○4月 1日
今回は、大河ドラマのような洋画1本と、シュワちゃんのアクションもの。邦画では、西島秀俊の1990年代の若い頃の作品2本と、ウッチャンの作品です。お勧めはブラピの大河ドラマかな。
1994年公開「レジェンド・オブ・ファール果てしなき想い」を観た。原作は、脚本家でもあり、現代アメリカ文学の人気作家ジム・ハリソンの中編小説。監督は、「きのうの夜は…」「グローリー」のエドワード・ズウィック。
アメリカの山奥、元騎兵隊の父と牧場で暮らす3人の息子達。彼等の穏やかな生活は第一次世界大戦の勃発を契機に大きく変わっていく。南北戦争の経験から息子の志願を止める父、心配で付いていく者、残る者。それぞれの想いが交錯し、お互いの人生は重大な岐路を迎える。
20世紀初め、モンタナの牧場。元騎兵隊大佐のウィリアム・ラドローは、戦いの記憶から逃れるため、この地に定住して3人の息子たちの成長を見守る。中でも狩りを好む野性児の次男トリスタンに、ことのほか愛情を注いだ。
ウィリアムの妻イザベルは、過酷な自然環境に耐えられず彼と別居して街に住んでいた。時は流れ、ハーバード大で学んでいた末っ子サミュエルが、婚約者スザンナを連れて帰郷した。やがて第一次大戦が勃発し、3兄弟はヨーロッパ戦線に出征するが、サミュエルは戦闘中に死亡する。
帰国したトリスタンは、悲しみに暮れるスザンナを慰める。その夜、2人は結ばれ、同じく彼女を愛していた長男のアルフレッドは、もう兄弟ではないと告げて街へ去った。アルフレッドは街で事業に乗り出して成功するが、弟を救えなかった罪の意識に憔悴しきったトリスタンは、「永遠に待つわ」と言うスザンナを残して世界各地へ放浪の旅に出た。
数年後、モンタナに帰ってきたトリスタンを迎えたのは、半身付随になったウィリアムだった。今は議員となったアルフレッドとスザンナは結婚し、新生活を始めていた。トリスタンは、ネイティヴ・アメリカンとの混血で、使用人の娘であるイザベルと結婚し、息子と娘が生まれた。その頃、トリスタンは禁酒法に逆らうように酒の販売の商売を行っていたが、ある日、警察の待ち伏せに遇い、威嚇射撃の流れ弾でイザベルが命を落とす。刑務所に入ったトリスタンをイザベルが訪ね、いまだ消せぬ彼への思いを告白する。だが、彼は拒絶し、その夜、スザンナは自殺した。
トリスタンは、銃を撃った警官に復讐を遂げた。スザンナの遺体はモンタナに運ばれ、再会したアルフレッドはトリスタンに、「私は神と人間のルールに従ってきた。お前は何事にも従わなかったが、皆はお前を愛した」と言った。トリスタンは、兄に子供を預かってくれるよう頼み、現れた警察は彼に銃を向けるが、父と兄が危機を救った。トリスタンはまた野の人となり、長年の宿敵だった熊と戦って、63年に死んだ。
出演 トリスタン:ブラッド・ピット
父ウィリアム:アンソニー・ホプキンス
アルフレッド:エイダン・クイン
サミュエル:ヘンリー・トーマス
スザンナ:ジュリア・オーモンド
イザベル:カリーナ・ロンバード 他
都会的なイケメン系も良く似合うブラッド・ピットだが、ワイルドで破茶滅茶なそれでいて思いやりがあって人を惹きつける今回のトリスタン、この役もブラッド•ピットがその魅力をとてもよく演じていた。
兄弟間のこのような問題は映画の主題としては良く使われているパターンだが、今回の作品は、美しい映像と主に、月日の長さもプラスされ(大河ドラマだ)、葛藤、嫉妬、家族愛、復讐心など人間の心の機微をとてもよく描いている。中でも、スザンナがトリスタンの帰りを待つ姿に心がウルっときてしまった。
弟の死を背負って生きていくトリスタンの姿、平穏な幸せを掴んだ矢先に訪れる悲劇、何度も胸が苦しく悲しくなってしまう映画だ。
カナダ・ロケでの美しい自然描写が救いか。
1996年公開の「イレイザー」を観た。重大事件の証人の安全を守るため、彼らの過去を消し去る特殊任務を請け負う、政府特別情報局員の活躍を描くサスペンス・アクション。監督は「マスク」のチャールズ・ラッセル。
キャッチコピーは
『全てを消すために、あの男がやってくる。』
全米屈指の防衛兵器会社、サイレックス社に勤めるリー・カレンは、最新鋭のスーパー兵器EMガン、別名“レール・ガン”にまつわる陰謀を知り、証拠物件の入ったディスクを盗み出す。
リーの安全確保のため、イレイザーことジョン・クルーガーが出動したが、彼女の家を早くも敵が襲撃。クルーガーはリーを救い出すと、彼女の過去を消し、彼しか知らない場所に彼女の身柄を預けた。
一方、証人保護プログラム下に置かれた証人たちが次々に殺される事件が発生。どうやら裏切り者がいるらしい。クルーガーは彼の師であるドゥゲランと共に、湿地帯の隠れ家に保護されている証人の救出に向かうが、敵は倒したものの証人はドゥゲランの手で殺されてしまう。裏切り者はドゥゲランだったのだ。
その帰路、ジェット機の中でクルーガーはドゥゲランに睡眠薬を飲まされ、危うく殺されそうになるが、地上1万メートルからパラシュートで降下、からくも脱出。
クルーガーはリーと動物園で落ち合うが、追って来たドゥゲラン一味と交戦。ドゥゲランはクルーガーこそ裏切り者だとベラー局長に主張する。危機を逃れた二人は、クルーガーが以前助けた詐欺師のジョニーCの協力でサイレックス社に潜入。
リーがコンピュータを操作すると、サイレックス社と国防省次官が組んで、今夜ロシアン・マフィアのテロリストにレール・ガンを大量密売する計画が明らかに。これが実行されれば、世界の軍事バランスが狂ってしまう。クルーガーらは港に向かい、ジョニーCのいとこの港湾マフィアの力を借り、敵と激しい戦闘を繰り広げる。テロリストたちは倒されたが、ドゥゲランは生き延びた。
裁判がはじまったが、ドゥゲラン一味は無罪を主張、情勢は敵に有利だった。その矢先、クルーガーとリーが乗り込んだ車が大爆破。ところがこれは作戦で、二人は無事だった。
クルーガーはドゥゲラン一味の乗った車を貨物線の踏切に誘い込み、列車と衝突させて、法で裁けぬ悪人たちを“消去”した。
出演
ジョン・クルーガー:アーノルド・シュワルツェネッガー、リー・カレン:ヴァネッサ・ウィリアムズ、
ロバート・ドゥゲラン連邦保安官:ジェ-ムズ・カーン、
アーサー・ベラー本部長:ジェームズ・コバーン、
ジョニーC:ロバート・パストレリ、
その他 ジェームズ・クロムウェル、ダニー・ヌッチ、ア
ンディー・ロマーノ、ニック・チンランド、
マイケル・パパジョン 等々。
シュワちゃんが、久々に痛快なアクションを披露した作品。その上、ジェームズ・コバーン、ジェームズ・カーン、の二人のジェームズに、もう一人ジェームズ・クロムウェルも加え、の3人のジェームズが良い。前の二人は出演しているだけで良い。
シュワちゃんも、この映画ではことさらにマッチョぶりを誇示するでもなく、むしろスマートな印象を強調したスタイルで新たな魅力で良かったと思う。
飽きずに一気に観ることが出来た。
1997年公開の「2/デュオ」を観た。ひと組の恋人の微妙な心模様を描いたドラマ。監督は「はなされるGANG」で85年度のぴあフィルムフェスティバルに入選し、「M/OTHER」でカンヌ国際映画祭批評家連盟賞を受賞した諏訪 敦彦。
セリフや動きを全て現場で役者の即興芝居に任せた斬新な手法での、初の劇場用映画作品。
俳優に強く憧れる売れない俳優恋人、圭の心が揺れた時、まるで共鳴するかのように優の心も形を失っていく。俳優を職業とする事のへの挫折感から、「結婚」を口にし、その真意をはかりかねる優と、夢のような話ばかり口にする圭、意味のない失踪を繰り返す圭。圭は暴力的な態度を取るようになってしまう。
これまで彼を支え続けてきた優は、そんな圭の焦燥と向かい合う内に、次第に自分自身の姿さえも見失いかけているのに気がついた。
そして、ある日、優は圭の前から姿を消す…。残された圭。そして、優は彼の元へ戻るのだろうか?二人でいるがゆえの孤独や焦躁。誰もがその心の奥底で感じたことのあるような感情のぶれをたぐい稀な緊張感と繊細さで描き出す
出演 優:柳 愛里、圭:西島 秀俊、
共演 中村 久美、渡辺真起子 他。
このカップル私の考えではどっちもどっち。男の方の圭は、男として私が一番嫌いなタイプで、気を使いすぎで観ている方がイライラしてくる優も、それを許している女としてダメなタイプ。
そんな典型的なダメ男に、西島秀俊がぴったりな感じに見える。話し方からしてダメっぽい。
仕事から疲れて帰ってきた彼女に夕食作らせるなんて……、私には信じられないが、このタイプの男が多いのもわかる。
セリフもリアルなのは、その場でシーンを作っているからか。映画として観ていると、腹立たしくなってくるが、監督の実験としては成功していたのか。
ただ、また観てみようとは思わなかった。
1999年公開の「ニンゲン合格」を観た。昏睡状態から10年ぶりに目覚めた青年が、家族再生に奮闘する様を描いている。監督・脚本は黒沢 清。
14歳のときに交通事故に遭った吉井豊が10年間の昏睡状態から目覚めると、両親は離婚し、妹は親元を離れて恋人と暮らしていた。
父の友人であり産業廃棄物の不法投棄を請け負っている藤森が、豊の面倒を見ることになる。
家族を取り戻したい豊は、一家が経営していたポニー牧場を立て直そうとするが、10年前に豊を轢いた室田が牧場を破壊する。
そこへ、しばらく姿を消していた藤森が戻ってくる。豊は、藤森とともに引っ越しの準備を始めるが、崩れてきた冷蔵庫の山の下敷きになって命を落とす。
出演 吉井豊:西島 秀俊、藤森岩雄:役所 広司、
父・真一郎:菅田 俊、母・幸子:りりィ、
妹・千鶴:麻生久美子、室田:大杉 漣
その他 哀川 翔、洞口依子、鈴木ヒロミツ、豊原功補、
戸田昌宏、 山村美智子、 等々。
今や日本を代表する監督の黒沢清。基本的に私が、黒沢監督の描きたい事を、いつも理解できないだけなのかもしれないが、黒沢作品はほとんど面白いと思った事が無い。今回もそうだ。登場人物の誰一人として感情移入が出来なかった。お芝居的には皆さん上手いと思うのですが……。
ラストで、なぜあのような死に方になるのだろうか。カッコ悪いがカッコよいは、もうだいぶ古くなっているような。
でも、世界や日本映画界では評価が高いです。
第9回日本映画プロフェッショナル大賞において、ベスト10の第4位に選ばれ、西島秀俊が主演男優賞を受賞。
第11回東京国際映画祭コンペティション正式参加
第49回ベルリン国際映画祭正式出品作品。
2016年公開の「ウッチャンナンチャン」の内村 光良が3年ぶりに手がけた監督作「金メダル男」を観た。ウッチャンが、原作・脚本・主演も務めたコメディ作品。
2011年に東京・サンシャイン劇場で上演された彼の1人舞台「東京オリンピック生まれの男」をもとに、あらゆる一等賞を獲ることに挑み続ける男のおかしくも切ない人生が描かれている。
東京オリンピックで日本中が盛り上がる1964年、長野県塩尻市で生まれた秋田泉一。小学校時代に徒競走で一等賞になり、一番になることの素晴らしさを知った泉一は、絵画から火おこしまで様々な大会で金メダルを獲得していく。
いつしか「塩尻の神童」と呼ばれるようになった彼は、その後もすべての金メダルを獲るべく奮闘を続けるが……。
出演 秋田泉一:内村 光良
青年時代を「Hey! Say! JUMP」の知念 侑李
共演 妻・頼子:木村 多江 父・留一:平泉 成、
母・房江:宮崎 美子、横井みどり:土屋 太鳳
その他 ムロツヨシ、笑福亭鶴瓶、上白石萌歌、加藤 諒、
大友 花恋、高嶋 成宏、森川 葵、手塚とおる
EXのような 大泉 洋、竹中 直人、音尾 琢真、
田中 直樹、長澤まさみ、柄本 時生、福沢 朗、
ユースケ・サンタマリア、マキタスポーツ 、
南原 清隆、水卜麻美、有吉 広行、久本 雅美、
河北麻友子、堺 正章、榊原 郁恵、福留 功男、
イモトアヤコ、松井 秀樹、北島 康介、
桝 太一、藤井 貴彦
等々。(昔の映像出演も含め)
この作品が、どこが良い作品なのか、考えながら観ていたが、正直わからなかった。映画を製作したい人が、映画を製作するという行為で満足しているような。印象に残ったシーンを聞かれても、知念君が、学校の中庭で踊っているシーンとか、ムロツヨシのお芝居のシーンくらいか。どうしよう。
映像は全く「フォレスト・ガンプ」だが、お話と映像のレベルが違っていた。
唯、あのウッチャンが製作するという映画なので、友人関係なのか、出演者のキャスティングが凄い。正式に出演料を支払ったら、どのぐらいの金額になるのだろうかと、想像もできないくらい。
全国210スクリーンで公開され、2016年10月22日・23日の初日2日間で興収1億579万800円、動員8万3,682人を記録し、国内映画ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位、ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)では第3位となった。そうだ。