〇2月17日

 今回は、東映実録仁侠映画から2本と、洋画が3本です。モーガンフリーマンの主演作品と、マッドマックスの久しぶりの4作目です。スピルバーグの作品も1本入っていますが、残念な作品でした。

 

 

 1975年公開の、やくざと癒着した警察と政界の腐敗を鮮烈に描いたバイオレンス映画、「仁義なき戦い」から始まる東映実録映画路線の一本「県警対組織暴力」を観た。「仁義なき戦い」シリーズのコンビである、監督は深作 欣二、脚本が笠原 和夫

 

 昭和三十八年、西日本の地方都市倉島市では、暴力団大原組と川手組の抗争が続いていた。

 倉島警察署刑事課のベテラン部長刑事である久能徳松は、暴力団担当のやり手だがヤクザとの癒着も辞さない悪徳刑事であり、大原組の若衆頭の広谷とは、6年前の抗争で敵対組織の組長を射殺した犯行を見逃して以来、固いきずなで結ばれた盟友である。

 連続する抗争が続く中、二人は川手組の土地買収をかぎつけ、その計画を叩き潰す。川手組との抗争はさらにその激しさを増す。そんな時、久能の班に県警本部からエリートの捜査第二課海田警部補が赴任し、地区の暴力団取締が強化されることに。倉島署に派遣された県警本部捜査第二課の海田警部補は、ヤクザと警察官の交際を禁じ、清廉潔白な捜査を久能たちに命令する。

 海田の強引なやり口に反発するベテラン刑事の吉浦は居場所をなくし、大原組は追い詰められ、久能と広谷の関係にもヒビが入っていく……。

 

 出演は、悪徳刑事・久能徳松を菅原 文太、彼と手を組むやくざ・広谷賢次を松方 弘樹、エリート刑事・海田を梅宮辰夫

 その他共演が、佐野 浅夫、山城 新伍、鈴木 瑞穂、藤岡 重慶、遠藤太津朗、室田日出男、金子 信雄、田中 邦衛、成田三樹夫、小松 方正、安部 徹、成瀬 正孝、曽根晴美、川谷 拓三、片桐 竜次、池 玲子、弓 恵子、中原早苗 等々。名前を書いているだけで嬉しくなるような、東映仁侠映画のお馴染みの顔ぶれ。

 

 『仁義なき戦い』の面々が再結集した東映実録映画のこの作品は、東映仁侠映画の王道を行く作品。2大やくざの対立、警察内部の軋轢、刑事とやくざの癒着……と。

 元々「仁義なき戦い」シリーズは、私はやくざ映画とひとくくりにされるのではなく、映画シリーズ作品としては、ジャンルが全く違うが、渥美清さんの寅さんシリーズと同等くらいの、映画ランクとして上位に位置している。そのシリーズの監督と脚本家出演者が再び集まったのだから、当然面白いに決まっている。所からの出発。

 どういうわけか、この手の映画を観ていると、アウトローの方に味方をしてしまい、警察に反感を持つ。梅宮辰夫のエリート刑事など、その典型的な存在。

 刑事の役なのに、誰よりも漢気のあるやくざに見える菅原文太はカッコよさと哀愁がある。別に悪徳刑事ややくざを肯定するつもりはないが、やはり格好良い。
 フィクションではあるが、幾つかの史実がベースにされているとの事。

 また、菅原文太と松方弘樹の役名、広谷と久能は、『仁義なき戦い』の主人公の広能の名前を二つに分けたものであるらしい。

 

 1975年キネマ旬報読者選出邦画第9位。

 

 現在のやくざVシネよりも、映画として、ドラマとして数段上の東映仁侠路線。

好きだなぁ~。

 

 

 1977年公開の「北陸代理戦争」を観た。監督は、この作品が実録映画最終作となった深作 欣二。脚本は高田 宏冶

 福井市・三国町・敦賀市・輪島市・金沢市を舞台に、関西・名古屋を巻き込んだ地元やくざの抗争が描かれている。

 

 福井市にある暴力団・富安組の若頭・川田登は、組長の安浦が競艇場利権を譲渡する約束を破ったため、安浦をリンチ。おびえた安浦が弟分・万谷を介して大阪浅田組・金井に相談したため、金井は手打ちの仲介名目で北陸進出にのり出すことになる。

 

 出演は、主役の川田登に松方 弘樹、最初の妻で敵に寝返る女に野川由美子、その妹で最後は川田と一緒になる高橋 洋子。

 その他共演が、伊吹吾郎、地井武男、矢吹二朗、玉津 敏、織本順吉、小林稔侍、中谷一郎、ハナ肇、遠藤太津朗、成田三樹夫、西村 晃、千葉真一、片桐竜次、阿波地大輔、中原早苗 等々。

 

 関西暴力団の北陸進出と、それに絡んだ地元暴力団の内部抗争。実話を取り込んで、臨場感あふれる作品となっている。

 最初はその狂気で、狂人かとも思ってしまう松方弘樹に(北陸の自然がそうさせているのか)、だんだんと感情移入がされていき、「旅の重さ」の高橋洋子が今までとは全く違うイメージで、ある意味女御凄さを出している。魅力的だった。敵味方関係無く男たちの間を渡り歩いていく野川由美子演じる女のしたたかさも。ある意味魅力的かな。

 ただ、人の首から下を雪の中に埋めて、周囲をジープで走り最後には首を飛ばすという残虐な処刑シーンは、とても衝撃的でした…。

 出演者には実在のモデルがいる役も多かったが、映画公開1か月半後の昭和52年4月に、主人公のモデルだった組長が、劇中の襲撃場面と同じシチュエーションで喫茶店で襲われ殺害されてしまった。実際に殺人事件が起きてしまったことにより、深作監督は実録路線を終了したともいわれているような。

 映画のラストでは、「俗に北陸三県の気質を称して、越中強盗、加賀乞食、越前詐欺師と言うが、この三者に共通しているのは生きるためになりふり構わず、手段を選ばぬ特有のしぶとさである。」とのナレーションが流れる。

 

 

 

 2009年公開の「インビクタス/負けざる者たち」を観た。南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ大統領と同国代表ラグビーチームの白人キャプテンがワールドカップ制覇へ向け奮闘する姿を、クリント・イーストウッド監督が描いた人間ドラマ。

 

 1994年の南アフリカ共和国。ネルソン・マンデラは、反体制活動家として27年もの間投獄されていたが、1990年年に釈放されこの年に同国初の黒人大統領となった。

 マンデラの初登庁日には、それまで政府の主要ポストを占めていた大統領府の白人官僚たちが、マンデラの報復的な人事の可能性を恐れ、一部の者達はそれを見越して荷物をまとめ始めていた。それに対しマンデラは、初日の朝に職員たちを集め、「辞めるのは権利であり自由だが、新しい南アフリカを作るために協力してほしい。あなたたちの協力が必要だ」と呼びかけた。また、語りかける際にはボディーガードを待機させず、職員への信頼を行動で示した。安堵した職員たちはマンデラのもとで働くこととなり、ボディーガードチームも予想に反して黒人と白人の混成チームとなった。

 黒人ボディーガードのヘッドであるジェイソンは当初これに強く反発したが、マンデラから諭されてこれを不服ながら受け入れる。

 一方、南アフリカ代表のラクビーユニオンチーム「スプリングスボクス」は当時低迷期にあり、黒人選手もわずか1人という状況だった。

 ラグビーはアパルトヘイトの象徴として、多数を占める黒人の国民のあいだでは非常に不人気なスポーツだった。政府内では「スプリングボクス」のチーム名やユニフォームの変更を求める意見が多数を占めており、一時はその方向で決まりかけていた。しかしマンデラはこのチームが南アフリカの白人と黒人の和解と団結の象徴になると考え、チーム名とユニフォームの存続を求め周囲を説得し、また、白人であるチームの主将フランソワ・ビナールを大統領府に招き、イングリッシュ・ティーを自ら薦めながら「リーダーシップ」のあり方について言葉を交わし、励ました。

 その後スプリングボクスのメンバーたちは、マンデラの意向で貧困地区の黒人の子どもたちにラグビーの指導に赴く。当初それを不満に感じていたメンバー達も、一連の地道な活動により、国民のあいだでチームの人気が少しずつ高まり、自分たちの存在が国内のみならず世界的に注目されていることを知るに至った。

 そしてスプリングボクスは、自国開催の1995年ラグビーワールドカップにおいて予想外の快進撃を見せ、ついに決勝進出を果たす。今や新生南アフリカの象徴として見られるようになったスプリングボクスは、全南アフリカ国民が見守る中、強豪ニュージーランド代表オールブラックスとの決勝戦に臨む……。

 

 出演は、マンデラ大統領にモーガン・フリーマン、ラクビー主将のフランソワにマット・デイモン

 共演が、トニー・キゴロギ、パトリック・モフォケン、マット・スターン、マルグリット・ウィートリー、バトリック・リスター、ベニー・ダウニー、スコット・イーストウッド 等々。

 

 まず、私の場合、モーガン・フリーマンが出演しているという事だけで、その作品は良い作品だという段階から観ることが始まる。

 まして今回は、ラグビーで国民の心情を繋いだ奇跡の出来事。アパルトヘイト、人種差別が横行していた南アフリカ共和国が舞台。モーガン・フリーマン演じるマンデラ大統領の積み重ねた努力が実を結ぶストーリー。1990年代まで白人のスポーツだったラグビーを黒人も参加するものに変えた!

最終結末は、ラグビー好きの私は知っていたのですが、マット・デイモン演じるフランソワ選手たちが勝った瞬間の歓喜に満ちた笑顔は、見ている私たちもその感動の世界に誘ってくれました。

 クリント・イーストウッド若いころの役者として、後年の役者としても超一流だったが、そして現在の監督としては、心を打つわかり易さと明確な演出で、何を監督として何を言いたいのかが伝わってくる。テーマと娯楽の絶妙なバランスが取れた作品を作り出している。

 「インビクタス」とはラテン語で「征服されない」「屈服しない」を意味する語。同様に、ラテン語のフレーズ「morior invictus」は、「死ぬまで屈服しない」を意味する。invictusは男性単数主格形なので、原題は直訳すれば「征服されない者(単数)」となる。

 

第34回日本アカデミー賞  外国作品賞

第82回アカデミー賞    

        主演男優賞  モーガン・フリーマン

        助演男優賞  マット・デイモン

第67回ゴールデングローブ賞

        主演男優賞  モーガン・フリーマン

        助演男優賞  マット・デイモン

        最優秀監督賞 クリント・イーストウッド

 

 

 2015年公開の荒廃した近未来を舞台に妻子を殺された男マックスの復讐劇を描いた「マッドマックス」(1979)のシリーズ第4作。85年の「マッドマックス サンダードーム」以来30年ぶりの新作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を観た。

 監督・脚本は過去3作同様にジョージ・ミラー。過去3作でメル・ギブソンが演じた主人公マックスに、新たに「ダークナイト ライジング」「インセプション」トム・ハーディ

 資源が枯渇し、法も秩序も崩壊した世界。愛する者を奪われ、荒野をさまようマックスは、砂漠を支配する凶悪なイモータン・ジョーの軍団に捕らえられる。そこへジョー配下の女戦士フュリオサらが現れ、マックスはジョーへの反乱を計画する彼らと力をあわせ、自由への逃走を開始する。

 

 砂漠化し荒廃したウェイストランドで、元警官マックスは、過去に救えなかった命の幻覚と幻聴に煩わされ、狂気に侵されているのは世界なのか自身なのか曖昧になる中、生存本能にだけ突き動かされV8インターセプターを駆る。

 流浪の途上で暴徒らの襲撃に遭い捕縛され、シタデルという砦に連行されたマックスは、インターセプターを奪われた上に身体を拘束され、環境汚染からの疾病を患う住人に供血利用される。

 そこではイモータン・ジョーを首領とした独自教義を持つ好戦的な集団の支配のもと、潤沢な地下水と農作物栽培を牛耳ることで成り立っている独裁社会が築かれていた。

 ガスタウンへと向かう取引当日、ジョーの部隊を統率するフュリオサ大隊長は、ジョー一族が受胎出産させることを目的として監禁していた5人の妻(ワイブズ)の身柄を秘密裏にウォー・リグに搭乗させ、フュリオサの出生地である「緑の地」に匿う逃亡計画を、3000ガロンのガソリン取引を隠れ蓑に東へと進路を変えて実行に移す。

 部下の背任行為と、妻たちと、その胎内の我が子を奪われたと知ったジョーは配下の戦闘集団ウォーボーイズを引き連れ、友好関係にある人食い男爵と武器将軍の勢力を援軍に追走を開始する。

 マックスはウォーボーイのニュークスの常備用「血液袋」として追尾車両に鎖で繋がれワイブズ追走の争いに巻き込まれることになった。

 追跡劇の最中に砂嵐に遭遇し、追走車両がウォー・リグの追突によって大破、手足の拘束を解くことができたマックスは、フュリオサ達を制圧する。一人でウォー・リグに乗り込むが、フュリオサ仕様に様々な改造が施されていたため、結局は同乗する事になる。また、ジョーの直々の命令でウォー・リグに乗り込んだものの失敗した上に、ジョーのお気に入りの妻が死亡してしまったことで戻れなくなったニュークスも、ワイブズの一人であるケイパブルに啓蒙されて一行に加わることとなる。一昼夜をかけて走破した場所でかつての仲間である鉄馬の女たちに出会うことが出来たが、土壌汚染の進行で既に目的の地は失われている事を知り、フュリオサは慟哭する。

 それでもなお、ワイブズと鉄馬の女たちと共に、荒廃した地へとあてのない旅に向かおうとするフュリオサに対しマックスは、ジョーさえ除けば生きて行ける可能性の高いシタデルに戻るように諭す。マックスの提案に同意し、主不在の砦に向かって激走するフュリオサ一行を発見し、ジョーの軍勢は追撃をかける。犠牲も出る中、3日間に渡る逃走劇と過去の精算に決着をつけるべく、フュリオサは深手を負ったままジョーと直接対峙し、遂にジョーは倒される。そしてニュークスの捨て身の戦法で渓谷拱門の突破に成功、ジョーの配下達も排除される。フュリオサは危篤状態に陥ってしまうが、マックスはできうる限りの救命措置を施し、告げることを拒んでいた己の名前を明かす。

 一行は砦に凱旋し、ジョーの圧政から解放されたことで、フュリオサは群衆に歓迎される。人々の流れに逆らい、砦から去ろうとするマックスを見つけ、目を合わせたフュリオサは、無言の笑みをもって彼を見送るのだった。

            ※あらすじはウキペディア参照

 出演は、マックスのトム・ハーディの他、フュリオサ:シャーリーズ・セロン、イモータン・ジョー:ヒュー・キース・バーン、ニュークス:ニコラス・ホルト
 その他、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー、ライリー・キーオ、ゾーイ・クラヴィッツ、アビー・リー、コートニー・イートン、ネオサン・ジョーンズ 等々。

 

 久しぶりの「マッドマックス」。その世界観はシリーズに共通だが、今回核戦争の後の世界とのことで、「北斗の拳」に通じるものがあると、色々と評判になっていた。

 とにかく激しい戦闘シーンは、格好良さを追求しているようで、トム・ハーディは勿論だが、女性がめちゃくちゃ格好良い。

 何も考えずに、ただただ観ていれば、自分もヒーローになったような。

 

 第88回アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか10部門でノミネートを受け、編集、美術、衣装デザイン、音響編集、録音、メイクアップ&ヘアスタイリングの合計6部門で受賞を果たし、同年度では受賞数最多作品となっている。

 

 1989年公開の「オールウェイズ」を観た。監督は、スティーヴン・スピルバーグ。1943年公開の「ジョーと呼ばれた男」(日本未公開)のリメイク版。プラターズの名曲「煙が目にしみる」が使用されている。作品内では、J.D.サウザーが歌っている。

 

 作品のキャッチコピーは

いつまでも–あなたの心に。

スピルバーグ監督が 10年もの間、暖めてきた 愛の名作が ついに誕生しました。

 

 無茶な飛行でいつも周囲をはらはらさせている森林火災の消火隊員ピートを恋人に持つドリンダは、誕生日にピートからドレスとハイヒールをプレゼントされた。

 彼はその夜、消火飛行のパイロットになりたい、と言い出した。許さないピートに彼女は、友人のアルから聞かされていたパイロット養成学校の教官になるよう頼む。死と背中合わせの仕事を続けるピートを心配したドリンダの心を察した彼は、それを約束する。ところが非番の日に起きた山火事の出勤を命じられたピートは、ドリンダの制止も聞かず飛行機に乗り込み、エンジンに火のついたアルの飛行機を鎮火させようとして逆に爆死してしまうのだった。天国でピーターはハップという天使と出会い、パイロットに彼の霊感を与えるように言われる。こうしてピートは、アルが所長をすることになった養成学校の生徒テッド・ベイカーにアドバイスを与えることになるのだった。

 一方、ピートと死別した悲しみから立ち直れないドリンダの姿を見かねたアルは、現実から逃げてはいけないと、養成学校に連れてゆく。ところがテッドは、昔ピートが送ったドレスを着たドリンダの姿を見て、彼女に一目惚れしていたことがあり、一方のドリンダも次第に彼に好意を寄せてゆく。苦しむピートにハップは愛する人に別れを告げた時、自由になれるのだ、と諭すのだった。

 やがてテッドも一人前のパイロットになった頃、山火事発生の知らせが届く。出勤しようとするテッドの姿を見たドリンダは、アルたちが止めるのも振り切って飛行機に乗り込む。そしてピートに見守られたドリンダは、無事使命を遂行するのだった。こうしてピートは、ドリンダから別れることができ、彼女はテッドとの愛を実らせるのだった。

 

 出演はピート:リチャード・ドレイファス、ドリンダ:ホリー・ハンター、アル:ジョン・グッドマン、テッド:ブラッド・ジョンソン

 共演は、ロバーツ・ブロッサム、キース・デイビッド、デイル・ダイ、マーグ・ヘルゲンバーガー、エド・ヴァン・ナイズ、ブライアン・ヘイリー、そしてこの作品が最後の映画出演策となった、天使役でオードリー・ヘップバーンが。

 

 スピルバーグの作品はどの作品も期待度満点で観てしまう。殆どの作品は期待通りなのだが、この作品は……。私の感想としては、なんとなく失敗した昔のフジテレビ月9ドラマのような雰囲気が充満している。という事は、好きな人は好きだろうけど、嫌いな人は全くダメだとなる。

 主役のリチャード・ドレイファスもミスキャストでは。相手役の女優とのバランスが悪いし、年齢的にも……。スピルバーグの気持ちもわかるが……。

 唯一映画史に残さなければならないとすれば、オードリー・ヘップバーンの最後の出演作だという事だけではないだろうか。

 スピルバーグも撮影後、人生最大の喜びの一つはオードリーと一緒に仕事をしたことだと語っていたそうだ。