○2月6日

 有名男優の作品5本です。好き嫌いが分かれる作品たちでしょうか。私は2対2 1本分け だったかな。

 

 1993年公開の「フィラデルフィア」を観た。監督はジョナサン・デミ

 一流法律事務所に勤務する弁護士ベケットは、自分がエイズに感染したことを知る。やがて会社はベケットに解雇を宣告。エイズ患者に対する不当な差別だとしてベケットは訴訟を決意し、以前は敵として法廷で闘ったことのある黒人の弁護士ミラーに弁護を依頼する。

 ミラーはベケットがエイズ患者であり、かつ同性愛者であることに偏見を抱き、一度は依頼を断るが、それでも偏見や蔑視と戦おうとするベケットの姿に心を打たれ、弁護を引き受けることに。しかし、裁判は日に日に衰弱していくベケットとその関係者にとって過酷なものになっていく……。

 

 主役のベケット役にトム・ハンクス、ミラー役にはデンゼル・ワシントン。二人の演技力は凄い。病が進行し、痩せ衰え衰弱していく主人公…真摯に生きるその姿が切ない。主演のトム・ハンクスは、演ずる事に対する凄みを感じた。トムはこの映画の為に撮影中も本当に痩せて行っていて、青白くか細くなっているのだが、その真に迫った迫力が圧巻。

 ミラーも誠実な弁護士として、信頼感が有る。ベケットの恋人役のアントニオ・バンデラスも優しい。

 その他、ジェイソン・ロバーズメアリー・スティーンバーゲンジョアン・ウッドワードロバート・キャッスルアン・ダウトリサ・サマーラーチャールズ・ネイビアロバータ・マクスウェルトレシー・コーマン 等々。

 

 ベケットを演じたトム・ハンクスが第66回アカデミー主演男優賞を受賞ブルース・スプリングスティーンの楽曲「ストリーツ・オブ・フィラデルフィア」が歌曲賞を受賞した。

 第44回ベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞)受賞。第51回ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)および歌曲賞受賞。

 

 この作品では、エイズだけではなく、社会進出をしている女性問題もテーマの中に入っている。

 ベケットを支える家族も良い。

 

 私の場合、このような作品だとちょっと構えて観てしまうのだが、この作品は、最後にはお決まりのように、心に感動だけが残ったような気がする。

 やはり、この手の作品には人間は弱いのだろう。名作だ。

 

 初めて観る人は、多少作品御内容を調べてから鑑賞した方が良いかもしれない。

 

 2016年公開のダン・ブラウン原作の世界的ヒット作「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続き、トム・ハンクスが三度、ハーバード大学教授の ロバート・ラングドンに扮したシリーズ第3弾「インフェルノ」を観た。監督はロン・ハワード。脚本も続けてデヴィッド・コープ

 

 ハーバード大学の宗教象徴学者ラングドン教授は、数日分の記憶を失った状態で、フィレンツェの病院で目を覚ます。

 そこで、謎の襲撃者に狙われたラングドンは、美しい女医シエナ・ブルックスに助けられて病院を脱出。何者かから追われる身となったラングドンとシエナは、生物学者ゾブリストが人類増加問題の解決策として恐ろしい伝染病を世界に広めようとしていることを知る。

 そして、ゾブリストが詩人ダンテの叙事詩「神曲」の「地獄篇」になぞらえて計画を実行していることに気づき、阻止するべく奔走するが……

 

 前2作も観ているのだが、今回の3作目は初めて観ることに。今迄は、謎解き映画としてファンを増やしてきたが、今回は謎解きよりどちらかといえば、すっかりアクション映画らしくなってしまったようだ。
 ダンテ叙事詩"神曲"地獄篇に隠された秘密、意味、人口を半減させる為にウイルスを作った誇大妄想的テロリストが、ウイルス拡散の皮切りとして選んだ場所はどこなのか?色々な宗教的な暗号をラングドン教授が解いていき、テロを阻止しようとする。ラングドン教授3度目の闘い。

 勿論ラングトン教授はトム・ハンクス。一緒に行動する女性医師シエナにフェリシティ・ジョーンズ

その他、オマール・シーベン・フォスターイルファーン・カーンシセ・バベット・クヌッセンアナ・ラウルアイダ・ダーヴィッシュジョン・ドナヒュー 等々。

 

 前2作を観ていなければ、トム・ハンクスの映画なので、それなりに十分楽しめると思うのだが、3作品を比べてみると、やはり、前の作品の方が良かったような気がする。

 反対の意見の方もいるとは思います。アクションが入った方が好きな方は、こちらの方が面倒くさくないだろう。

どちらの意見も正しいのでしょう。

 

 2001年公開の「キラー・エリート」を観た。監督は、ゲイリー・マッケンドリー

 元SAS(Special Air Service=英国陸軍特殊部隊)隊員で探検家のラナルフ・ファインズの、自身が暗殺されかけたエピソードを元にした冒険小説『The Feather Men』が原作。基本実話らしい。

 

 1981年。主人公ダニーは傭兵兼殺し屋であったが、仕事中のある出来事により嫌気が差し、足を洗って恋人と共に平和な暮らしをしていた。しかしある日、ダニーの元に彼の師匠であるハンターが人質にされているポラロイド写真が送りつけられる。

 ハンターは「オマーンの族長の息子たちを殺害した元SAS隊員3人を、事故に見せかけて暗殺する」という仕事を果たすことができず、逃げ出そうとしたところを捕まっていたのだった。

 ダニーも救出に失敗、ハンターの解放と多額の報酬とを引き換えに暗殺の代行を約束させられる。

 やむなくダニーはかつて組んでいたデイヴィスとマイアーと共に3人の捜索と暗殺に取り掛かるが、彼らの前にはSAS出身者たちが自分たちを過去の敵対者による報復攻撃から守るために結成した秘密結社「フェザーメン」から送り込まれたエージェント、スパイクが待ち構えていた。

 

 主演の3人は、ダニー役にジェイソン・ステイサム、ハンター役がロバート・デ・ニーロ、フェザーメンからの兵士スパイク役がクライヴ・オーウェンの3大スターの共演。デイヴィスがドミニク・バーセル、マイアーがエイデン・ヤング

 その他、イヴォンヌ・ストラホフスキーアドウェール・アキノ=アグエバニック・テイト 等々。

 

 イギリス特殊部隊SASと謎の殺し屋チームとの駆け引きが、激しい肉弾戦と共に行われる。本当に実話なのだろうか?

 

 どちらにしろ、カッコよく渋い男性たちの映画は、私の好物のジャンルの一つなので、十分楽しめた。

 

 2013年公開のSF映画「オブリビオン」を観た。監督はジョセフ・コジンスキー

 コシンスキーがアルヴィド・ネルソンと共同で執筆し、ラディカル・コミックスが編集した未発表の同名グラフィックイノベルを原作としている。

 

 西暦2077年。60年前に起きた異星人スカヴからの侵略を食い止めたものの、核兵器によって荒廃してしまった地球。人類の大半は、土星の衛星であるタイタンへの移住を余儀なくされていた。

 最後まで地球に残り高度1,000メートルの上空から地上を監視する役目を担って監視任務にヴィクトリア・オルセンと共にたった二人で就いていたジャック・ハーパーは、ある日、墜落した謎の宇宙船の中で眠っている美女を発見。彼女を保護したジャックだったが、目覚めた彼女は何故か会った事も無いジャックの名前を口にする。ジャックも断片的な記憶の中に彼女を見る。

 そこへ現れたビーチと名乗る男に捕らわれてしまう。ビーチはジャックに驚くべき真実を告げ、そのことからジャックと地球の運命が大きく動き始める。

 出演のジャックはトム・クルーズ、ビーチにモーガン・フリーマン、ヴィクトリアにアンドレア・ライスボロ

 その他の共演者がオルガ・キュリエンコメリッサ・レゾーイ・ベルニコラ・コスター=ワルドーアビゲイル・ロウ 等々。

 

 アメリカの宇宙物にありがちなストリート展開で、ファンには良いのだろうけど、それほど宇宙物が得意でない人には、ハラハラドキドキは少ないかもしれない。

 この作品にトム・クルーズが出演を決めた意味を知りたくなってしまった。折角築いてきた彼のイメージには合わないような……。

 

 2014年公開の宇宙系SF映画「インターステラー」を観た。監督はクリストファー・ノーラン。原作は、監督のオリジナル作品。

 世界的な飢饉や地球環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立っていく元エンジニアの男を中心に選ばれた者たちの物語。

 主役のジョセフに、アカデミー主演男優賞受賞経験のあるマシュー・マコノヒー。共演にアン・ハサウェイジェシカ・チャステインデヴィッド・ジャーシーマットデイモン、そしてマイケル・ケイン 等々。

 

 この作品は絶対に好き嫌いがハッキリ出てくるのではないだろうか。私は残念ながら、無理だった方の側。

 アメリカの宇宙物はパターンとしては王道だとは思うが、ついて行けなかった。

 ブルース・ウイリスの「アルマゲドン」は感動したのですが。マニアックすぎると、感動のポイントが見つけられない

 これも、年齢を重ねすぎてしまったからなのでしょうか。どうも宇宙物が「スタートレック」で停まっているようだ。

 文章の少なさが、私の印象なのだろう。