○5月23日

 

 今回は洋画が3本。男の相棒系、元軍人のスーパーヒーロー系、レディ・ガガの初主演作。どれもお勧めです。後は、誰もが知っているアニメが1本。邦画1本です。邦画はR18のにっかつ映画ですので、お勧めではないです。内容・映像的にも。

 

 2019年公開の「フォードVSフェラーリ」を観た。1960年代のスポーツカー耐久レースの世界で繰り広げられたフォード対フェラーリの覇権争いの実話を脚色した作品。1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。

 監督は「LOGAN ローガン」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」ジェームズ・マンゴールド

 

 レーシングドライバーのキャロル・シェルビーは、1959年のル・マン24時間レースで優勝する栄光に輝いたが、そこからほどなく心臓病のためにキャリアを終える。引退後は自らの理想のスポーツカーを作るために「シェルビー・アメリカン」を設立し、多数のセレブリティを顧客に抱え、経営者兼カーデザイナーとして成功したが、心の中ではレースを渇望していた。

 そんな時、ル・マンでの勝利という、フォード・モーター社の使命を受けた。常勝チームのフェラーリに勝つためには、フェラーリを超える新しい車の開発、優秀なドライバーが必要だった。 

 彼は、破天荒なイギリス人レーサー、ケン・マイルズに目をつける。彼は、第二次世界大戦の終結後イギリス軍を除隊すると、家族とともにアメリカへ移住し、自動車整備工場を経営しながらレースに参戦していた。レーサーのマイルズが整備する車は一般人には扱いにくい品質になり、マイルズ自身の偏屈な性格もあいまって経営はラクではなかったが、純粋に車を愛するマイルズは妻のモリーと息子のピーターから敬愛され睦まじい家庭を築いていた。

 限られた資金・時間の中、シェルビーとマイルズは、力を合わせて立ちはだかる数々の乗り越え、いよいよ1966年のル・マン24時間耐久レースで長年絶対王者として君臨しているエンツォ・フェラーリ率いるフェラーリ社に挑戦することになる。

 

W主演  キャロル・シェルビー:マット・デイモン

     ケン・マイルズ:クリスチャン・ベール

その他  フォード社副社長:ジョン・バーンサル

     マイルズの妻・モリー:カトリーナ・バルフ

     ヘンリー・フォード2世:トレシー・レッツ

     フェラーリ創設者:レモ・ジローネ

     ジョシュ・ルーカスノア・ジューブレイ・マ

     ッキノンJJ・フィールドジャック・マクマレ

     ジャン・フランコ・トルディベンジャミ

     ン・リグビーベン・コリンズ

     ウォレス・ランガム   等々。

 

 フォードとフェラーリの対立や対決が、本筋の流れだが、ストーリーの焦点は別のところにも当てられているような。

 ドライバーのマイルズとカーデザイナーのシェビーの絆と共闘であり、もう一つは自由な精神と創造性と勇気の持ち主である2人VS大企業の論理を振りかざすフォード幹部の「内部抗争」も焦点となっている。大企業のひどいやり口も描かれている。

 夫婦、子供、家族の愛もきちんと描かれている。もちろん、迫力あるレースシーンがあればこその、ヒューマンの部分が活きてくる。

 初めて鑑賞しましたが、この作品は良作。

 

 2019年11月15日、本作は全米3528館で公開され、公開初週末に3147万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となったとか

 

 第92回アカデミー賞では4部門(作品、音響編集、録音、編集)にノミネートされ、その内、音響編集賞と編集賞を受賞。本作までモータースポーツを取り扱った作品が作品賞にノミネートしたことはなく、本作が初のノミネートになる。

 第77回ゴールデングローブ賞 主演男優賞ノミネート

                クリスチャン・ベール

 第44回日本アカデミー賞 外国作品賞受賞

 

 

 

 2012年公開の「アウトロー」を観た。英作家リー・チャイルドによるハードボイルド小説、ジャック・リーチャーシリーズの9作目を、「ユージュアル・サスペクツ」クリストファー・マッカリー監督・脚本で映画化した作品。

 一匹狼の元軍人ジャック・リーチャーが、難事件解決に挑む姿を描いたアクションサスペンス。

 

 ペンシルバニア州ピッツバーグ。アレゲニー川沿いのPCNバークで、たまたま歩いていた5人の市民が射殺された。地元署のエマーソン刑事らは、対岸の立体駐車場に残された薬莢や指紋から、元アメリカ陸軍のジェームズ・バーを逮捕した。しかし彼は罪を認めずに「ジャック・リーチャーを呼べ」と要求する。

 ジャックは元米軍憲兵隊捜査官で、優秀な軍人だったが、退役後は放浪生活で居所は一切不明という男だった。

 狙撃事件へのジェームズの関与をニュースで知り、ピッツバーグに現れるジャック。ジェームズは護送中に他の受刑者から暴行を受け、昏睡状態で証言不可能な状態に陥っていた。その場でジャックは、ジェームズの弁護士であり、地方検事ロディンの娘でもあるヘレン・ロディンと出会い、ともに事件の調査を開始する。

 ジェームズには、狙撃手として派遣されたイラン・イラク戦争中に、殺しの衝動を抑えられず、友軍の民間軍事会社のオペレーター4名を狙撃殺害した過去があった。憲兵としてバーを捕らえたジャックは、実は独断でバーを放免していた。殺された4人が卑劣なレイプ魔だったからだ。

 今回、ジェームズの殺人衝動が甦ったのならば、ジャックは彼の過去の罪も精算させるつもりだった。しかし、ヘレンと共に調査を進めていくうち、軍の狙撃手が行うには不合理な点が多すぎることや、ジャックが街のチンピラから狙われるといった出来事が続き、真犯人は別にいると考え始め、真相をあぶりだす。

 

主演  ジャック・リーチャー:トム・クルーズ

    ヘレン・ロディン:ロザムンド・バイク

    地方検事・アレックス:リチャード・ジェンキンス

    刑事・カルヴィン:デビッド・オイェロウォ

その他 ロバート・デュヴァルジェイ・コートニージョ

    セフ・シコラアレクシア・ファスト、 等々。

    裏世界のボス役で、ドイツの鬼才監督ヴェルナー・

    ヘルツォークも出演している。

     

 トム・クルーズと言えば、昔は「トップガン」だったが、今やイーサン・ハントのイメージが強く残ってしまって居るが、イーサンのような派手な役回りではないが、何も持たない、流れ者キャラが割と合っていた。
 正義感だけで生きている、バスの中の喧嘩にも黙っていない、そんなキャラ設定も良かった。

 トム・クルーズがアクジョン作品で主役の場合は、徹底的にカッコよくて強いキャラで、抜きの部分は無い役ばかりだが、まぁそれも良しとしよう。

 原作がシリーズ化されているくらいだから、内容がしっくりくるのは当然か。

 尚、劇中のカースタントは、トム・クルーズ自身が行っているそうだ。

 

 

 

 2018年公開のミュージカル映画「アリー/スター誕生」を観た。

 歌の才能を見いだされた主人公がスターダムを駆け上がっていく姿を描き、1937年に初映画化された「スタア誕生」を皮切りに、これまでも何度か映画化されてきた物語。監督は、今回が初メガホンのブラッドリー・クーパー

 音楽業界でスターになることを夢見ながらも、自分に自信がなく、周囲からは容姿も否定されるアリーは、小さなバーで細々と歌いながら日々を過ごしていた。そんな彼女はある日、世界的ロックスターのジャクソンに見いだされ、等身大の自分のままでショービジネスの世界に飛び込んでいくが……。  PG12。

 

 ジャクソン・メインはカントリーロック歌手として名を馳せていたが、ドラッグと酒に溺れる生活を送っていた。そんなジャクソンを公私共に支えていたのが、兄のボビーだった。

 カリフォルニア州でのコンサートの後、ジャクソンは1軒のドラァグ・バーに立ち寄った。暫くして歌のパフォーマンスが始まったが、ジャクソンはその歌に大きく心を揺さぶられることになった。

 歌っていたのはバーのウェイトレス、アリーであった。彼女の才能に感服したジャクソンは、アリーを次のコンサートで起用することにした。

 その話を持ちかけられたアリーは断ろうとしたが、ジャクソンの熱意に根負けして出演することになった。

 コンサート当日、ジャクソンとアリーのデュエットは観客から喝采を浴びた。その反応を見たジャクソンはアリーを自身のツアーに同伴させることにした。そうしているうちに、2人の間には恋愛感情が芽生えることとなった。2人はその夜ベッドを共にし、結ばれた。

 その後、2人はジャクソンが生まれ育った牧場を訪れたが、その土地はすでにボビーの手によって売却されていた。背信行為に怒り狂ったジャクソンは直ちにボビーを解雇した。

 やがて、アリーはメジャーデビューの機会を掴み、カントリー歌手からポップ歌手へと転身して瞬く間にスターへの階段を駆け上がっていった。ジャクソンはアリーの転身を快く思っておらず、ストレスからますます酒浸りになっていった。

 アリーのマネジャー、レズはジャクソンの存在がアリーのキャリアの邪魔になっていると考え、その事実をジャクソンに突き付けたが、それが悲劇的な結末をもたらすことになってしまうとは。

 

主演  アリー:レディー・ガガ  ※今作が映画初主演

    ジャクソン:ブラッドリー・クーパー 

                 ※監督と主演

    ボビー:サム・エリオット

    レズ:ラフィ・ガヴロン

その他 アンドリュー・ダイスクレイ、ディヴ・シャベ

    ルアンソニー・ラモスロン・リフキンマイケ

    ル・J・ハーネイレベッカ・フィールド 等々。

本人役で、アレック・ボールドウィンマーロン・ウイリア

     ムズブランディ・カーライルホールジー

     ドン・ロイ・キング 等。

 

 1937年ジャネット・ゲイナーの後、1954年ジュディ・ガーランド、1976年バーブラ・ストライサンドに次ぐ3度目のリメイク作品。

 過去2度のリメイクでヒロインを務めた二人は、出演当時までにミュージカル映画で実績を認められ、とうに大女優だった。バーブラの作品は、公開時に劇場で私も鑑賞して、感動したことを覚えている。

 今回のレディー・ガガは、歌手としては誰もが知るスーパースターとはいえ、映画はこれが初出演。でも、そんな心配は吹き飛んでしまうほど、歌が良いのは当たり前だが、お芝居もグッと来るシーンが数多くあった。

 

 名声ある男性スターに見出された夢と才能ある無名女性が、成功の階段を昇っていくが、対照的にすでに頂点を知り、あとはもう落ちていくだけの男は転落していくという、切ない悲しい恋愛物語の鉄板ぶりもいまだ健在で、バーバラの時と同じように、決して美人とは言えないだろうレディー・ガガが、最後にはとっても美人に見えてしまったのは、私だけではないはず。これもストーリーのなせる業でもあるのか。

 

 第91回アカデミー賞で作品賞を含む8部門でノミネートされ、主題歌賞を受賞した。約12分間のシーンが追加された「アンコールバージョン」も一部限定上映。

 第76回ゴールデングローブ賞、作品賞他4部門ノミネートで、最優秀主題歌賞受賞。

 映画のサウンドトラックは、全米、全英ともに1位を獲得。全世界で300万枚以上のセールスを記録しているそうだ。

 

 

 

 1996年公開の「ブラック・ジャック 劇場版」を観た。

 医師免許を持たない名医ブラック・ジャックが、新種の病原菌に挑むメディカル・サスペンス・アニメーション。

 監督は同作品のOVAも手掛けている出崎 統手塚 治虫の同名コミックを原作に、「原由子☆眠れぬ夜の小さなお話」の森 絵都と出崎が共同で劇場版オリジナルを脚本を執筆した。

 

 世界中で超人類ブームが起こっていた。従来の人間では考えられない集中力でパワーを発揮する彼らは、オリンピックや芸術の分野で次々に脅威的な活躍をみせる。ところが、実は彼らはある病気に冒されていた。

 超人類と呼ばれる人たちの入院管理をしているブレーン製薬のジョー・シーゲルから、彼らの体に巣くう病原菌の原因究明と手術を依頼されたブラック・ジャックは、その病原菌が脳下垂体の中に入り込んで、大量のエンドルフィンを分泌させていることを発見する。

 しかし、そもそも病原菌を彼らに移植して人体実験を行っていたのがジョーの仕業であることを、戦う医師団“M・S・J”のメンバーによって知らされたブラック・ジャックは、その非人道的なジョーのやり方に腹を立て、研究をおりようとした。ところが、ジョーはすでにブラック・ジャックの体内にその病原菌を植えつけてしまっていた。

 研究を続行しなければ自らの命も危険にさらされてしまうと知り、ブラック・ジャックは、ジョーがその菌を発見したという砂漠に赴いて、それがフルジウムという花の花粉であることをつきとめる。しかし、ジョーは行きすぎた研究を非難されて、ブレーン製薬の会長の刺客によって射殺された。

 ブラック・ジャックも体に入り込んだ病原菌に次第に蝕まれていく。だが、彼は長い間砂漠に住んでいる砂漠の民によって、命を救われた。彼らは、その花粉の抗体を知っていたのである。

 抗体を手に入れたブラック・ジャックは、瀕死の状態の超人類たちを救うと、ピノコとふたりで再び闇の医療の世界へと戻っていった。

 

声優  ブラック・ジャック:大塚 明夫

    ピノコ:水谷 優子

    ジョー・キャロル・ブレイン:涼風 真世

    ブレーン会長:青森 紳      等々。

 

 「ブラック・ジャック」については、もう何も言う事は無い。ただただ、アニメを楽しめば良い。

 テレビシリーズとは違い劇場版では、手術シーンの描写はリアルに描かれている。そんなところもお楽しみか。

 

 

 

 2022年公開の、日活ロマンポルノ50周年を記念し、それぞれ異なる個性をもった3人の監督が作品を手がけるプロジェクト「ROMAN PORNO NOW」で製作された3作品のうちの第2弾「愛してる!」を観た。

 監督は、「貞子vs伽椰子」「不能犯」などホラーやサスペンス作品を得意とする白石 晃士
 SMを題材に取り上げ、主人公のアイドルが自分でも知らなかった本性に目覚め、解放されていく様子が描かれている。

R18指定。

 

 SMの世界を描き、SM愛好家として知られる高嶋政宏が企画監修を行ったとの事。高嶋によれば企画段階で著書である『変態紳士』を参考にした映画を作りたいという話があがり、エッセイの精神を反映させた別のストーリーとなったという。

 高嶋はステレオタイプのSMが描かれることに懸念を示し、ショーとしてSMを見せることと、愛好家が集まる店は違うことなどを実際の店舗を案内しながらプレゼンした。

 

 喧嘩っぱやくて気が強い問題児の地下アイドルのミサ。元女子プロレスラーという経歴もあり、彼女のドキュメンタリーとして密着取材がつくことになる。

 ある日、騙されるように連れていかれたSMラウンジ「H」のオーナーから、女王様の素質があると見込まれスカウトされる。紹介された女王様カノンと出会い、困惑しながらもSMの世界に惹かれ、ミサはアイドルと女王様を両立しながらトップを目指すのだった。

 

出演 ミサ:川瀬知佐子

         元女子プロレスラーの地下アイドル。

         アイドル名はミサ☆ザ・キラー。

   カノン:鳥之海凪紗 人気の女王様

   ユメカ:乙葉あい、SMラウンジオーナー:ryuchell

        ディレクター・佐藤:根矢 涼香高嶋 政宏:本人

                            等々。

 

 正直な気持ちとしては、「つまらない」の一言か。昔のロマンポルノには名作も数多くあったのに。特に高嶋政宏が出演者としていらない。

 多分、企画倒れのシリーズか。