私は気の強そうな顔のうえに華奢でもないのだが、病弱で非力なので恥ずかしい。
けれども非力なことに関して、瓶やペットボトルを開ける際はゴムを使えば良いし、荷物は少なくすれば良いのでそんなに困っていなかった。
重いものを運ぶ時は、てこの原理や台車を使えば良いしね。
しかし!トロンボーンはものすごく重い!
しかも左手で持って、右手はスライド操作なので右利きの私にはかなり厳しい。
レッスンはとても楽しく、次のレッスンが待ち遠しいのだが、1時間のレッスンの終わりの方は手が痺れてトロンボーンを左手だけで構えられなくなってしまった。
一時間ずっと構え続けているわけでもないのに…。
ライブをするという目標に対してこれでは全然駄目である。
肺活量問題を心配していたが、それよりも握力が圧倒的に足りない。
早速握力を鍛える道具を百均で調達。
体を自主的に鍛えた経験がないので、それをやってる自分に笑ってしまう。
オリビアニュートンジョンのフィジカルを聴きながらやると、ますます楽しい。
私はお金を稼ぐ才能には恵まれなかったし、不器用で落ち込みやすい性質だが、メタ認知能力と独りで楽しむ才能には恵まれたのだと思う。
フィジカルはスパンクハッピーのカバーも素晴らしい。
夜の高速道路という感じがする。
私は私のことが大好きで、楽しい気分にする方法も掌握した。と思いたいな。
生きていると悲しいことはすぐに降りかかってきて、もう駄目だと諦めたくなってしまう。
そんな思いは何度も経験して、でもそれでも私は生きている。
悲しみや苦しみと対峙した時、色んなものを頼って乗り越えてきた。
その中でも素敵な曲を聴くということが一番多かったと思う。
聴くのではなく演奏となるとピアノは好きだったが、姉が習っていたから私も習うという強い意思を持って弾いているものでもなかった。
でもトロンボーンはずっと憧れで、ようやく自分の意思で始めたという気持ちが強い。
トロンボーンのことを考えると、さまざまな悲しいことが帳消しになって「上手になるまで死なない。そして上手には限界がない」というこれ以上ないくらい前向きな気持ちになる。
いっしょにバンドをする友達やトロンボーンの先生は、私がここまで救われているとは思っていないだろう。
生きてて本当に良かったと最近思うよ。