BSTBS

  「表現者 ちあきなおみ」を観て

 

 昨年の2月にBSTBSで放送され、今年の2月6日に再放送された「表現者 ちあきなおみ」を録画していたので、楽しんで観てしまった。

 1992年に歌手活動を休止し、その後一度も復帰していない彼女。しかし話題は豊富で、アルバムが演歌部門の1位になるなど、再び売れてきているという事。

 多分35歳以下の人は、彼女の事は知らないだろうし、知っていても昔の映像番組で観た程度のことでしょうが。

 

 歌手としてではなく、歌を通しての表現者としてとらえているこの番組、言われてみればそうだなぁ~、と、ただ単純に昔の歌を聴かせるのではなく、感心させられる番組構成となっていた。

 とにかくヒット曲を数多く持っていた彼女は、作詞吉田旺、作曲中村泰士で1972年の第14回レコード大賞受賞曲「喝 采」が最大のヒット曲となっている。この曲は、歌詞の設定がドラマチックであるという事から、その後の「劇場」「夜間飛行」とともに、ドラマチック歌謡三部作と言われている。

 この曲が発売されたのが1972年9月10日。この年の賞レースは難しいと言われていたらしいのだが、発売3か月でレコード大賞受賞という、今でも残るスピード受賞曲となっている。

 ちなみにこの年は、日本歌謡大賞を小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」が受賞しており、レコ大もこの曲か、沢田研二の戦いではないかと言われていたのですが、それだけ楽曲の力があったのでしょう。72年のオリコンチャートで66位の曲が、大賞を取ってしまったのですから……。73年には4位になっていますが。

 

 72年は私の中では、吉田拓郎という歌手を知ったことが大きく「結婚しようよ」「旅の宿」と、それと青い三角定規「太陽がくれた季節」森田健作「友達よ泣くんじゃない」など、ギターを覚えて青春したくなってきた時代でもありました。

 

 私が初めて彼女を意識してテレビで見た記憶があるのは、実は歌番組ではなく、なんと日曜日の夜のお愉しみ「コント55号の裏番組をぶっとばせ“!」の人気のコーナー、そう野球拳のコーナーでの事でした。

 私は彼女より10歳年下。その番組は学校では観ることは控える番組に挙げられていたのです。それは当時小学4年生の私には割と関係なく、学校でクラスの男子は、「おっぱいの大きな女性歌手の人が今回のゲスト」と言う情報の中、初めて見たのが、本当におっぱいに大きな彼女でした。

 我が家では、父が観るNHKの大河ドラマの後、すぐに私がチャンネルを日本テレビに回し(学校で仲間外れにされるとか言って、反対を押し切り)、そのコーナーを観ることが定例でした。ですから私の場合彼女の事は、歌よりもおっぱいからの印象が先でした。

 

 そして順調に歌手として上っていった彼女のあの曲「喝采」が発売されたのが、私が中学3年生の時でした。聴いてすぐに気に入りました。クラスでは、男子より女子の方に人気があったようです。出だしの歌いながら手を挙げていくところを、マネしていた人は多かったと思います。

 

 番組を観て、彼女のアルバムを欲しくなってしまった事は、当然の成り行きでしょうか。

 カムバックも期待しますが、どちらかと言えば、昔の記憶の映像のままで……の方が良いような気もします。

 実際の彼女を、私が歌手のマネージャー時代、どこかの局の現場でお姿を見た記憶はあるのですが……。

 

 私の中で、歌謡曲のジャンルでは「喝采」と、和田アキ子さんの「あの鐘を鳴らすのはあなた」が、秀逸な楽曲だと思っています。

 

 昔の音楽映像番組は、BSテレ東が多いですが、民放BS各局は出来は良い番組が多いですね。

 BSフジの「HIT SONG MAKERS」も好きです。