〇4月14日

 日本映画4本です。この内3本は初めて観た作品ですが、それなりに満足をしました。再鑑賞の1本は、最初に観た時は良かったと思ったのですが、今回は……。やはりその時の気持ちの問題か?

 

 

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 2013年公開の角川映画「フィギュアなあなた」を観た。

 監督は、「ヌードの夜」「花と蛇」石井 隆。彼自身の短編漫画「無口なあなた」を自ら脚本を書き映画化した。R18+指定作品。

 2013年のキネマ旬報ベストテン日本映画第11位

 

 リストラを宣告された孤独なフィギュア好きオタク青年・健太郎は、ヤケ酒の果てにケンカになったチンピラに追われ、迷い込んだ廃墟ビルで、マネキン人形が乱雑に捨てられていた一角に、セーラー服を着た少女の等身大フィギュアを発見する。すると、その美少女フィギュアが目を開けて動き出し、追ってきたヤクザを倒してしまい、健太郎の危機を救う。健太郎は彼女を自宅に連れ帰り、ココネと名づけて服を着せ、体を洗いセックスを続け奇妙な同居生活を始めるが……。徐々に人間に変化していくココネ。
 

 主人公の健太郎役に柄本 佑。人気グラビアアイドルの佐々木 心音がココネ役を演じ、オールヌードで体当たりの演技も披露している。

 共演は、竹中 直人風間 ルミ伊藤 洋三郎山口 祥行桜木 梨奈間宮 夕貴等々。1シーンしか登場しないが、バーのガラスカウンターで踊るダンサーで壇 蜜が出演している。

 

 お芝居が上手いのか、主人公と同化しているのか、柄本佑はなぜか憎めない感じになってしまっていた。

 私が主人公と同年代なら、もっと共感してしまったかもしれない。

 そういえば、「空気人間」と言いう作品も同じような感覚ではなかったか……。

 

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 2021年キングレコード配給の「アララト」を観た。

 監督は越川 道夫。彼の、すれ違い、惹かれあう男女の姿を描いた「誰でもない恋人たちの風景」シリーズ第3弾

 左半身に麻痺を抱える画家の夫スギちゃんと生活するためファミレスでの深夜勤務で生活を支える妻サキの揺れ動く恋心を描いた作品。

 

 スギちゃんは、数年前に倒れて左半身が動かなくなり、今ではすっかり絵を描かなくなってしまっていた。そんなスギちゃんがある日、サキのヌードを描きたいと言った。深夜のファミレスで働き生活を支えながら、スギちゃんにまた絵を描いてほしいと思っていたサキは心から喜ぶが、サキに依存しなければ生きられないことにスギちゃんは、いら立ちを感じていた。

 すれ違うふたりの身体と心。ふたりの間に大きな亀裂が生まれた日、サキはファミレスの同僚ユキオと結ばれる。そして……。

 

 主人公のサキ役を「私の奴隷になりなさい第2章ご主人様と呼ばせてください」行平 あい佳、スギちゃん役を自身も左半身に麻痺を抱えながら舞台などで俳優として活動する萩田 忠利

 共演は、サキに思いを寄せるユキオを新進気鋭の落語家、春風亭 㐂いちが演じるほか、個性派バイプレイヤーの後藤 ユウミ鈴木 晋介、ムーンライダーズの鈴木 博文 等々。

 

 この作品、観だした時にはさして興味を持たなかったが、なんとなく進んでいく中で、どんどん作品の世界観に引き込まれていくような感じがした。

 結局観終わった後には、サキとシゲちゃんの両方の気持ちが分かったような気になり、良い映画だったと思っている自分がいた。

 とっても不思議な作品。

 

 しかし、キングレコードはVシネ系もそうだが、大作映画ではない、良作作品を製作・配給していると思う。

 

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 2020年公開の「実りゆく」を観た。

 若手のお笑い芸人をモデルにした作品。監督は八木 順一朗

 2018年に八木が製作した映像作品「実りゆく長野」が、映画や番組制作会社“オフィスクレッシェンド”主催の“第3回MI-CAN 未完成映画予告編大賞”で、堤幸彦賞を受賞。このことにより、本編製作を望まれ実現した作品。

 

 物語は、長野のりんご農家の跡取り息子・実は、父親と2人で農園を切り盛りしながら週末になると東京へ出向き、お笑いライブに出演していた。そんな彼には、母親が他界してから笑わなくなった父親を笑顔にしたいという強烈な思いがあった。夢を実らせるべく、人生をかけたステージに臨む実だったが……。

 

 主演の実役には、お笑いコンビ・まんじゅう大帝国の竹内 一希。実は監督の八木は、まんじゅう大帝国が所属するタイタンのマネージャー

 主人公のモデルとなっているのはタイタン所属のお笑い芸人・松尾アトム前派出所で、本作では出演はしなかったものの、裏方として製作をサポートした。

 また、松尾の妻の中野 聡子(日本エレキテル連合)はスナックのママ役として本作に出演している。

 その他に実の父に田中 要次。村の長老に山本 學、実の相方は田中 永真(まんじゅう大帝国)橋本 小雪(日本エレキテル連合)小野 真弓三浦 貴大鉢嶺 杏奈、その他ライブ場面ではタイタンの所属芸人が多数。ご本人役として、島田 秀平爆笑問題(太田 光、田中 裕二)も。

 

 物語の展開とか、全て想像通りになっていくのだが、長野県の素敵な風景も相まって、なんとなく引き込まれていくような。

 私も、頑張っても売れない若手芸人を今迄に何組も見てきている。お笑いライブも主催していた時代も有った。

 たまにはこんな映画を、お酒を友としてではない感覚で観るのも、心が洗われて行くような気になってしまった。

 

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 2009年公開の「重力ピエロ」を観た。

 原作は、伊坂 幸太郎第129回直木賞候補作品第57回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補作品第1回本屋大賞ノミネート作品2004年版このミステリーがすごい!第3位。監督は森 淳一

 

 大学で遺伝子の研究をする兄の泉水と落書き消しで自分がピカソの生まれ変わりだと思っている弟の春、今は養蜂を営む父と亡くなった母。彼らの住む仙台で連続放火事件が発生。
 春は自分の消す落書き
〈グラフィティアート〉の近くで放火事件が起きている規則性に気づく。
 そして、そこに書かれた文字の頭文字はDNAの配列だと泉水は見抜く。何気ないその放火事件の真相を追っていくと家族の悲しい過去にたどり着いてしまった。

 

 主演は、兄の泉水に加瀬 亮、弟の春に岡田 将生

共演は、小日向 文世鈴木 京香岡田 義徳渡部 篤郎吉高 由里子 等々。そして子供時代の春役を北村 匠海が。

 

 原作は読んではいないのだが、作品はさらっと流して観てしまったような気がする。ストカー役の吉高由里子が印象的だったか。お芝居上手い方が沢山出演しているのに……。

 10年位前に一度観ていて、その時は合格点だったはずなのに、たぶん、私の観方やモロモロが悪かったのかもしれない。と思うようにする。唯、本当に気に入ると、原作有の作品は原作を読むのだが、この作品は原作を読んではいない。何故だったんだろう?

 

 やはり映画は、鑑賞する時の気持ちや体調、時間等々、色々な要素が絡み合うものだと改めて思った。