〇12月13日
今回はクリント・イーストウッドの作品が2本です。1本は監督もしています。その他は邦画が3本です。子供が主役の作品が有りますが、これがなかなかオジサンには良かったです。
1992年公開の「許されざる者」を観た。監督と主演はクリント・イーストウッド。脚本はデヴィッド・ウェッブ・ピープルズ。
クリント・イーストウッドが、師匠であるセルジオ・レオーネ監督とドン・シーゲル監督に捧げた最後の西部劇。
1870年代のアメリカのワイオミング。かつては無法者として悪名を轟かせたウィリアム・マニーだったが、今は若い妻に先立たれ、2人の幼い子どもとともに貧しい農夫として静かに暮らしていた。そこに若いガンマン、キッドが立ち寄り、賞金稼ぎの話を持ちかける。
出演は、
ウィリアム・マニー:クリント・イーストウッド
マニーの友人ネッド・ローガン:モーガン・フリーマン
保安官リトル・ビル:ジーン・ハックマン
勝気な娼婦アリス:フランシス・フィッシャー
その他、リチャード・ハリス、ジェームズ・ウールヴェルト、ソウル・ルビネック、デビッド・マッチ、アンナ・トムソン、アンソニー・ジェームス 等々。
色々な映画祭の賞も受賞している。
第65回アカデミー賞
受賞:作品賞・監督賞・助演男優賞・編集賞
ノミネート:脚本賞・主演男優賞・
撮影賞・美術賞・音楽賞
第50回ゴールデングローブ賞
受賞:監督賞・助演男優賞
ノミネート:ドラマ部門作品賞・脚本賞
第46回英国アカデミー賞 受賞:助演男優賞
ノミネート:作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・音楽賞
第27回全米映画批評家協会賞
作品賞・監督賞・助演男優賞・脚本賞
第57回ニューヨーク映画批評家協会賞: 助演男優賞
第27回カンザスシティ映画批評家協会賞 :
作品賞・監督賞・助演男優賞
第13回 ロンドン映画批評家協会賞:作品賞
第18回 ロサンゼルス映画批評家協会賞:
作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・助演男優賞
第37回 サン・ジュルディ賞:外国作品賞
第18回報知映画賞:外国作品賞
第67回キネマ旬報ベスト・テン:
委員選出外国語映画第1位/外国語映画監督賞
第48回舞う日栄がコンクール:外国映画ベストワン賞
第6回日刊スポーツ映画大賞:外国作品賞
等々。
西部劇としては、「シマロン」「ダンス・ウイズ・ウルブズ」に続き、アカデミー賞を受賞した3作品目。
2004年にはアメリカ連邦議会図書館が、新規登録した作品のひとつ。
2013年には、渡辺謙主演で、日本でリメーク映画化もされている。
今作は男のドラマとして、兎に角カッコ良いし、クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマン、ジーン・ハックマンの3人が、ぞくぞくさせるほど、哀愁、男の色気、友情が綺麗な映像と音楽の中繰り広げられる。
いっぱしの男には、ぜひ見てもらいたい作品だ。私の中では、高倉健さんの映画と同じくらいか。
モーガン・フリーマン、途中で殺されてしまうが、男だね。
多分暫くしたらまた観てしまうかもしれない。
今回は特別に、ウキペディアのアドレスをご紹介しておきます。しっかり物語のあらすじは読んでください。でも、予備知識が無くても、ハマってしまう人は多いかもしれませんが。
· 許されざる者 (1992年の映画) - Wikipedia
1970年公開のアメリカの無頼の英雄兵士たちがフランス戦線で、ドイツ軍相手に活躍する戦争アクション「戦略大作戦」を観た。
製作はガブリエル・カツカとシドニー・ベッカーマン、監督は「荒鷲の要塞」のブライアン・G・ハットン。脚本は「ミニミニ大作戦」のトロイ・ケネディ・マーティン。撮影は「逃亡者」のガブリエル・フィゲロア。
第二次世界大戦も末期に差し掛かった1944年 9月フランス、ノルマンディ上陸作戦以来前線で戦い続けているアメリカ陸軍第35歩兵師団のビッグジョー曹長率いる小隊は、いつも肝心なところで後退を命じられ、未だに手柄を立てられず苛立ちがつのる毎日だった。
そんな中、ビッグジョーと元中尉のケリー二等兵(かつては中尉だったが、部隊が誤った命令で友軍陣地を攻撃したので、責任のしわ寄せを受けて降格された。)はドイツ国防軍の情報将校ダンコーフ大佐の身柄拘束に成功する。ビッグジョーもケリーも大した情報は期待していなかったが、ダンコーフの手荷物を調べると金の延べ棒が隠されていたのである。
ケリーはダンコーフに酒を振る舞い、泥酔したダンコーフから前線の向こうにある小さな街クレアモントの銀行に大量の金塊が保管されている旨を尋問で聞きだした。そしてケリーからこの話を聞いた小隊の兵士たちはクレアモントの金塊をくすねるべく、服務を放棄して中隊長メイトランド大尉の休暇中に前線越えを試みる。
損耗と被害を出しながらも目的地に到着した一行は3両のティーガー戦車の内2両を撃破するも虎の子のシャーマン戦車は故障で稼働できず金塊を目の前に手詰まりとなった末に相手ティーガー戦車車長と直接交渉に持ち込み、現状と状況を明かして取引は成立した。
88mm砲で銀行の扉を吹っ飛ばし、その場に居た面々は各々の車両に金塊を積んで去っていった。
出演は、ケリー二等兵:クリント・イーストウッド、ビッグ・ジョー曹長:テリー・サバラス、クラッブ軍曹:ドン・ピックルズ、オッドボール軍曹:ドナルド・サザーランド、コルト少将:キャロル・オコナー、ジョブ伍長:トム・トゥループ。
その他「暴力脱獄」のディック・ダバロス、ハル・バックリー、スチュアート・マーゴリン、ジェフ・モリス 等々。メインの二人だけではなく、他の作品でも観たような人たちが大挙出演している。
テリー・サバラスの軍曹はまとも。イーストウッドのケリーが言い出しっぺで金塊奪取に積極的。会計係は、とにかく金に目ざとく、ドナルド・サザーランドの戦車隊のリーダーは、ちょっとイカレタ楽天家。味方の爆撃による誤爆の恐れがある中、都合よく敵軍をやっつけて突破。地雷原では、より多い敵兵を全滅させて銀行があるクレルモンへの街へ。
テリー・サバラス、クリント・イーストウッド、全くタイプが違うアメリカ兵ピッタリ。二人とも戦争映画の軍人役は本物そのもの。
喜劇映画とか、お気楽映画だとかの意見も多いが、私はきちんとしたアクション映画で、反戦映画でもあると思っている。戦闘シーンもしっかりしているし、打ち合いで戦友が死んでしまった時の各人の哀しみの顔とか、全く問題なく観られている。
ただ、最後に金塊強奪の為ドイツ軍と組んでしまうのが、嫌いな人は嫌いなのだろうか。
2018年公開の「斬、」を観た。「野火」「六月の蛇」の塚本 晋也監督の自身初の時代劇。
250年にわたって続いてきた平和が、開国か否かで大きく揺れ動いた江戸時代末期。江戸近郊の農村を舞台に、主人公は、時代の波に翻弄される文武両道で才気あふれる浪人の男と、隣人の農家の娘や周囲の人々の姿を通し、生と死の問題に迫る。
この作品は塚本監督が20年以上温めて企画とか。本人も出演している。
250年もの間、泰平の世が続いた江戸時代末期。困窮で藩を離れる武士も多く、江戸近郊の農村に身を寄せる若き浪人・都筑杢之進もその一人だった。
杢之進は農家を手伝い食つなぐ日々を送りながら、農家の息子・市助に剣の稽古をつけ自身の腕も磨き続き、市助の姉・ゆうとは身分の違いがありながらも密かに想い合っていた。
この頃頃、国内は開国するか否かで不穏な空気が漂い、ゆうは杢之進が村を離れ中央へ参戦する日が近づいている事と武士に憧れる血気盛んな弟を心配していた。
ある日、三人は一人の剣豪・澤村と出会う。杢之進と市助の稽古を見ていた澤村は杢之進の剣の腕にすっかり惚れ込み、自分の組織の一員として江戸へ行き、泰平を守るため京都の動乱に参戦しないかと二人に声を掛ける。誘いを引き受け、市助は農民の自分も連れて行ってもらえると喜ぶが、杢之進は剣の才能はあるが人を斬った事が無く、そんな自分に葛藤する。
そんな時、どこからか流れ着いてきた無頼者たちが村にやって来る。悪い噂の立つ彼らの存在に農民たちは怯え、剣の立つ杢之進にどうにかしてほしいと願うが、杢之進たちが江戸へ旅立つ前に小さな村で事件が起きる……。
出演は、杢之助:池松 壮亮、ゆう:蒼井 優、市助:前田隆成、剣豪・澤村:塚本 晋也、源田瀬左衛門:中村 達 他 他。
各映画祭受賞
第51回 シッチェス・カタロニア国際映画祭・最優秀音楽賞
第13回 アジア・フィムル・アワード編集賞
第33回 高崎映画祭:最優秀作品賞、
最優秀主演男優賞(池松壮亮)
第73回 毎日映画コンクール:男優助演賞(塚本晋也)
第92回 キネマ旬報ベスト・テン
日本映画ベスト・テン第7位
第23回 日本インターネット映画大賞 日本映画音楽賞
第69回 芸術選奨文部科学大臣賞:映画部門
ジャパンアクションアワード2019
ベストアクション作品賞 優秀賞
ベストアクション男優 優秀賞(池松壮亮)
2018年・第75回ベネチア国際映画祭
コンペティション部門出品
第23回 釜山国際映画祭ガラ・プレゼンテーション部門選出
幕末の動乱の時代の農村を舞台にした時代劇というのは珍しい。その上、設定が農村という事も。更に、主人公の武士は、人を斬るのが仕事の侍が、人を斬ることに疑問を持っているという。現代的な価値観では正しいはず。
なんだか設定が面白く、池松&蒼井の出演作なので、面白がってみてしまった。二人は良い。
唯、大きなスクリーンで観るよりも、テレビ画面サイズの大きさで観た方が、ピッタリの気がする。それは、映画的な映像の美しさや、色々な仕掛けやアクションの派手さではない、観ている人に色々と考えさせる作品だと思うので、じっくり考えるには、大きなスクリーンよりも、という事だ。
中心的役割の剣豪・澤村、彼が塚本監督だったとは。
2000年公開の「NAGISA」を観た。
村上もとかの同名漫画を原作に、12歳の多感な少女が体験する、ひと夏の出来事を綴った青春ドラマ。
監督は「箱の中の女2」の小沼 勝。「凶犯」の齊藤 猛と「幻想・アンダルシア」の村上 修が脚色。
1960年代の湘南・江ノ島が舞台。なぎさは、居酒屋を営む母とふたりで暮らす12歳の女の子。漁師の父を4年前に亡くしているが青春まっただ中で元気満開。その年の夏休みは生涯忘れられない夏休みになる。
なぎさが海の家でバイトを始めたのは、レコードプレーヤーを手に入れるため。海の家を経営する叔母の不良娘・麗子に影響されてパーマをかけたり、麗子の彼氏とアメ車でダンスパーティーに行ったり、東京から帰省中の金持ちの美少女・真美に意地悪をされたり、東京から来た病弱な少年・洋と出会ったり、毎日が様々な出来事満載。砂浜への漂着物を拾うのが趣味の洋に泳ぎを教えているうちに生じる恋心、そして初キス。でもその洋は………。
いろんなことがあった夏の終わり。レコードプレーヤーを手にしたなぎさは、少し大人になっていた。
主演のなぎさに松田まどか、真美:稲坂亜里沙、典子:吉木 誉絵、洋:佐々木和徳。
大人の出演者は、片桐 夕子、芦川よしみ、佳那 晃子、根岸 季衣、柄本 明、石丸謙二郎、つまみ枝豆、深水 三章 等々で、しっかり子供たちを、しっかりとお芝居で支えている。
第51回ベルリン国際映画祭
キンダーフィルムフェスト部門でグランプリを受賞
2000年度キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞:松田まどか
2000年度報知映画新人賞:松布田まどか
私の地元の湘南が舞台。1960年代という事は時代も私と同じ。挿入歌も当時の唄がその流れ、懐かしさと「そうだ、そうだ」という安心感で、見入ってしまった。 私も初めてレコードプレーヤーを買ってもらった時、本当にうれしかったなぁ~。1960年代に子供だった人には必見かも。
2007年公開の「マリッジリング」を観た。原作は渡辺 淳一の短編小説「眠り姫」。監督は七里 圭。Rー15指定。
ごく普通のOLの森谷千波は、最近彼氏の佳介の仕事が忙しく、二人で会う時間が減ってきたことが不満だった。そんな時、千波の部署に新しい課長の桑村が赴任してくる。桑村が既婚者という安心感からか、彼に食事に誘われた千波は「食事だけなら」と、軽い気持ちで付き合ってしまう。だが、その日から二人の心と心は急速に近づき始め、ついには肌と肌を重ねる時が訪れることに・・・。
出演は、千波:小橋めぐみ、佳介:高橋 一生、
桑村:保坂 尚希。
共演、田口 浩正、西尾 まり、矢沢 心、中村 麻美
等々。
渡辺淳一の「失楽園」は、どうしようもなくお互いが惹かれ合っていく!そんな激しい愛が、しっかりと描かれていたが、今作は極々普通の不倫ドラマとして、それほど深く描かれていないので、ちょっとがっかりするかも。結末もあっさりしているし、私の年齢では「ごめんなさい」の作品でした。出演者の演技もそれほど関心はしなかったかな~。