和名『オブラ・ディン号の帰還』
4年間行方不明だった船。一体過去に何があったのか?
まあこの流れならやるでしょ、というレベルの名作。
まず昔ながらのカセットゲームみたいな絵柄でフル3Dなんだよ、それで一人称自由探索型・推理ゲーム……!!
最高か?
最高なんだよこれが。
インディーならではの作りこみにただただ圧倒されます。
Papers, Pleaseと同じところのゲームです。それだけで良ゲーと分かりますね。
私は何も見ずに8時間30分ぐらいでした。
全ての情報が出そろうのに2時間ちょいぐらいだから、残りの時間はずっと推理してた……
ホラー要素はないけどクトゥルフ要素はある。
何をするのかというと、乗員乗客計60名の安否確認。
手がかりは、あらかじめ描かれていた肖像画と、死体から呼び起こされる「死亡時の瞬間の記憶」のみ。
死亡時の瞬間の静止した時間の中を探索することができ、その時にされていた会話を聞くことができる。情報源はこれだけ。
その中から抽出する情報で、死んでるなら死因(他殺なら加害者も)、生きてるならどの地で生きているのかまですべて推理しなくちゃいけない。
しかも、すべての情報が出そろった段階でも、会話中に出てくる人名はわずか15人程度。
その15人だって、誰が誰を指して名を呼んだのか、動画じゃないから推理が必要。
残りは立場や服装、人種、言語で一人ずつ推理するしかない。敬語の有無で上下関係見分けたりね。
逆に言えばこれだけの情報で、他殺の場合の加害者がしっかり1人に絞れる構成なのがすげーなあと思いました。
敬語と言いましたが、ローカライズは完璧です。
推理するには充分。英語は聞き取れないけど敬語とかどうなってるんだろうね。sir!とか言ってんのかな。
まぁ最終的には総当たり&あてずっぽうを使わざるをえなくなるんだけど、どの人物も3人くらいまでは候補が絞れるから総当たりもそこまで苦じゃない。
謎解きとしては極上の部類に入るね……
開示される情報のバランスが最高なんですよ本当に!!
洞察力を使う!!空気を読む!!
なのにストーリーに無理がなく、推理で詰みづらい!!
ちなみに実績解除をはじめから念頭に置くのであれば、すべての情報が出そろうまで、誰の安否情報も確定させないのが吉です。
そこまでしてしまえばセーブデータはコピーもできるし、エンディングまで進めてしまってもまた探索に戻れるのでね。
これはさすがの良ゲーでした!
ミステリ好きとしては文句なしなしのなしです