枝垂桜

 

樹齢の長い木

 

大きな 大きな 紅枝垂

 

花を降らす

 

美しさに

 

時がとまる

 

 

空を見る

 

美しい花の向こうに広がる空

 

殺戮と破壊と災害

涙が見える

 

 

花が降るから

うれしい

 

空の向こうの惨状が

悲しい

 

想いを馳せると

寂しくなった

 

 

 

目の前の小さな世界は

知っていたはずの

きれいごとで終われない世界

 

理想と現実は かけ離れ

本音と建前が 当たり前に共存している

 

その皺寄せは いつも弱者に

 

 それを世の中のせいにだけするわけにはいかない

それを変えられない私自身の責任でもある

 

誠意を尽くして話したからといって

わかってもらえるほどやさしくはない世界に

心が折れかかっても

声の力を信じて歩く

 

逃げずに

歩く

 

 

 

目をつぶってしまいたいと思う醜い争いも

 

見ていたいと思う美しいものも

 

どちらも在る

 

 

想うのは

 

ひとのこころの奥に棲まうあたたかいもの

 

ひとは それを

 

 

と呼ぶ

 

 

毎日

 

想う