〇2月8日

 

 今回はおすすめ作品ではありません。残念ながら、ごめんなさい作品です。

 観始めて、途中でリタイヤしなかった作品です。私はダメでも、良しと思われる方もいらっしゃると思いますので、ご紹介します。

 ダメな作品ほど、ストーリーのご紹介が長くなってしまう。

 

 2013年公開のスーパーマン映画「マン・オブ・スティール」を観た。

「ダークナイト」クリストファー・ノーランが製作、監督は「300 スリーハンドレッド」ザック・スナイダー

 無敵の能力を備えながらも、それゆえに苦悩して育った青年クラーク・ケントが、いかにしてスーパーマンとして立ち上がったのか、これまで描かれてこなかったスーパーマン誕生の物語を描く。

 

 出演は、クラーク・ケント=スーパーマン:ヘンリー・カビル、育ての親ジョナサン・ケントにケビン・コスナー、母親がダイアン・レイン、生みの親ジョー=エルにラッセル・クロウ、ヒロインのロイス・レインにエイミー・アダムス、仇敵ゾッド将軍にマイケル・シャノン、ベリー・ホワイト:ローレンス・フィッシュバーン 等々の豪華キャストが集結。本当に凄い。

 

 スーパーマン映画は何度も映画化されているが、今回はエピソード1的な、活躍しだす前のお話。

 スーパーマン映画は、観る年齢によって感想は変わっていく映画である事は間違いない。

 子供の頃は、スーパーマンといえば、宇宙から来た完全無欠のヒーローだったし、危ないところを必ず助けてくれる存在だった。

 その後、スーパーマン自体の生い立ちや活躍を知って踏まえた上では、戦闘シーンのカッコ良さとかの方に目が行く、年を重ねると、今度は人間らしさや人情のドラマの方に目が行ってしまう。

 という事は、今回は、私的にはケビン・コスナーとダイアン・レインが作品の中心にいるような、そんな感じだろうか。

 

 1984年公開の「すかんぴんウォーク」を観た。演劇志望で田舎から上京して来た青年を中心に、ロックシンガーを夢見る若者や売り出し中の女優たちの青春群像を描いた作品。

 監督は大森 一樹、脚本は、松田優作映画の丸山 昇一。主演はこの作品で映画デビューの吉川 晃司

 東京湾を一人の青年がバタフライで泳いでいる。青年は広島の高校3年生、民川裕司といい、演劇を志して夏休みに家出をしてきたのだ。金のない裕司は広島からヨットに乗せてもらい、東京湾で海に飛び込み晴海に上陸すると、はとバスに紛れて乗り込み六本木に向う。自動販売機の下に落ちているお金を拾って履歴書を買い、パンの木という喫茶店のウェイターとなった。

 裕司は同僚の吉夫のアパートに転り込んだ。吉夫はロックスターに憧れ、何度もオーディションに落ちた経験があり、裕司は彼に演劇への夢を語る。

 店には純情派タレントの亜美が常連としてやって来るが、裕司は一目で彼女に惹かれてしまう。亜美は純情派として行きづまっており、そんな気分の中に現れた裕司は爽やかな存在で二人は仲のいい友だちになる。吉夫はマスターの白木やレジの淑江に応援され、テレビのオーディション番組に出演するが落選してしまい、それを機会に吉夫と裕司は店を辞め、ライヴディスコのボーイとなる。

 裕司も本物の舞台を観てすっかり自信をなくしているときだった。ある日、二人はディスコに出演するバンドと喧嘩をしてメンバーにケガを負わせてしまう。二人は欠けた人員を埋めるためにステージに立つと、裕司は一気に人気者になり、スカウトされて店を出ていく。

 しかし、マネージャーの考えと裕司のやりたい音楽とはズレがあり、売れない毎日にイラ立っているとき、放送局で亜美と再会し、二人はその夜、体を重ねる。亜美は裕司以上にマスコミから忘れられた存在となっており、ある決意をしていた。数日後、裕司はバンドを去り、関川というヨットハーバーの管理人のところに転り込み自分の音を探し求める。

 一方、亜美はポルノ映画出演を表明、その頃、吉夫は裕司を出せという客に罵声を浴びせる毒舌タレントとして売り出していた。

 一年後、裕司の送ったカセットが大手レコード会社で採用となり、彼は多額の宣伝費で一気にスーパースターに昇り上がる。しかし吉夫は、かつて裕司と二人でザン飯を漁り、サラ金の取り立てで恐喝まがいのこともやり、あいつはポルノ女優の亜美とも関係していたと舞台で話した。これで裕司のCMはキャンセルとなり、売り出し計画も中止となった。そんな中で裕司は吉夫を恨むこともなく、あっさり自分を捨てたレコード会社にも見切りをつけ、今を生きようと歩みはじめるのだった。

 

 主演の民川裕司にこの作品が映画デビューで、主題歌「モニカ」で歌手デビューもした吉川晃司。貝塚吉夫:山田 辰夫、野沢亜美:鹿取 容子

 共演が、田中 邦衛蟹江 敬三平田 満原田 芳雄神山 繁宍戸 錠白川 和子赤座 美代子高瀬春奈 等々。共演者も豪華。

 

 吉川晃司と大森一樹監督のコンビの「民川裕司3部作」の第1作。

 

 渡辺プロダクションが、吉川晃司をスターにしようとして製作された作品。だから、物語的に、演技的に主役に不満があっても、それはどうでもよいことになるのだろうか。

 典型的な作品では。

 

 1985年公開の「ユー・ガッタ・チャンス」を観た。民川裕司シリーズ第2作。監督は大森 一樹、脚本:丸山 昇一は同じ。前作公開の1年後に公開されている。

 歌手デビューを果たし、人気が上がっていく主人公が、悩みながら自分を見つめなおし、新たに出発するまでが描かれている。

 

 民川裕司は、歌手としてデビューして一年、押しも押されもせぬアイドルスターとなったが、最近、自分の心が乾いてしまっていることに気づいていた。

 神戸公演の前日、彼は鎌倉に、CMの仕事を一緒にした映画監督・合田達郎を訪ねる。合田と知りあって以来、裕司は波のスケールの大きな人間性のとりこになっていた。合田は不在で、裕司はニューヨークから合田に会いに来たという君島夕子と知り合う。そして、彼女と共に合田を捜しに横浜に向かった。

 合田が遊んでいるという横浜のベガスを突き止めた二人は、そこのマダム・モニカから、合田がこのカジノのオーナー本郷三兄弟に二千万円借りて、姿をくらましていることを知った。彼らは合田が神戸に居ることを突きとめていた。翌日、羽田空港では、現われない裕司にマネージャーの間島がイラ立っていた。レポーターもつめかけ、週刊誌には「民川裕司、謎の失踪、陰に美貌の女」の活字が見える。

 新幹線で神戸に着いた裕司は、駅の出口の報道陣を突き飛ばし、彼らに追われながらホールに飛び込んだ。ステージで彼は、観客の中に夕子と合田がいるのを見つけた。本郷三兄弟も現われたが、裕司は合田に気付かせ、夕子と共にホールから逃がした。コンサート終了後、裕司は夕子との関係を報道陣から詰問され、間島から謹慎の命令を受ける。打ちひしがれ港をさまよう裕司の前に、夕子が佇んでいた。

 その夜、二人はベッドを共にした。そこで裕司は、夕子と合田が映画の契約の為のビジネスライクの付き合いだったことを知る。

 次の日、神戸の山中、今はもう使われていない古いホテルに合田はいた。彼はこの地に新たなる映画のメッカを作る計画を熱っぽく語るが、裕司にはそのメッカとは、己れの才能に溺れた男の墓場のように思えた。裕司は合田に訣別を告げ、夕子は合田には自分が必要だからとついていく。

 二人の去った後、裕司の前に本郷三兄弟が現われた。裕司は拳銃をかまえ、彼らは裕司が合田から受けとった二千万円の小切手をひったくり退散した。グアム島に飛んだ裕司は、デビュー当時の恩師・関川の手ほどきでウィンドサーフィンの特訓を始め、大会に出場し完走した。そして、東京から「休暇は終った。皆が君を待っている」との電報が届いた……。

 出演は、吉川 晃司浅野 ゆう子柴 俊夫、阿藤 佐藤蛾次郎アパッチけん小松 政夫辺見 マリ松本 明子広田玲央名 等々。そして、山田 辰夫、宍戸 原田 芳雄はお付き合い程度。

 

 1作目がダメだったのだが、2作目もとりあえず確認のために観てしまった。残念でした。

 どうでもよいシーンが多かったですが特に、裕司が東京から神戸に行くのにやたらと苦労しているのに、その割に新幹線に乗るし、神戸に入ってからもマスコミに追い回されて派手に走り回るというのが見せ場なのか。 

 また裕司がすっかり大スターになってバンド連中を雑に扱っていてひどい態度だったり、横浜の不良に追いかけられていたら急に『ウェストサイド物語』みたいに踊り出してそんな連中にそれからもしばらく追い回されて、どうしちゃったんだろうこの映画かな。共演者もランクが少し下がった感もあり、役者さんたちもそれほど力を入れていないような。とにかくさっぱり面白くなかった。ストリーは詳しくしておきましたので。これだけなら面白そうです。という事は……。

 これで、もう3作目の「テイク・イット・イージー」は、もう良いかな。

 現在の吉川晃司は、役者としてもポジション確立してきていると思うのですが、もう1回残念。

 

 2020年公開の「窮鼠はチーズの夢を見る」を観た。原作は、恋に溺れていく2人の男性を描いた水城せとなの人気漫画「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」。監督は行定 勲

 優柔不断な性格から不倫を重ねてきた広告代理店勤務の大伴恭一の前に、卒業以来会う機会のなかった大学の後輩・今ヶ瀬渉が現れる。今ヶ瀬は妻から派遣された浮気調査員として、恭一の不倫を追っていた。

 不倫の事実を恭一に突きつけた今ヶ瀬は、その事実を隠す条件を提示する。それは「カラダと引き換えに」という耳を疑うものだった。恭一は当然のように拒絶するが、7年間一途に恭一を思い続けてきたという今ヶ瀬のペースに乗せられてしまう。

 挿入無しの体の関係を恭一は受け入れ、不倫調査は誤魔化してもらえたものの、既に恭一との関係に冷めきっていた知佳子は別れたいと申し出、夫妻は離婚した。

 独り身となった恭一の部屋に今ヶ瀬は入り浸り、流されやすい恭一は脅しの材料がなくなった後もずるずると体を重ねた。いつしか今ヶ瀬は恭一にとって特別な存在となり、言い寄ってくる女性を断ってでも今ヶ瀬を選ぶようになり、やがて恭一が「受け」になる形で二人は完全に結ばれた。恭一は今ヶ瀬との2人の時間が次第に心地よくなっていく。

 離婚してから2年が経ち、恭一は今ヶ瀬と関係を続けながらも、異性愛者として女性に目を奪われることが当たり前だった。会社の部下の女性・たまきに想いを寄せられ、偶然彼女が抱える家庭の事情を知り、深入りしていく。

 一方で、今ヶ瀬とは「攻め」の形でも性行為をするようになり「受動的に相手の好きにさせただけ」という言い訳ができなくなったと思うようになっていた。たまきとの関係の進展を察した今ヶ瀬は別れを切り出し、恭一も引き止める言葉を思いつけず、二人は別れた。傷心の恭一は、慰められるままにたまきを抱き、二人は付き合うようになった。

 今ヶ瀬との別れから半年、恭一とたまきは同棲し、近いうちにたまきの親に挨拶し結婚する段取りであった。二人とも喫煙者ではないにも関わらず、喫煙者の今ヶ瀬が残していった灰皿は捨てられずそのまま部屋に残された。

 恭一は今ヶ瀬への恋情をくすぶらせながらも、彼との日々は「同性愛者のまねごと」をしていただけと思い、たまきとの生活に安らぎを感じていた。しかし、知人男性からのストーキングに悩まされていたたまきが今ヶ瀬に調査依頼をしたことで、恭一と今ヶ瀬は再会し、恭一の心は揺らいでしまう。

 主演の二人は、大伴恭一:大倉 忠義、今ケ瀬渉:成田 

 共演が、吉田 志織さとうなほみ咲妃 みゆ小原 徳子小柳 友中村 久美国広 時之 等々。

 

 大倉、成田の両名の演技は本物の人たちのように見えるほどの演技で、素晴らしかった。唯、作品がよりも、BL系がやっぱり駄目だったので、私は意見を言う資格が無いでしょう。

 

第44回日本アカデミー賞 優秀助演男優賞  成田 凌

 

 1999年公開の「黒の天使Vol2」を観た。運命に翻弄される女殺し屋と、そんな彼女と奇妙な絆で結ばれた男女の復讐劇を描く、ハードボイルドアクション。監督・脚本は前作「黒の天使Vol.1」に引き続き石井 隆

 黒のママの指令を受けて、東陽組二代目を暗殺すべく地下駐車場に赴いた「黒の天使」と呼ばれる女殺し屋・魔世。

ところが、もう一組のヒットマンの出現によって彼女の計画は狂い、通りすがりの若い夫婦の夫が流れ弾にあたって命を落としてしまう。更に魔世は、東陽のボディガード・山部が10年前、暴漢から自分を救ってくれた男であることに気づき、ひどく動揺する。

 魔世は、山部が誤って暴漢のひとりを殺害したことで、自分が彼の人生を転落させてしまったとずっと罪悪感に苛まれていたのだ。それから数日後、夫を失った若妻・すずはショックのあまり流産していた。そんな彼女に「夫を殺したのは東陽だ」と吹き込む東陽組乗っ取りを秘かに企む東陽の兄弟分・矢崎のまわし者。

 それを信じたすずは、東陽への復讐を誓う。同じ頃、魔世に東陽暗殺の指令が再び下っていた。依頼主は矢崎。今回もまた、すずの乱入によって計画を狂わされたものの、みごと東陽をしとめる魔世。だが、報酬の払いを渋る矢崎に彼女は怒りを爆発させる。

 一方、東陽への復讐に失敗したすずは矢崎の一味によって囚われの身となり、酷い私刑を受けていた。そんな彼女を救ったのは、彼女の夫を殺したこと良心の呵責を感じていた山部だった。矢崎の東陽への裏切りを知った彼は、すずを連れて組を脱出すると、魔世と手を組み矢崎暗殺に乗り出す。そして、3人は矢崎一味と壮絶な銃撃戦を展開。すずとふたりきり生き残った魔世は、横たわる多くの屍を前に涙を流すのだった。

 主演は天海 祐希。共演が、大和 武士片岡 礼子伊藤洋二郎鶴見 慎吾 等々。

 

 公開から24年が経っている。天海祐希が若い、宝塚出身だけあって動きは良い。う~ん、ただそれだけかな~。Vシネがどんどん出てきていた時代の作品、普通のVシネを観た方が良かったかも。