○5月11日
1か月ぶりの映画感想です。洋画4本と邦画1本。今回は、どの作品も観る人によって評価は全く違くなるのでは。
紹介順は、私のお勧め順でしょうか。
2015年公開のイギリス映画「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」を観た。
エリザベス女王が19歳の時の「ヨーロッパ戦線戦勝記念日(VE-Day)」の夜、後の英国女王エリザベス二世が、妹マーガレット王女と共に外出を許され、臣民と共に戦勝を祝った」という史実に着想を得て、一夜の経験を通じて次期女王としての自覚と覚悟の芽生え、成長を描いたフィクションドラマ。監督はジュリアン・ジャロルド。
1945年5月8日。ドイツが連合国軍に降伏し、イギリス中が戦勝の祝賀ムードに包まれていた。その夜、姉のエリザベス王女と妹マーガレットは、国王である父ジョージ6世を説得してお忍び外出の許可を得る。姉妹は付き添い役と共にロンドンの街に出るが、マーガレットが隙を見て海軍将校の男性と一緒にバスに飛び乗ってしまう。エリザベスもあわてて次のバスに乗り、隣の席にいたジャックという兵士と共に妹を追うのだが。
出演 エリザベス女王:サラ・ガトン
マーガレット王女:ベル・バウリー
ジャック・ホッジ空軍兵:ジャック・レイナー
ジョージ6世:ルパート・エヴェレット
エリザベス王妃:エミリー・ワトソン
等々。
オスカー受賞作「英国王のスピーチ」はジョージ6世が「開戦」を宣言するラジオ放送を行うところで幕を閉じたが、それから6年後にあたる本作では、同じ英国王がラジオで、今度は「勝利」を宣言する。
その放送を宮殿内ではなく外で、一般の民衆と共に受け止めたいという若きエリザベスの願いもあって、彼女と妹、それに従者たちはお忍びで外出を許されることに、これは史実らしい。
外の生活と人々の熱気に翻弄されるエリザベス、後の女王へと成長する彼女が次第に凛とした表情を獲得している様が清々しく描かれている。
唯一気になったのが、妹のマーガレットの方が、ビジュアルが年上のように感じてしまった。
イギリスの王室の方が、なんとなく親しみはある。日本の皇室は、皇室の周りの人が、一般人と分けた別世界の人のように作り上げているからか、だから一般の男性と結婚をしようものなら……。
2021年公開の「ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード」を観た。
ひょんなことから殺し屋を護衛する羽目になったボディガードの奮闘を描いた2017年の映画「ヒットマンズ・ボディガード」の続編。前作に続き、「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」のパトリック・ヒューズが監督を務めた。
ボディガードのマイケル・ブライスは、暗殺者ダリウス・キンケイドとの関係は続いていた。
そして、今度はダリウスの妻であるソニアを新しい脅威から守るための新しい冒険に乗り出す。
4年前に護送任務で殺し屋ダリウスを守ったボディガードのマイケルは、警護資格の剥奪を審議される状況にあった。
カウンセラーの勧めで休暇を過ごしていたところ、ダリウスの妻ソニアが出現。マフィアに拉致された夫の救出に協力するよう頼まれ、無理やり連れ出されてしまう。
2人は無事にダリウスの救出に成功するが、今度はサイバーテロを企てるギリシャの富豪アリストテレスに接近するようインターポールに命じられる。
そして、サイバーテロから世界を救う役目を負わされてしまう。新婚旅行気分のダリウスとソニアに対し、心身ともにボロボロのマイケルだったが……。
出演 マイケル・ブライス:ライアン・レイノルズ
ダリウス・キンケイド:サミュエル・L・ジャクソン
ソニア・キンケイド:サルマ・ハエック
ギリシャの海運王・アリストテレス・パパドポラス
:アントニオ・バンデラス
マイケル・ブライス・シニア:モーガン・フリーマン
その他 フランクリン・グリロ、リチャード・E・グラン
ト、トム・ホッパー、キャロライン・グッドール
等々。
前作は観ていないのだが、余計な考えがなかった分、アクションコメディとして、この1作で十分楽しめた。ストーリーや細かい整合性よりもライアン・レイノルズ的キャラが最優先されていて、楽しければ良いか、という感じ。
脇を固めるサミュエル・L・ジャクソン、モーガン・フリーマン、アントニオ・バンでラスも、自由に演技をしているようだが、抑えるところは抑えている。だから、ライアン・レイノルズがキャラ全開になれるのだろう。
一作目も鑑賞してみようかな。三作目あるのかな。
2021年公開の「衝 動」を観た。
2020年の東京・渋谷を舞台に、違法薬物の運び屋として働く少年ハチと、あるトラウマから声を出せなくなった少女アイが出会い、ともに社会の片隅で生きる孤独な2人が、ぶつかり合いながらも互いにかけがえのない存在になっていく様を描いた青春サスペンス。
監督・脚本はこれが商業デビュー作となる土井 笑生。
福島の地方都市から東京へ逃げてきた少年・ハチ。東京で違法薬物の運び屋の仕事をしながら生計を立てていた。
ある日、運び屋の仕事でトラブルを起こし、ボコボコにされ渋谷のラブホテルの裏で倒れていたハチ。そこへ、ホテルの裏口から少女がやって来て、ハチにポケットティッシュを渡す。
少女の名前はアイ。あるトラウマで声が出せなくなり、筆談でしか話せない少女だった。孤独を抱える二人は出会い、ぶつかりながら、かけがえのない存在へとなっていくが、二人の間にはある衝撃的な真実が隠されていた。
ハチが東京へ来た理由とは。アイの声が出なくなった理由とは。孤独な少年少女が生きる衝動に駆られていく姿を描く。
出 演 ハチ:倉悠 貴、アイ:見上 愛
ハングレの元締め・サワダ:村上 淳
その他 見津 賢、錫木うり、工藤 孝生、池田 朱那、
山本 美月、川郷司駿平、佐久間祥朗、
三村 和敬 等々。
おまけみたいな人生を生きる運び屋の少年と、ある出来事がきっかけで声が出せなくなってしまって体を売る少女。
渋谷の裏路地。ゴミ捨て場で出会い更に堕ちてゆく2人。しょうもないおまけだって誰かにとっては価値があったりするかも。2人が破滅的な痛みを共有する感じが若いからなのか、私も同年代だったらもっと……。
この手の作品が好きな若い人は多いはず。自分の居場所がないと思い込んでいる人たち……。
倉悠貴は、NHK朝ドラ「おちょやん」のヒロインの弟。その時から全国区。
若い出演者を村上淳の演技が締めている。存在感あります。
2016年公開のカプコンの人気ゲームを映画化した人気シリーズの最終作「バイオハザード:ザ・ファイナル」を観た。
監督・脚本は、ミラ・ジョボビッチの夫で、シリーズ3、4作目をのぞいてメガホンをとってきたポール・W・S・アンダーソン。2012年公開の「バイオハザードV リトリビュージョン」から4年ぶりの作品。
前作での戦いの直後から物語は始まり、舞台をワシントンD.C.から、かつて最初にバイオハザードが発生したラクーンシティ及び、元地下研究施設『ハイブ』へと移しつつ、アリスと、その仲間と、アンブレラ社創始者の一人、アレクサンダー・ローランド・アイザックス率いるアンブレラとの最後の戦いが描かれる。
アリスが目を覚ました時、その周りに広がっていたのは荒廃したワシントンD.C.だった。
アリスはそこで巨大なコウモリのようなクリーチャー「ポポカリム」と死闘を繰り広げ、辛くも生還する。その後、アリスは廃墟と化したホワイトハウス周辺の建物を徘徊するうち、あるコンピューターが設置されている部屋を見つける。その室内のモニターに映し出されたのは、アンブレラ社の人工知能レッドクイーンだった。
レッドクイーンはアリスに「T-ウイルスに感染した、すべてのものを抹消できる抗ウイルス剤をアンブレラ社が開発した。それはラクーンシティの地下にあるハイブの中にある。そして、48時間以内に抗ウイルス剤を空気中へ放出させなければすべての人間が死亡し、アンブレラ社の真の目的が遂行されることになる。私はアンブレラ社に逆らえないが、人類を尊重するようにプログラミングされている。あなたに人類を救ってほしい。」と伝える。
アリスは以前にハイブやアンブレラ・プライムでレッドクイーンが自分や仲間たちを殺そうとしたため、レッドクイーンに対して半信半疑であったが、最後の望みをかけてラクーンシティへ向かう。その道中で襲ってきたアンブレラ社の隊員たちによる危機を脱した直後、アンブレラ社専用のバイクを使用しようとしたために電気ショックが発生し、アリスは失神してしまう。
意識が戻ったのは、アンブレラ社の装甲車内だった。そこには、アリスが以前に倒したはずのアイザックス博士がいた。アリスは移動中の装甲車上でアイザックスと死闘を繰り広げた果てに脱出し、かつての戦友クレア・レッドフィールドや新たな仲間と合流し、アルバート・ウエスカーのいるハイブへ向かう。その道中にはさまざまな罠が仕掛けられており、それらを切り抜けて
最終決戦に挑むアリスは、自らの出生の真実を知ることとなる。
主演 アリス:ミラ・ジョボビッチ
(少女期:エヴァー・アンダーソン)
アイザックス博士:イアン・グレン
クレア・レッドフィールド:アリ・ラーター
アルバート・ウエスカー:ショーン・ロバーツ
その他 オーエン・マッケン、ルビー・ローズ、ローラ
ウイリアム・レビー、フレイザー・ジェームズ、
シボーン・ホジソン、オーブリー・シェルトン、
ミツトン・ショア、イ・ジュンギ、
マーク・シンプソン 等々。
このシリーズは最初から観ている。最初は面白く、次のシリーズが公開されると、いち早く確認したものだ。
どのシリーズも長く続くと惰性になってしまう。このファイナルは前作から4年後の発表なのに、ストーリーとしては引き続いている。いかに終わらせようかという事がはっきりわかるような。主演のミラ・ジョボビッチも年齢を重ねている。
終わらせる手段として、冒頭にイキナリ、全シリーズのカラクリが描かれる。
アイザックス博士の相方ジェームズ教授の娘、アリシア・マーカス(エヴァー・アンダーソン:2役)が、早老症であった事。アリスが健康体のまま、成人になった姿を想定して作られたクローンであった事。
その後の、アンデッドたちを振り切って再びアリスやクレアたちがラクーンシティに戻り”抗ウイルスワクチン”を手に入れ、アンデッドたちの前でそれを割り、次々に斃れていくアンデッドたち。
ラスト、T-ウイルスのみに効く”抗ウイルスワクチン”だったため、アリスとクレアは生き残る。
そして、アリシア・マーカスの記憶も得たアリスは”私は、アリス”とバイクを飛ばしながら呟くのである。
ラストはあれで良かったのだろうか。
とりあえず「最後まで、見届けた」。
2013年公開の「ブロークンシティ」を観た。
ニューヨークを舞台に腐敗した巨大権力に立ち向かう元警察官の奮闘を描くクライムサスペンス。
監督は「フロム・ヘル」「ザ・ウォーカー」のアレン・ヒューズ。プロデューサーをウォルバーグが務めている。
市長選挙を目前に控えたニューヨーク。元警察官で私立探偵のビリー・タガートは、7年前に警察を辞職するきっかけとなったある事件の秘密を知るニューヨーク市長のホステラーに呼び出され、妻キャサリンの浮気調査を依頼される。
ビリーが調査を開始すると、浮気相手はホステラーの対立候補ヴァリアントの右腕的存在であるアンドリュースと判明。
キャサリンはビリーに単なる浮気調査依頼のはずがないと忠告するが、ビリーはホステラーに結果を報告して調査を終える。
しかし、ほどなくしてアンドリュースは何者かに射殺されてしまい、ビリーは窮地に立たされてしまう。
出演 元ニューヨーク市警察刑事・
ビリー・タガート:マーク・ウォールバーグ
市長・ニコラス・ホステラー:ラッセル・クロウ
市長の妻・キャサリン:
キャサリン・セダ=ジョーンズ
警察署長・コリン・フェアバンクス:
ジェフリー・ライト
対立候補の選挙対策本部長・ヴァリアント:
バリー・ペッパー
ビリーの助手・ケイティー:アロナ・タル
その他 ナタリー・マルティネス、マイケル・ビーチ、
カイル・チャンドラー、ジェームズ・ランソン、
グリフィン・ダン、ジャスティン・チェンバース
等々。
「ノンストップ・クライムサスペンス」という売り文句だったのですが……。
登場人物が多いわりに説明が少なく、 視聴者を置いてきぼりにして、 かってに進行していました。 このキャスティングで勿体なかったのでは。お話自体はアメリカに限らず日本にもよくある話だったので、リアルに感じました。
ラッセル・クロウがいかにも悪い市長役を熱演していたのに。
ラストは“そうくるか。
悪徳政治家の陰謀なんて話はありきたりなのだから、映画らしい脚本にして欲しかった。
さんざん思わせぶりをしておいて話を変えるのでは振り回されているだけでミステリーとしては稚拙すぎる。仕掛けも恣意的で説得力に欠けている。
市長がわざわざ一介の警官に恩を売ったのに7年も放っておいてなぜ今利用しようと急に思い立ったのかが謎。その他にも別の意味で謎だらけ。結局、やはり本が悪かったのでは。
もう一度言うと、役者は良かったのに。