第2章 ガイ  5話 | 蜜柑のブログ

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私が密かにハマってるアプリのまとめ。

自分が選択したそのままを載せてるので

ご了承ください。

(あとで確認次第、修正する予定です)

 ※申請した後にメッセ
 送ってもらってもOKです。

無言申請は無効になります。

街まで戻ると、すぐに馬車を呼んだ。

ガイ「すぐに首都へ向かう」

ロロ「少しだけ時間をもらえますか」

「事業の引継ぎをしておきたいんです」

ガイ「・・・ああ」

意味深な間を作り、ガイさんはうなずく。

ガイ「ここで待つ。すぐに準備しろ」

ロロ「はい」

ロロさんは踵を返すと、屋敷へと

足早に向かっていく。

悠里「・・・急がなきゃダメなんですか?」

ガイ「早ければ早い方がいい」

「それより・・・」

クイッとガイさんに腰を引き寄せられたかと

思うと、至近距離で視線が絡む。

ガイ「・・・・・」

悠里「な、何を・・・」

充電だそうです。
いやたぶん大丈夫かどうか確認してる。


ガイ「確認だ」

しかし腰を抱くんだ。へえ。

(確認・・・?)

ガイ「・・・・完全に魔力は安定したようだな」

悠里「あっ」

(ほんとだ、抱きしめられているのに
 ガイさんからオーラが出てない)

ガイ「さすがに、口づけはできないが・・・」

ロロが来るよ。

悠里「くっ、口づけ?!」

ガイ「この分なら王宮でも大丈夫だろう」

悠里「・・・もしかして、王宮に行くから
   心配してくれたんですか?」

ガイ「・・・ああ」

不機嫌に答えながらガイさんは

抱きしめていた腕をほどく。

「コルド島に戻るのは、もう少し先になる」

「言ったことは覚えているな」

悠里「目立たないように、ですよね」

ガイ「ああ」

ガイさんは面倒そうに顔をしかめている。

(早くコルド島に戻りたかったのかな)

多分いちゃつきたいんだよ。

予定が狂ったのは、ロロさんが

古代魔法を使ったからだ。

「王宮での振る舞いには気をつけろ」

「不必要に動くな。口にするものは
 すべて疑え。不用意に相手を信じるな」

今から王宮に行くんですよね?
そんな物騒なの?


「以上だ」

(以上って・・・)

(なんだか、王宮に戻ることになってから
 すごくピリピリしてる)

苛立ちを隠さず、ガイさんは

視線を和らげることもない。

ロロさんがいてもいなくても

空気の重さはひどくなる一方だった。

悠里「ロロさんが古代魔法を使ったことって
   やっぱり相当重大なことなんですか?」

ガイ「・・・騒ぎになるだろうな」





・・・・・





「・・・騒ぎになるだろうな」

すると、そこにロロさんが戻って来た。

ロロ「すみません、お待たせしました」

「いつまでになるかわからないので
 心配ですが・・これも仕方のないこと
 ですよね」

ロロさんは屋敷を振り返ってから

馬車へと乗り込んだ。






ロロ「・・・・・」

ガイ「・・・・・」




(・・・この沈黙、王宮に着くまで
 ずっと続くのかな)

えっと音楽でも聴く?それとも映画でも。

悠里「ガイさん、王宮にはいつ頃
   着くんでしょうか」

ガイ「・・・夜には着く」

「・・・・・・」

悠里「・・・・・」

会話終了。

会話は続かず、ごまかすように

窓の外に視線を移す。

すると、ロロさんは小さく息をついた。

ロロ「王宮に行くのは久しぶりで緊張します」

「仕事で首都には行っていましたが
 王宮はいつぶりだろう」

「住んでいたこともあったのにおかしなものですね」

(住んでいた?王宮に?)

ガイ「古い話だ」

ロロ「ええ・・・、ずいぶん変わったんでしょうね」

ガイ「変わらないことも多い」

ロロ「そうなんですか」

ガイ「・・・・・」

悪しき風習とか?

視線を合わせずに交わす会話は

かなり不自然だ。

しばらくすると、ガイさんは

腕を組んだまま、目を閉じてしまった。




(寝てはいないと思うけど・・・
 話しかけるなってことだよね)

(それならロロさんと話してみようかな)

悠里「・・・あの、ロロさんは王宮で
   暮らしていたことがあったんですか?」

ロロ「はい。昔のことですが・・・」

(昔、か・・・)

(何かありそうだとは思ったけど
 これはかなりワケありなのかも)

元々は王宮に住んでいた。

それがどうして地方の領主になっているのか。

聞きたいことはたくさんあった。

(でも、深くは聞かないほうが
 よさそうだよね)

ロロ「そういえば・・・」

ふいにロロさんが話題を変える。




・・・・




ふいにロロさんが話題を変える。

ロロ「悠里さんのことを巻き込んで
   しまってすみません」

「まさか俺が古代魔法に目覚めてしまう
 なんて・・・」

「予定が狂ってしまって迷惑でしたよね」

悠里「いえ!巻き込んだのはどちらかと
   いえば、私たちの方なので」

「無理を言って遺跡を案内してもらった
 ばかりに、こんなことに・・・」

「それに、落石や魔獣から助けてもらって
 ・・・ロロさんには感謝しかありません」

ペコリと頭を下げると、ロロさんが

慌てだした。

ロロ「あっ!そうでした」

「落石の時は、とっさに命令するような形に
 なってしまい、すみませんでした」

「怖がらせてしまいましたね」

申し訳なさそうにするロロさんに

私は――



選択)

1ガイさんで慣れてますから

2とんでもない!→下記

3 少しだけ?→下記



1は恋人だとバレそうだな。
これでいくか。








「とんでもない!」

「むしろおかげで無事だったので感謝してます」

ロロさんが古代魔法を使ってくれなかったら

私は大きな岩の下敷きになっていたかもしれない。

「あらためてお礼を言わせてください」

「本当にありがとうございました」

「あと、口調のことも気にしないでください」

ロロ「そんな・・・でも、そう言っていただけて
   安心しました」

(口調のことまで気にしてくれるなんて
 本当に優しい人だな)

(それに、ロロさんに命令されても
 少しも怖くなかった)

悠里「・・・あの」

「ロロさんが良ければ、もっと気楽に
 話してもらえませんか?」

ロロ「気楽に、ですか?」

ガイが聞いてるぞ。





2の回答→ハ+5ス+5

3の回答→ハ+1ス+5



・・・・・



「気楽に、ですか?」

悠里「はい、敬語もなしにして。普通に
   話してもらえたらいいなって」

ロロ「ですが・・・ガイ様のお連れの方に
   そんな・・・」

戸惑うロロさんに、私は少しだけ

意地悪な気持ちになる。

悠里「私は『ただの受け持ち授業の生徒』ですから」

ロロ「あ・・・」

ロロさんも思い出したのか、ガイさんを

ちらっと見てからうかがうように声を潜めた。

あれ、気づいてる?

ロロ「本当にいいんですか?」

食いついてきた?

悠里「はい、私がそうしてほしいんです」

(ガイさんは、こんなこといちいち
 気にしたりしないから)

話を聞いているのかいないのか

ガイさんは腕を組んだまま動かない。

悠里「・・・・ダメでしょうか?」

ロロ「・・・いえ、うれしいです」

「じゃあ・・・これからはそうさせて
 もらおうかな」

さあ、ライバル出現。

口調をやわらげたロロさんと

視線がぶつかる。

はにかむように微笑むロロさんに

私も微笑み返した。





王宮に到着すると、急な王子の帰還にも

関わらず使用人たちは並んで出迎えてくれた。

(ここがモーナス国の王宮・・・)

そのあとすぐに執事らしき使用人が

駆け寄って来た。

執事長「ガイ王子、どちらに」

ガイ「国王に拝謁(はいえつ)したい。先触れを」

執事長「はっ、すぐに手配します」

ガイさんに頭を下げ、兵や使用人たちが

離れていく。

(すごく場違いな気が・・・)

ロロ「・・・・・」

ロロさんを見れば、堂々とガイさんの

後ろを歩いている。

(さすが、住んでいたことのある人は違う)

(それにしても、ここがガイさんの
 実家ってことだよね?)

想像以上の広さや煌びやかさに

冷汗がにじむ。

ガイ「・・・・・・」

(今、やっと身分違いって意味を
 理解したかも・・・)

いたたまれなさに、小さくなって

歩いていた時だった。

さっきの使用人が、ガイさんに

駆け寄って来る。

執事長「陛下が謁見の間でお待ちです」

ガイ「わかった」

「ロロ、悠里、ついてこい」

ガイさんは少しだけ振り返って言うと

颯爽と歩を進める。

私は気持ちを引き締め、後を追いかけた。




・・・・・




広く、冷たい部屋の奥。

モーナス国王は、玉座という名に

ぴったりな豪奢な椅子に深く座っていた。




ルフ「何用だ」

え、これがお父さん?若くね?







(この人がモーナス国王・・・)

ガイさんは国王の前に出ると頭を下げる。

ガイ「急なお目通り、感謝いたします」

「実は、ご報告があり急ぎ参りました」

ルフ「そうか」

「ん?そこにいるのは・・・ロロか?」

ロロ「お久しぶりでございます、陛下」

ルフ「・・・ああ」

(迫力がすごい)

(ガイさんも怖いけど、それ以上だ)

さすが国王陛下と言わんばかりの

威圧感に、押しつぶされそうだ。

ルフ「他にも脆弱(ぜいじゃく)そうな
   兎が混ざっているようだが・・・」

あ、私ですか。

「お前の恋人だとでも言いだすつもりか?」

そんな滅相もない。

ガイ「いえ、受け持ち授業の生徒です」

馬車の中で言ったことそのまま使ってるわ。

「魔力に異変があり、学院長の勧めで
 モーナス国へ連れてきただけのこと」

「それとは別に・・・」

ガイさんはクェンデでのことを簡単に

説明した後、前に立つようにロロさんを

呼び寄せた。

「ロロが古代魔法に目覚めました」

ルフ「なに・・・・?」

ガイ「突然のことで驚きましたが
   他国に知られれば騒ぎになります」

「取り急ぎ、こちらに連れてきました」

ルフ「・・・・・・」

ルフ国王は顔をしかめ、肘をつく。

「間違いないのか?」

ガイ「はい」

ルフ「・・・ならば、やるべきことは
   決まっている」

「しばらくモーナスからの出国を制限し 
 各地の行き来も監視を強化する」

「通達を急げ」

「以上だ」

ガタンと音を立て、ルフ国王が

立ち上がる。

身をひるがえすと、その後ろの護衛や

従者が追いかけていった。

悠里「えっ、と・・・出国を制限って・・・」

ガイ「しばらく動くなということだ」

(それってつまり・・・)

ロロ「落ち着くまで、王宮内でおとなしく
   しているしかないね」

(コルド島には戻れないってこと?!)

わかっていたのか、ガイさんも

ロロさんも慌てることなく

落ち着いている。

私だけが、事の重大さに

呆然としていた。