女性の役者の皆様

        ごめんなさい

 

 今日は、電車に何回か乗りました。その車内で私には衝撃的な広告を見つけてしまいました。最初に乗った電車の他、乗る度にです。

 それは日経BPが出版している下北沢病院医師団が書かれた「足のトリセツ」という書籍です。別に本の内容について興味が有ったという事では無いのですが、その車内広告に書かれていたある表現が、私の心に突き刺さったのです。

 

 それは「俳優 竹下景子さん推薦」このキャッチに私は驚いてしまったのです。

 普通の方は何とも思わないでしょうが、私の職業的なところで言えば、「女優・竹下景子さん」ではなく、「俳優・竹下景子さん」という表現それも文字として。物凄いです

 

 私は芸能界の裏方としてもうだいぶ仕事をさせて頂いていますが、女性の役者さんたちを、文字面として俳優という言葉で書いたことが無く、女優という表現を使っていました。

 しかし、男性の役者を文字面で男優として事はめったにありません。男性の役者=俳優、女性の役者=女優、という表現で当たり前のように仕事をしてきました。男女差別ですよね。

 役者という仕事は、お芝居をするという事は、男女全く同じことで、男だ女だと、分けることは無い事なのです。役者は役者です。

 

 よく色々な事務所のHPで役者さんを探すときは、その事務所の男女の分け方表現として「アクトレス・アクター」で分けて有る事務所も有ります。

「男優・女優」で分けている事務所も有ります。その時に「優」の字ではなく「性」の字で分ける事が良いのかもしれません。

 俳優は英語で「アクター」です。これで行くと俳優は男だけの解釈になってしまいます。

 歌舞伎のもとと言われ、最初の役者といわれている「出雲の御国」は女性です。

 

 ちなみに男女とも「演者」という表現をされることが有りますが、正直この言葉は、役者さんにとっては失礼ではないかと思っています。演者ではお芝居だけでなく、演芸でも演者ですし、誰かに何かを見せている人は皆演者なのです。

 

 女性の役者の皆さん、いままでごめんなさい。

 今日の衝撃を心にとめ、これからは女性の役者さんでも全て俳優という中で、私の頭の中では整理しようと思います。

 今更何を言っているのだ、の世界ですが。

 

 今日1日家に帰るまで、その事ばかり頭の中を駆け巡っていた私でした。