今はもう消えてしまった愛の残滓を辿る旅。
確かにあったはずの運命を、記憶を失った主人公が、誰もいない田舎の村で、1つずつ拾い集めていく。
より良い結果になるよう祈りを込めて……
そんなゲームでした。
一人称でワールドは狭め。
ウォーキングシミュレーターであり、どちらかといえばノベルゲームに近いイメージ。
ストーリーモードとフリーモードの2種類あり、ストーリーは2時間程度のボリュームで、フリーモードでは舞台を自由に散策でき、各所に散らばったミニコラムが読める。
なぜかフリーモードが1番上に来るけど、ストーリーから始めてどうぞ。
以下感想
ストーリーは良い、四ツ目神とか好き?わたしも好き。
叙述的な独白文も全然気にならない。
散らばったお話が一つにまとまっていくような、謎がゆっくり解けていく感じも好き。
田舎の夏って感じのサウンドも良い、セミと雨の音がいつのまにか入れ替わってるの好きだった。
夏霧という土地の名前通り、霧が出るとたまに風景よくわからんくなるし光ってるところ見えづらくなるけど雰囲気はある。良い。
基本的に光り輝く「マーカー」のようなものに従って村を歩いていくんだけど、これがたまにどこにあるかわかんなくなる。
アイテムも記憶も独白のタイミングも全部この「マーカー」だから、その辺は少し味気なかったかな。
ウォーキングシミュレーターならアイテムとかは目に見えて欲しいし、人の記憶なら人影があって欲しいところではある。
個人制作ゲームだと難しいんだけれども……
(それはそれとして、手や自分の影もなくて窓に近づいても何も映り込まないタイプのウォーキングシミュレーター、ストーリーに関わらずたまにめちゃくちゃ怖くなるんだけどこれは私だけか…?)
チャプターは7つほどあるけど、チャプター選択は特にない!!
まあ2時間程度だしなくてもいいと思うよ。
間違って飛ばしちゃった話はマウスのホイールで戻れるよ。
あとはフリーモードのコラム全部見た実績が欲しいな。全部見たかわかんないから。
ここから完全にネタバレをするんだけど、夏霧の土地に玲姫が囚われてるのがなんでかわからん、有里達と一緒に灯籠流しちゃったからか?
まあ普通に愛の力でついてきたのか?
呪いは魂に結びついてるもので夏霧の土地はあんまり関係ないのでは?
「神隠し」は夏霧の土地もとい2匹の猫の力なんだろうけど、伝説が残るくらい昔から人の存在そのものを気まぐれで「隠し」てきたってこと?
いやそもそも夏霧に入植したのが有里達なんよな
古墳が作られた大昔は知らんけど……
玲子の墓参りて玲子いつ死んだねん
神隠しにあったんとちゃうんか、神隠しにあったから墓作られたんか、そっちっぽいな
夏霧は善意(?)でそういう「歪み」みたいなのの是正のために神隠しをし、玲子はそれに従って有里達に生きていて欲しいがために自分の存在を消した、代わりに有里達は虚無の人生を過ごした。で良い?
正樹は地元の良い家の子って言ってたけど、なんで有里達の家没落してんねん、誰やねん正樹の家
ってここまで書いてて思いついたけど、あの勾玉がイコール玲姫の魂イコール玲子なのか、形見みたいなものだもんな、そりゃあ玲姫、夏霧の土地にいるわ。
昔の有里達はあの時点で死ぬ運命にあったところを超常の力で歪ませられ、玲姫を失った上、末代まで呪われ、失うことを運命づけられた。
今の有里達も、早死にする運命にあったところ、夏霧の土地の力を借りた玲子が運命を歪めた結果、玲子は消滅して長生きはしたが虚無の人生を歩んだ。
起こっていることは多分今も昔も一緒で、より良い結果になるようにと玲子は祈っていたけど、結局2匹の猫の言うとおり「大極は変わらない」。
有里達にとってどちらが良かったんだろうね
という結論だと私は感じました。
呪いの解釈は少し斬新だし、神道ベースで良い神と悪い神の区別って結局ほとんどないんじゃないの、みたいなのは好きです。
ほら、列車も廻っている。運命の円環も廻る。