和の会能楽師インタビューPart2. Vol.2 宝生流シテ方 辰巳大二郎さん | 和の会 BLOG

和の会能楽師インタビューPart2. Vol.2 宝生流シテ方 辰巳大二郎さん

好評につき第2弾! 能にかける思いから、舞台裏やプライベ ートの話まで。
宝生流期待の若手能楽師5人の生の声を 週替わりでお届けします。

Vol.2宝生流シテ方 辰巳大二郎さん  


Q1、能楽師になったきっかけを教えてください。

実は自分の道はこれだ、と思うようになったのはわりと最近のことなんです。
親が能楽師でしたので、子供の頃はお能ごっこをして遊んでいるくらいで、舞台に立つのは当たり前のことのように思っていました。
しかし中学生に上がる頃になると、将来の道が決まっているのが嫌になり、窮屈に感じ始めたんです。
それからは能の稽古を続けつつもダンスを始めてみたり、演劇に興味を持ったり、とにかく他のことをやってみたくなりました。同時期に声変わりで舞台に立つ機会が少なくなって、続けなくてもいいのかもしれないと思ったりもしました。

それが中学2年の時に祖父である辰巳孝に稽古をしてもらえるようになって意識が変わりました。
稽古は厳しかったですが、単純におじいちゃんに可愛がってもらえたのが嬉しかったのかもしれません。
高校に入ってからは大阪能楽養成会でも学ぶようになり、学校、養成会、祖父の稽古と忙しかったですが、苦にはならなくなってきました。たまにサボったりはしましたけど(笑)


芸大に行くつもりだった僕に叔父の満次郎が「東京行っても遊ぶだけだろ」と言い、そのまま養成会で学び続けることになりました(笑)
そのぶん高校を出てからはバイトも経験出来て楽しかったです。飲み屋にガソリンスタンドに引っ越し屋に、いろいろ大変な経験をする中で好きな仕事につけるのはすごく幸せなことなんだと気づかされました。
そういった体験を経て、現家元の最初の内弟子になりようやくこの道で生きていく本当の決意が出来た気がします。

Q2、休日はどのように過ごしていますか?

単発の休みは謡いを覚えたり、能に関することをしていることが多いです。あとはサウナが好きなので、水風呂にダイブしたりしてます(笑)

この間のまとまった休みは内弟子の後輩の田崎はじめ君と尾瀬に行きました。尾瀬に行く以外ノープランの旅だったので、その後唐突に「牛タン食べよう!」ってことになって仙台まで車を走らせて、せっかくだから中尊寺金色堂も見て、平泉温泉も入って、めちゃくちゃ楽しかったです!



Q3、今後の抱負を聞かせてください。

現在内弟子が12人いる中で頭をやっています。
もともと人を引っ張るのが苦手で、後輩の面倒をみるので手一杯になってしまって自分のメンタルの低さに悩んだりします。でもこの道で生きていくと決めたのだから、言いたくないことも言ったり、後輩にまかせたり考えさせたりする勇気を持とうと思うようになりました。
役者としてはとにかくずっと一線で活躍し続けられるようになって、観に来て良かったと思ってもらえるような舞台を作っていきたいです。

プロフィール
1983年 大阪府寝屋川市生まれ。
高校卒業後大阪能楽養成会にて学んだ後、
宝生流二十世宗家のもとにて現在内弟子修行中。


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