風がまたいで

 

       ある日 風が朝日をまたいで

       木立の中を通り過ぎてゆく

       彩られた自然の世界を

       楽しもうと木々の

       そして葉のひとつひとつにふっと一瞬

       とどまって次の葉へと遊んでゆく

       人知を超えた在るがままの世界を

       風は自在に楽しんでいる

       知識は有限の世界しか判らない

       作り出した世界 考えられる世界

       分別された世界しか判らない

       あなたも一本の木となって

       いちまいの葉になりきって

       風や鳥や空や

       お日さまと触れ合ってみるといい

       左脳ばかり使う今の人間をやめて

       自分を放り出してみるといい

 

       世界は沢山の自然の声に満ちています

 

 

 

                   ** 著作  けしごむ  **

 

 

       *この詩は 連載中の隔月刊誌に発表した作品です。 写真は掲載のものです