○4月8日
今回は、久々に6本です。洋画が2本で、邦画が4本。ジュリーの「幸福のスイッチ」はお薦め。(但し年配の方には)あとの3本は、好きな人はどうぞ、かな。(私はダメでした)洋画に2本は私は面白かったです。が、この2本も好き嫌いは分かれる作品でしょう。
2006年公開の和歌山県田辺市を舞台にした「幸福のスイッチ」を観た。原案・監督・脚本は安田 真奈。
ガンコ親父と3人姉妹が繰り広げる人間模様を描いたハートウォーミングストーリー。
21歳の稲田怜は、東京のデザイン会社の新人イラストレーター。実家の電気店「イナデン」は地域の人達に親しまれている「お客第一・儲けは二の次」がポリシーの小さな町の電器屋。
三姉妹の真ん中・怜は、母・清子がガンで亡くなるまでも、それからも、家族よりお客からの修理依頼などの採算を度外視したアフターサービスに尽くす父・誠一郎の姿にどうしても我慢できず、反発して都会に出てきたが、上司と衝突して会社を辞める羽目に。
そんななか、怜は現在妊娠中の長女・瞳が入院したという手紙を妹・香から受け取り、慌てて田舎に帰郷した怜だが、入院していたのは父だった。父は客の依頼で行なったアンテナの設置中に屋根から落ちて骨折したのだった。そんな状態でもお客と電話対応する父の姿に呆れる怜。
父が退院するまでの1か月間だけの約束で、渋々店の手伝いを始める怜。すっかり常連客の溜まり場となっている店の騒がしい日常、配達・修理作業を手伝いにきている中学時代のクラスメイト・鈴木のお調子ぶりにうんざりする。最悪なことに、父の過去の浮気疑惑まで再燃し、怜のイライラはピークに達する。
慣れない家業を地道に手伝っていく中、個性的なお客の依頼や、父の仕事ぶりを聞くうち、それまで意固地で頑なだった怜の心は少しずつほぐれていくのだった。
出演 怜:上野 樹里、父・誠一郎:沢田 研二、
姉・瞳:本上まなみ、妹・香:中村 静香
その他 林 剛史、笠原 秀幸、芦屋 小雁、田中 要次、
宮田 早苗、石坂ちなみ、深浦加奈子、下元 年
世、谷口 高史 等々。
ジュリー・沢田研二と言えば、「かっこいい」と同意語となるくらい、私たちの世代では、カッコよさでは雲の上の人、歌手としても、「太陽を盗んだ男」等の役者としても、十二分に心に刻まれている。
そのジュリーが、田舎の頑固な電気屋の主人役。最初は違和感があったが、その内ぴったりだと思うほど、これがまた良い。自由にお芝居をしているよう。
反発する娘の上野樹里も、お芝居ではないような自然さが良い。そして、姉役の本上まなみも。上野樹里は朴訥で、沢田研二の背中に一生懸命はたらく庶民の生活感が見えた。
とにかく、皆が自然で、和歌山県田辺市の撮影場所の田舎の雰囲気と合わさって、本当の田舎の電気店の家族のように見えてしまった。
良かった点のもう一つは、出演者がほぼ出身が関西の人なので、関西弁が自然で、関東の役者の無理やりな関西弁感が無く、それも自然に受け入れられたことではないだろうか。
監督の安田真美は、松下電器に勤務していた事があるとの事で、実際の電気店の家電の話などは真実味がある。
全く初めて知った作品だったが、花丸を差し上げたい作品でした。
最近のジュリーは、年配の年寄り役も多くなっているが、年とってもカッコよい人は、やっぱりカッコよいが結論か……。
2010年公開の、アーサー・コナン・ドイルが生んだ名探偵シャーロック・ホームズを題材にしたオリジナルストーリーを、「スナッチ」のガイ・リッチー監督が映画した「シャーロック・ホームズ」を観た。
1890年、ロンドンのベーカー街で暮らす探偵シャーロック・ホームズは、相棒ワトソンや警察らと共に、5人の女性を黒魔術を使って殺害した、連続殺人犯ブラックウッド卿を逮捕する。
ワトソンはメアリー・モースタンとの結婚が決まりベーカー街221B での共同生活を終えることになっていた。そのころホームズは刑務所で死刑宣告されたブラックウッドに面会する。ブラックウッドはさらに3人の止められない死が起こり、世界が変化するだろうと言う。
その後彼は絞首刑になりワトソンが死亡を確認した。3日後、プロの泥棒でありかつての敵であるアイリーン・アドラーがホームズのもとを訪れる。彼女はルーク・リオドンという名の男の捜索を依頼した。アドラーが部屋を後にするとホームズは彼女を尾行し、顔の隠れた謎の雇い主に会うところを目撃する。行方不明のリオドンはブラックウッドの計画のカギだった。ホームズは謎の男が教授でありアドラーを恐れさせる唯一の人物であると気付く。
犯人は処刑されたが、さらなる難事件が発生。ホームズは相棒と共に事件解明に立ち上がる。
出演 シャーロック・ホームズ:ロバート・ダウニー・Jr
ジョン・ワトソン:ジェド・ロウ
アイリー・アドラー:レイチェル・マクアダムス
ブラックウッド卿:マーク・ストロング
レストレード警部:エディ・マーサン
メアリー・モンスタン:ケリー・ライリー
ハドスン夫人:ジェラルディン・ジェームズ
その他 ジェームズ・フォックス、ハンス・マシソン、ウィ
リアム・ホープ、ロバート・マイエ、クライヴ・ラ
ッセル 等々。
シャーロック・ホームズの作品と言えば、知的で頭脳明晰、その力で犯罪を解決することが殆どだが、この作品は知能よりアクションでホームズが活躍している。ガイ・リッチー監督と主演の二人ならば、その方がそれらしいかも。
物語は深くはないが、二人はスタイリッシュで、娯楽映画に徹しているような。ホームズものなのに楽しく観られる。
当時のロンドンの街並みもきちんと表現されていて、作品としては合格点では。
ただ、今までの私は、シャーロック・ホームズと言えばジェレミー・ブレッドで、謎解きの面白さを楽しんでいたが、そんなホームズファンが、どれだけこの作品に満足したかは………。
2010年1月17日、ハリウッド外国人映画記者協会は、第67回ゴールデングローブ賞で、シャーロック・ホームズ役のロバート・ダウニー・Jr が、ゴールデングローブ賞・主演男優賞・ミュージカルコメディ部門 を受賞したと発表した。
続編の『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』も公開されている。こちらの作品では、モリアティ教授が登場。
2019年公開の近未来アクション「ジェミニマン」を観た。監督は、「ブロークバック・マウンテン」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」のアン・リー。製作はジェリー・ブラッカイマー。
史上最強とうたわれるDIAの凄腕スナイパー、ヘンリー・ブローガンはこれまで72人もの悪人を葬ってきた。しかし、高速走行中の列車に乗るターゲットを狙う際、無関係な少女がターゲットに近付いたため射撃タイミングを想定より遅らせることになり、結果として着弾が頭から首にずれてしまう。これを「もし少女に当たっていたら」と考えたヘンリーは、自身の衰えを理由に引退を決める。
引退生活を始めたヘンリーはレンタルボートを借り、自分を呼び出した旧友のジャック・ウィリスと海上で再会する。ジャックはヘンリーが射殺した最後のターゲットが悪人ではなく分子生物学者であるという情報を掴み、その身を案じていた。
生物兵器テロリストだと知らされていたヘンリーは驚き、真実を知るために情報源であるユーリ・コヴァッチと直接会えるよう取り次いでもらう。
その頃、DIAの本部ではヘンリーの元上司ジャネット・ラシターと極秘特殊部隊「ジェミニ」の指揮官クレイ・ヴェリスが2人の会話を盗聴していた。ヘンリーが真相を知る事を恐れたヴェリスは、彼を暗殺するため「ジェミニ」を動かそうとするが、ラシターに却下される。
港に戻ってきたヘンリーは、レンタルボートに盗聴器が仕掛けられていたことに気付き、受付のダニー・ザカレウスキーを夕食に誘う。ヘンリーから証拠を突きつけられたダニーはDIA職員であることを認め、2人は食事をしてそれぞれの帰路に着く。
深夜、海上のジャックが殺され、ヘンリーの家にも暗殺チームが送り込まれてきた。危険を察知したヘンリーは元相棒のマリーノに逃げるよう連絡を入れるが、通話終了を待たず殺されてしまう。ヘンリーは暗殺チームを返り討ちにすると、眠っていたダニーの家に侵入し、自分達に危険が迫っている事を伝える。ヘンリーとダニーは待ち伏せていたチームを全滅させ、盗んだレンタルボートで港を後にする。暗殺の失敗を知ったヴェリスはラシターを説き伏せ、「ジェミニ」の兵士から刺客を送り込むことを決めた。
正体不明のその人物はヘンリーの動きや考えを見越しているだけでなく、バイクを使った武術を繰り出し、苦戦。やがてヘンリーは神出鬼没の襲撃者を追い詰めるが、襲撃者の正体は若い自分自身のクローンだった。やがて彼は政府を巻き込むクローン技術の巨大な陰謀に巻き込まれていく。
出演 ヘンリー・ブローガン:ウィル・スミス
ジュニア(クローン・大学生)
※ウィル・スミスが現在の自分と若い自分の2役を
演じる。
クローンのヘンリーは最新のデジタル技術による
ダニー:メアリー・エリザベス・ウィンスレット
ケレイ・ヴェリス:クライヴ・オーウェーン
その他 ベネディクト・ウォン、ダグラス・ホッジ、ラル
フ・ブラウン、リンダ・エモンド、
セオドラ・ミラン 等々。
歳をとり引退をしたい最強スナイパーが軍事的に惜しいなら、クローンを作って更に磨き上げて軍事兵器をつくるという、今の時代でなければ生まれそうでないアイデア。分かり易い。
新たな時代の今までにない様な企画だからこそ、この程度の単調さが良いのかも。
主演ウィル・スミスのクローン役ジュニアがCGとは。ウィル・スミスの血の繋がった息子かと思うくらいの精巧な出来。
意見は二分されそうな作品だが、私は好きな方かも知れない。
1998年公開の「緑の街」を観た。監督は、オフコースの小田 和正。彼の監督2作目の作品。
映画を撮ると宣言した人気ミュージシャンが、様々な困難にぶつかりながらも作品を完成させるまでを描いたドラマ。
今回は、前作「いつかどこかで」ように映画会社配給ではなく、全国120箇所のホール、公民館などに上映機材を持ち込んで上映をしていく「シネマ・ツアー」という公開形式をとったそうだ。「歌手である主人公が映画製作を果たす」というストーリーが、実体験を元に描かれていた。
売れっ子ミュージシャンの夏目草介が、日本武道館で行われた全国ツアーの最終日、突然「今度、映画を作りますのでよろしくお願いします!」と宣言した。映画ビジネスはリスクが大きすぎると言って猛反対する事務所の社長・坂本を押し切り、既に書き上げていた脚本の映画化を進める草介。
だが、彼は様々な困難にぶち当たることになる。まず、映画の配給元が主演女優を勝手に選んできてしまったのだ。
主人公を、今は劇団の裏方をしている元女優の一ノ瀬信子で当て書きしていた草介は、それを拒否。強引に信子を担ぎ出し撮影に入る。
だが、現場は素人監督にあまり協力的ではなかった。何かと撮影監督の田村が間に入ってくれるも、諍いが絶えない現場。それでも撮影は進み、いよいよラストシーンの撮影を迎える。
ところが、それまで順調だった信子がNGを連発。実は、草介が書いた脚本「遠い海辺」の中に出てくるミュージシャンと女優は、草介と信子の過去をダブらせたものだったのだ。
草介の書いたエンディングに納得のいかない信子は、カメラの前に立つことが出来ない。そうしているうちに撮影日程や予算がきつくなり、スポンサーやタイアップも降り、遂には草介と田村の仲に亀裂が入って、映画は暗礁に乗り上げてしまう。
失意の草介であったが、坂本に「本気で映画を撮りたかったんだろ?だったら最後までやってみろ」、助監督の真下からは「監督は(映画を作るという)大きな船に乗り込んできた。自分たちは期待していたけど、初めからそれにこたえる義務なんてなかった。操縦の仕方なんてわからなくてもいい。
そんなことは最初から期待していない。それは僕ら(スタッフ)がやればいいこと。大切なのは監督が船を出したということだけど、その船は誰もが出せるわけではない」と叱咤され、映画を作りたいという気持ちをストレートにスタッフに説得。ラストシーンも書き直し、見事に映画を完成させるのであった。
出演 夏目草介:渡部 篤郎、一ノ瀬 信子:中島ひろ子
田村:尾藤イサオ、和泉:河相 我聞、
真下:林 泰文、坂本:津川 雅彦、
その他 魏 涼子、大森 南朋、角替 和枝、木村 多江、
藤倉みのり、大寳 智子、時任 三郎 等々。
そして 武田 鉄矢、泉谷しげる、大江 千里、大友 康平
冒頭の草介のコンサートシーンは日本武道館で撮影されたが、これは出演者の一人である大友率いるバンド・HOUND DOGのコンサートを中断して行われたそうだ。
応援ミュージシャンがそれなりに凄い。
作品についての意見は別になし。知名度があり予算を出せる人は、映画は割とすぐ製作できるのだな。というくらいか。そしてその人たちの作品は、大体ストーリーが似ているような。
但し、信子役の中島ひろ子は良かった。「桜の園」を思い出してしまった。
2001年公開の「世界の終わりという名の雑貨店」を観た。社会からの疎外感に悩む青年と女子高生が雑貨店での出会いを通し、やがて再生していく姿を描いたドラマ。
原作は、嶽本野ばらによる同名短篇。監督は、本作が本篇デビューとなる濱田 樹石。原作を基に、濱田監督と鷲見 剛一が共同で脚色。
つまらない取材ばかりの仕事に嫌気がさしていたフリーライターの雄高は、彼が住むおんぼろアパートのオーナー・石川に、消防署からの取り壊し勧告に対抗する為に商売をやって欲しいと頼まれ、“世界の終わり”という名の古雑貨屋を始める。
そんなある日、友だちとの意味を持たない会話や親との間に出来た埋めがたい溝にうんざりしていた女子高生の胡摩が、彼の店にやって来た。そして、店の雰囲気に心癒された彼女は、毎日そこを訪れるようになる。ところが、石川の急逝により遂にアパートの取り壊しが決定。世界の終わりも閉店を余儀なくされる。
こうして、居場所を失くした雄高と胡摩は互いにシンパシーを感じ、ふたりして店に飾ってあった風景写真の湖へ旅に出かけるのだが、胡摩は父親に雇われた探偵によって家に連れ戻されてしまう。
それから数日後、雄高は新しいアパートで新生活を始め、胡摩も学校へ戻っていた。
出演 島尾尾高:西島 秀俊、水野胡摩:高橋マリ子、
胡摩の母:真行寺君枝、金井いづみ:加藤 夏希
その他 菊池 亜衣、小泉絵美子、派谷 恵美、森崎 東、
松尾スズキ、名古屋 章、今福 将雄、
絵沢 萌子、 等々。
内面に葛藤を抱える青年役を多く演じ、キャリアを積んでいった西島秀俊。しかし………。
ごめんなさい。やはり私は、若い頃の西島秀俊さんのお芝居の良さを発見できない人なのでしょう。この作品も彼と、若い女性がたくさん出演していましたが、ただそれだけの作品としか思いませんでした。
かわいい女の子をたくさん出しているからといって、アップを多用するのも飽きがくる原因だったかも。
2020年公開の「カフカの東京絶望日記」を観た。監督は、加藤 拓也、坂下雄一郎。
「変身」「審判」などで知られる20世紀のチェコ出身のユダヤ人小説家フランツ・カフカが、2019年の東京で暮らし、あらゆる事柄に絶望するももの、周囲の人間は彼を見て逆に希望を感じるという、不思議な日常を描いたコメディドラマの劇場特別版。
原案は、2015年に飛鳥出版から発行された漫画「マンガで読む絶望名人カフカの人生論」。漫画・平松 昭子、監修・頭木 弘樹。
YouTubeの無料配信で注目を集め、2019年9月からMBS“ドラマ特区“で放送された全6話から厳選したエピソードに新規カットを追加した作品。
ある朝目覚めると巨大な虫になっていた男を描いた小説「変身」で有名なカフカだが、実は何かにつけて絶望せずにはいられない「絶望中毒」だった。
なぜか2019年の東京で生活しているカフカは、ある時は「SNSの承認欲求」に、またある時は「婚活」に絶望する。しかし、本気で傷つき、打ちのめされるカフカの真面目さと素直さが、次第に人々を触発していく。
主演 カフカ:鈴木 拡樹
共演 奈 緒、前原 滉、今野 杏南、奥山かずさ
等々。
YouTubeでドラマを観るような人たちのための作品でしょう。勉強のために思い観てはみましたが、やはり私にはダメでした。細かくどこがダメだったかを書けない私がいます。
「8日間で死んだ怪獣の12日の物語」は、かろうじて分かったのですが。
あっ、違うか~。