眠らぬ街のシンデレラ 廣瀬遼一編 ② | 蜜柑のブログ

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私が密かにハマってるアプリのまとめ。

自分が選択したそのままを載せてるので

ご了承ください。

(あとで確認次第、修正する予定です)

 ※申請した後にメッセ
 送ってもらってもOKです。

無言申請は無効になります。

ゆづき「結婚なんて一生しねーとか
    言ってたくせにな」

千早「だけど嬉しいよ」

「その価値観を悠里さんが
 変えてくれたんだから」

「悠里さん、遼一をよろしくね」

悠里「はい。もちろんです」

未来「悠里ちゃん、ちゃんと遼くんに
   気持ち伝えてもらってる?」

それを気にする未来もいいダンナに
なりそうやな。


「遼くん、あんまり好きとか言葉に
 出して言わないから」

遼一「そういうのは人前で言うもんじゃ
   ないでしょ」

ゆづき「なら、ふたりきりのときは
    言ってんのかよ?」

遼一「さあ?どうですか、奥さん」

悠里「えっと・・・」

(確かに家だとたまに言ってくれるし
 ・・・本当にたまにだけど)

それ言うのか言わないのか。

(でもそれ以上に、言葉にしなくても
 ちゃんと・・・)

遼一「ベッドでこれでもかってくらい
   気持ちは伝えてるよな?」

爆弾ぶちこみやがった。

悠里「!!!」

遼一「おや?何思い出したんだよ」

悠里「も、もう・・・!変なこと
   言わないでください!」

今の自分の考えと遼一さんの言葉が

重なり、妙に恥ずかしくなる。

未来「も~、夫婦になっても見せつける
   つもりだよね」

皐月「遼一、式のことで何か手伝えるなら
   いつでも言ってくれ」

遼一「サンキュ。そのときは相談させて
   もらうわ」

みんなに温かく見送られながら

遼一さんとともにサンドリオンを

あとにした。






その夜。

悠里「ぁっ・・・!」

遼一「ん?」

悠里「待っ・・・ぁ、んっ・・・――」

遼一「いい声だねえ」

サンドリオンから帰ってくると

そのままベッドになだれ込み――






・・・・





「は、ぁっ・・・遼一、さぁっ・・・」

遼一「ん・・・ああ、ここか」

「声に艶が乗った。お前、ここ好きだよな」

悠里「そん、なにっ・・・しない、で・・・っ」

「動かしちゃ、ダメ・・・です・・・!」

今夜の遼一さんは、いつも以上に

意地悪だ。

ゆるやかな快感はくれるのに

決定的な刺激はいつまで経っても

訪れない。

悠里「ん、っ・・・さっき、ベッドの上では   
   気持ちを伝えてくれる、って・・・!」

遼一「言ってほしいわけ?」

悠里「ぁっ―――」

突然、一番弱いところを浅く擦られた。

待ち望んでいた快感に腰が震え

遼一さんは満足げにそんな私を

見下ろしている。

遼一「ほしいなら、お前からキスしてごらん」

悠里「っ・・・もうっ・・・」

衝動的に遼一さんの首に腕を回し

唇を合わせる。

一瞬驚いたような反応を見せた

遼一さんは、

そのまま私を抱きしめ自身の熱で

貫いた。「ぁあっ・・・――」



遼一「ほんと・・・俺を翻弄する
   唯一の女だわ、お前は」

悠里「待っ・・・あぁっ」

片脚を抱えられ、急激に激しい刺激を

送り込まれる。

奥の奥に遼一さんを感じながら

苛め抜かれる夜は過ぎていった――






それから数週間後の休日。

遼一さんは珍しく

のんびりとリビングのノートパソコンで

仕事をしていた。

悠里「いいんですか?書斎じゃなくて」

遼一「コラムとか短編の小説は、そこまで
   缶詰にならなくても書けるからな」

「少しでも長く奥さんのそばに
 いたいでしょ」

なんだよ、溺愛してるじゃん。

悠里「・・・!」

(・・・絶対からかわれてる!)

(なのに・・・嬉しい!)





・・・・・





二ヤケながら昼食を作り終えたとき、

インターホンが鳴った。

ドアを開けると、黒神さんがファイルを

持って入って来た。

黒神「お休みの日にごめんなさいね」

悠里「いえ。よかったら黒神さんも
   お昼食べていきませんか?」

「ちょと多めに作ったんです」

黒神「ありがとう。じゃあ
   いただこうかしら」

遼一「編集部が休みの日くらい、お前も
   ちゃんと休みなさいよ」

黒神「だって、いても立っても
   いられなかったんだもの」

「どうせ今日だって、休日出勤してたし」

悠里「お疲れ様です・・・」

「でも、いても経ってもいられなかったって?」

黒神「実はね、南原剛監督の事務所から
   遼一に直々に依頼が来たのよ」

「次の脚本は、ぜひ遼一にお願いしたいって」

遼一「南原剛・・・」

(って、あの巨匠の・・・?!)

(遼一さんを名指しで指名してくる
 なんて・・・すごい!)

黒神「ただね、今まであなたが書いてきた
   ものとジャンルが違うの」

「今回はサスペンス・・・愛や犯罪、
 それに政治が絡む話よ」

遼一「・・・・・」

政治、と聞いた瞬間、遼一さんの

表情が曇った。

黒神さんも、それは予想済みだった

らしい。

黒神「あなたの気持ちもわかるわ。
   でも受け入れてみるのも
   いいんじゃない?」

「別に、お父さんが関係する話でも
 ないんだし」

遼一「・・・・・」

黒神「ねえ。小泉雄大がまた台頭して
   きたわよ」

まるで発破をかけうように、黒神さんが
静かに告げる。

遼一「ああ、『書店員が勧める本』の
   3位に入ってたな」

黒神「ええ。彼は彼で、過去と戦いながら
   新しいジャンルに挑戦してるみたい」






・・・・・







「彼は彼で過去と戦いながら
 新しいジャンルに挑戦してるみたい」

「あなたもそろそろ・・・」

遼一「そうねえ・・・」

(遼一さん、どうするんだろう・・・?)

(黒神さんが言うように)

(新しいジャンルに挑戦するのもきっと
 楽しいと思うけど)

『シンデレラ』から別部署に異動したいと

密かに願う自分と、つい重ねてしまう。

今の環境も好きだけど、でももっと

別のことにもチャレンジしてみたい。

(小泉先生は・・・『今の環境が好き』
 だったわけじゃないだろうけど)

(でも、ちゃんと前に進んでる。
 それはわかる)

遼一「とりあえず、断っといてくれる?」

黒神「え・・・・」

悠里「遼一さん・・・!」

遼一「別に今の仕事だけでも生活には
   困らないし」

「無理に受けることはないでしょ。
 スケジュールも厳しくなるしな」

「それに正直、今新しい仕事を入れると
 いろいろと厳しい」

黒神「どうして?」

遼一「挙式が後ろ倒しになるのはなぁ」

悠里「!」

黒神「挙式って・・・え?!、じゃあ・・・」

遼一「そ。ついにこいつが本物の嫁に
   なるわけよ」

こいつって。

黒神「おめでとう!ふたりとも・・・
   よかった!」

「自分のことのように嬉しいわ」

悠里「ありがとうございます」

「でも遼一さん、それと仕事は別です」

「もしやりたいなら、挙式は
 遅らせても」

遼一「やりたいならスケジュールを
   調整してでもやる」

「今はそこまでの気持ちになれないだけ」

黒神「あなたがそういうなら・・・
   仕方ないわね」

「監督には、断りの連絡をしておくわ」

遼一「悪いな」

その後、結婚を喜んでくれる黒神さんと

3人で昼食を食べ・・・

でも私は、なんとなく遼一さんの

言葉が気になって仕方なかった。

(今の仕事だけでも生活には困らない
 ・・・確かにそうだけど)

一生のうちで1回くらいは言ってみたいわ。
そのセリフ。


(遼一さんは、新しい可能性を試して
 みたいとあ思わないのかな・・・?)

でも、価値観は人それぞれだ。

そう自分を納得させ、黒神さんと式場や

ドレスの話に花を咲かせた。