤太津朗西山辰夫、等々。

 

 金に支配された江戸社会に翻弄されながらもそれに対決していく中村主水の姿を描いた作品となっている。 

 テレビシリーズのような、ラストの殺し技の美学ではなく、今回は本気で戦っている。

 娯楽に徹していた前2作とは違い、物語が進むに連れて重く暗く陰惨な展開になっていくのが特徴で、無理矢理笑わなければいけないシーンはない。

 本作のタイトルである『裏か表か』は、中村主水には「裏の姿も表の姿も区別がつかない」という意味を表現しているのか。

 松坂慶子の存在は大きい。彼女の極妻も観たくなってしまった。

 

 

第4弾 「必殺4 恨みはらします」 1987年公開

 監督 深作 欣二  

 脚本 野上 龍雄深作 欣二中原 朗

 

 必殺シリーズテレビ放映15周年記念作品。貧乏長屋で起きた殺人事件を陰で仕掛ける美男の奉行と、仕事人たちの戦いが描かれている。

 キャッチコピーは

「江戸の闇を切り裂いて、仁義なき戦いが始まった! 来た!」

 

 日中の奉行所内で、南町奉行・長尾監物が見習い与力・安田小兵衛によって刺し殺された。奉行所の与力・同心たちはもみあう二人を一室に閉じ込め、監物を見殺しにしたのだが、同室に居合わせた主水だけが一方的に責任を問われ、卑怯千万として向こう半年間の扶持を半額にすると申し渡される。その数日後、南町に新たな奉行・奥田右京亮が着任した。その着任祝いの席で主水は前奉行の一件で右京亮からさっそく嫌味を言われ、不貞腐れる。

 居酒屋の女主人・おふくを口説きながらヤケ酒をあおる主水。そんな時、おふくの店があるおけら長屋で騒動が起こる。旗本衆の子息達が、歌舞伎者の姿で馬に乗り長屋に押入った際、その馬の1頭が暴れ出したのだ。その際、馬に撥ねられそうになった子供を助けようとして、平野弥兵衛という老人が頸の骨を折って死んだ。力尽きて倒れた馬の脚には十字手裏剣が刺さっており、主水はそれに疑念を抱く。

 主水は調書と共に証拠の手裏剣を上司に提出するが、右京亮から詮議無用として調書だけが差し戻される。

 その夜、元締・弁天のもとへ集う主水、秀ら仕事人たち。今回の標的は、おけら長屋で騒ぎを起こした、神保主税らあの旗本の頭目格三人。そして、依頼人は弥兵衛の娘・お弓であり、彼女が身を売った仕事料の安さから仕事人たちは次々と依頼を断るが、旅渡りの仕事人・わらべや文七と秀の反対を押し切った主水がその依頼を請ける。

 主水と文七、二人の仕事人が的を争い競うなか、十字手裏剣の男・九蔵が暗躍し、おけら長屋を巡る奥田右京亮の陰謀が、次第に明らかになって行く。

 

出演  中村主水:藤田まこと、鍛冶屋の政;村上 弘明

    飾り職人・秀:三田村邦彦、西順之助:ひかる一平

    便利屋お玉:かとうかずこ、与力・鬼塚:西田 健

    同心・田中:山内としお

    せん:菅井きん、りつ:白木 万理

ゲスト 仕事人

    わらべや文七:千葉 真一、おみつ:相楽ハル子

    弁天:岸田今日子、不動:阿知波大輔

    奥田一派

    奥田右京亮:真田 広之、九蔵:蟹江 敬三

    小姓:森田 美樹森永奈緒美

    旗本愚連隊

    神保主悦:堤 大二郎、多羅尾新八:崎津 隆介

    おけら長屋

    おふく:倍賞美津子、杉江伊織:本田博太郎

    平野弥兵衛:室田日出男、安吉:笹野 高史

その他 成田三樹夫石橋 蓮司草野 大悟

    藤岡 重慶小林ひとみ藤木 孝  等々。

 

 テレビシリーズの「必殺仕掛人」のの第1、2話を演出した深作欣二が久しぶりに必殺のメガホンをとった。という事で、東映・深作組系の千葉真一や室田日出男が登場。千葉真一の件系でJACがアクションに全面協力。そして極めつけは、真田広之の悪役。嵌っていた。

 エンターテイメントを意識したつくりだが、男のアクションもふんだんに。

 4作まででは、一番楽しめたかな~。

 

第5弾 「必殺!5 黄金の血」  1991年公開

 監督 舛田 利雄  脚本 吉田 剛

 

 問答無用で悪を斬る仕事人の活躍を描く。

 週1回のレギュラー放送として復活した必殺シリーズ第30作『必殺仕事人・激突!』の放映に併せて、その世界観をそのままに4年振りに公開された劇場用作品。フィルム中のタイトルロゴに「!」はなく「必殺5 黄金の血」となっている。これは前作の『必殺4 恨み晴らします』と同様。

キャッチコピー

「もう我慢できない! あの仕事人・主水が帰ってきた!」、「これが最後の必殺か!」。

 

 佐渡金山から脱走した人足の鎮圧を目的とし暗躍する組織・地獄組。その地獄組の手引きによって人足として働かされていた無宿人たちが脱走した。さらに無宿人たちはお上に差し出す献上金を積んだ船を占拠した。船を所有する金座・後藤家では金相場への影響を懸念し、奉公人たちへ事件の口外を堅く禁じる。

 後藤家に奉公するお浅は、思いを寄せる幼馴染の与七の船が海に沈む夢を見る。その朝お浅は、後藤家当主・千勢の口からそれが現実であったことを知らされ、心乱れる。

 お浅は川へ身を投げようとするが、偶然通りかかった政に助けられる。仕事人から足を洗っていた政は、与七の死を受け入れられず憔悴するお浅から、沖を見渡せる砂丘へ連れて行ってほしいと頼まれる。

 やがて御用船沈没の噂と共に金相場高騰の噂が広まり、金の買い付け騒ぎが起こる。そんな中村主水ら仕事人は、同業の元締・鎌イタチのおむらに呼び出され、御用船を占拠し沈めた無宿人たちの殺しを依頼される。頼み人は後藤千勢。御用船に乗っていた奉公人達の恨みを晴らしてほしいと言うのだが、頼み人と仕事の筋が気に入らない主水たちは、仕事の参加を断わる。

 その日の夜、お浅を連れて洲崎の砂丘に来た政は与七と再会するが、与七は献上金を運ぶ一部始終を見た政を殺そうと取っ組み合いとなる。だが間一髪、おむらの投げた櫛で与七は絶命した。政はお浅に「与七と逢った夢を見た」と諭す。

 この事件がきっかけで再び仕事人が乗り出すことを懸念した後藤屋は地獄組に口封じを依頼。数日後、無宿人どもを始末したおむら達が、紅蝙蝠を自在に操る黒装束の集団・地獄組に襲われる。仕事に関わったおむら配下の仕事人たちは、次々と地獄組の凶刃の前に倒れる。

 地獄組の追撃は政とお浅にもおよび、政の機転とおむら達の手引きで何とか逃げ切れたかに見えたが、止むことのない奇襲をうけ二人は行方不明に、残された仕事人もおむらを逃がすために地獄組の前に散ったが、朝吉の助けでおむらだけは辛うじて逃げ切った。

 翌朝、洲崎で釣りをしていた秀は、放心状態で砂丘を歩くお浅を目撃する…。

 

出演  中村主水:藤田まこと、飾り職人・秀:三田村邦彦

    お歌:光本 幸子、夢次:山本 陽一

    せん:菅井きん、りつ:白木 万理

    さだ:麻丘めぐみ、政:村上 弘明

ゲスト 鎌イタチのおむら:名取 裕子

    蝶々の朝吉:大沢 樹生、蟹の腕助:安岡 力也

    百足の仙吉:保坂 尚希

    阿修羅のお種:尾崎 魔弓

    赤唐辛子の金平:佐藤蛾次郎

    仁王のお松:キューティー鈴木

その他 お浅:酒井 法子、後藤千勢:山本 陽子

    ご当家分家・三之助:岸部 一徳

    勘定奉行・太田玄蕃頭:西岡 徳間

    地獄組頭領・赤目:天本 英世

    白 竜岡本 信人荒 勢光石 研橋本 功

                      等々。

 

 この作品のほめるところを探してみたのですが、残念でした。酒井法子を中心としたストリー部分が、まるっきりいらないのでは。教祖になって行く意味も分からない。

 せっかく第4作で必殺らしい作品に出会えて喜んでいたのですが。

 第3作であまりいい役ではなかった岸部一徳さんが、今度も良い役ではないが出番は増えていた。と、名取裕子の色っぽさかな。

 
 TVスペシャルの一本なら、アリなんでしょうが、映画としては………。

 

 

第6弾 「必殺!主水死す」  1996年公開

 監督 貞方 方久  脚本 吉田 剛

 

 1972年から20年間に渡って放送されたテレビ時代劇『必殺!』シリーズの5年ぶりの劇場版。劇場版第1作「必殺!」も監督した貞方方久。

 必殺仕事人・中村主水シリーズの、藤田まことバージョンの一旦の最終回。2007年に、東山紀之で復活する。

キャッチコピー

「シリーズ完結! これが最期だ!」、「さらばムコ殿…」。

 

 仕事人仲間のおけいと不義を重ねていた中村主水は、家庭を捨てる覚悟で新たな生活を準備していた。

 そのおけいの家からの帰り道で、主水は葛飾北斎の遺体を発見する。奉行所では事件性はないとするが、北斎と仕事をしていた彫師と摺師もまた謎の死を遂げたことから、北斎の娘・お栄は下手人さがしを主水に頼む。手掛かりは北斎が最後に描いたと思われる似顔絵。

 そんな頃、おけいが或る武家の跡目争いに関わる仕事を引き受けてくる。世継ぎの双子の弟を捜し出して殺せとの依頼だが、恨み辛みのこもらない筋違いな仕事は出来ないと、秀、勇次、主水らはその依頼を断わる。

 主水は北斎の描いた似顔絵にそっくりの大道芸人・捨蔵に町で出会った。捨蔵は男の身なりをしているが実は女で、三味線ひきの養母・お夢に育てられている。お夢は20年前の傷がもとで記憶を無くしてしまっていたが、実は主水の昔馴染みの仕事人・お千代だった。

 同じころ、大奥では上臈年寄の姉小路が元老中・水野忠邦と組んで、将軍家世継の家定の双子の片割れを捜し出し、お家を乗っ取ろうと企んでいた。その動きを察知した家定の母・お美津は、大奥掃除人の元締め・権の四郎とその息子・清太に片割れの抹殺を命じ、清太はその始末をおけいに依頼した。ところが、この双子の片割れというのは捨蔵のことだった。

 権の四郎と息子の清太は、捨蔵の生母であるお美津の方の命を受け、捨蔵の兄・家定の将軍世継の邪魔となる捨蔵を消すために暗躍していたのだ。そして、将軍家お世継ぎを巡ってお美津の方と反目する、元老中・水野忠邦と上臈年寄・姉小路、その配下・大奥別式女衆もまた捨蔵を世継とすべく、捨蔵を捜すため北斎に似顔絵を描かせたうえ、北斎を殺害していたのだった。

 主水はおけいを通じて四郎と会うが、その男は主水がかつてお千代をめぐって争った宿敵・清吉だった。清吉は、今は権の四郎と名乗り、大奥で御下御掃除人・葛西衆を束ねていた。

 清吉はお千代を妻としたが、やがて生まれた清太の父親が主水だと思い込み、20年前にお千代を殺そうとしていたのだ。

 四郎に捨蔵暗殺を思いとどまらせた主水は、おけいともども協力して姉小路と忠国を討つことになった。

 そんなおり、お千代と捨蔵が芸を披露するため大奥に招かれ、主水もその席に並んだ。捨蔵が女であることを知った姉小路は、もう用はないと斬り捨てようとしたが、主水たちがそれを救う。しかし、四郎は裏で主水の命を狙っており、仕事を終えたおけいが殺されそうになった。主水は罠と知りつつ、四郎のもとへ向かう。

 四郎は清太に主水を討たせようとしたが、記憶の戻ったお千代は清太の父は間違いなく四郎だと告げた。混乱した四郎は自分に逆らう態度を取った清太を絞め殺し、主水との一騎打ちに望む。

 主水は宿命の対決に決着をつけたが、自分たちの運命をはかなんだお千代に背後から刺され、断末魔の四郎が放った爆薬に吹き飛ばされるのだった。主水を追ってきた秀、勇次、おけいは、燃え上がる炎をただ見つめていた。

 

出演 中村主水:藤田まこと、飾り職人・秀:三田村邦彦

   三味線屋・勇次:中条きよし、おけい:東ちずる

   せん・菅井きん、りつ:白木 万理

ゲスト お夢(お千代):名取 裕子

    権の四郎(清吉):津川雅彦

    捨蔵・家定(二役):細川ふみえ

    葛飾北斎:鈴木 清順、お栄:美保 純

    姉小路:柏木由紀子、清太:野村 祐人

    お美津の方:松居 一代、秦野平之進:河原崎健三

                    等々。

 

 二十年振りに、数奇な再会を果たした主水とお千代、そして権の四郎。 清太の父親が主水だと思い込む権の四郎の歪んだ愛情は、主水に罠を仕掛けて、意外な悲劇を呼ぶ。

 中村主水の最後という事だったが、お話はしっくりこない。20年も演じてきたのに。これか。

 主水さんは絶対に浮気はしないイメージだったし、ましてや同業者とは……。

 主水さんは何回江戸城に入って殺しをしただろうか。

 

 6作品を全部観て、テレビシリーズにワクワクしていた私は、やはり第4作だけかな、納得したのは。女優陣では、やはり、松坂慶子と名取裕子か。

 

 先日、東山主水も製作がなくなるという事が発表されたが、この後、誰が中村主水を演じてくれるのだろうか。

 

それとも………。