牡牛座8度(牡牛座7度0分〜7度59分)

(日本語訳)

牡牛座8度 雪と一緒にないそり

これは、「人が日常生活の問題に直面したときに常に援助を呼び起すことができる魔法」の象徴である。この象徴に暗示されているのは、人生の挫折(失敗)を促進することになる偶発的な関係(注:大雪に象徴されている)を不必要に受け入れる(べきでない)ことである。(=不測の事態に備えて準備しておくべきである。)

自然は現実を支える手段をかなり気前よく与えてくれるので、この乗り物(=そり)は雪が最も想像を絶する(=大雪の)状況下でのみ必要とされる。(だからこそ大雪に備えてそりを用意しておくべきである。)(備えあれば憂いなし

キーワードは「sustainment(維持、持続)」である。

プラスの場合は、与えられた環境の中で実現されていないより大きな可能性が何であれ、自己を完全かつ効果的に調整することができる。

マイナスの場合は、より良い明日を漠然と望んで今日のフラストレーションに明るく耐える。

原文
TAURUS 8  A sleigh without snow
This is a symbol of the magic which man always may summon to his assistance in facing the problems of everyday living. Implicit in the static stress of the symbolism is a needless acceptance of the contingent relationships by which the defeats of life are facilitated.
Snow is only necessary for this vehicle under the most unimaginative circumstances, since nature is ever prodigal in her means for supporting reality. The keyword is SUSTAINMENT.
When positive, the degree is a complete and effective alignment of self with whatever greater possibilities may remain unrealized in a given milieu, and when negative, a cheerful tolerance of today's frustrations in the vague hope of a better tomorrow.


(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


...........................................................................................

牡牛座8度 雪と一緒にないソリ


実際的な面で、将来必要になるであろうと思われることをあらかじめ用意することで、自分が生きてゆくために必要なものを人よりも余裕を持って獲得することができます。先見の明のある人だと言えるでしょう。


 「雪」が降ってもいないのに、あらかじめ「ソリ」を用意しておこうというこの準備のよさは、厳しい未来が必ずやって来ることを予測する姿勢を表します。8度は7度の対立の調整であると牡羊座の項でも説明しましたが、6度で他の世界に「橋」をかけると、必然的に7度では立場の優劣から生じる差別が登場するので、8度ではそれに対してあらかじめ対応策を考えておくという周到さを示すのです。
 8度は防衛力にも関係します。
 7度ではただ耐えることが必要でしたが、8度では自分の置かれた立場から脱却して、状況全体を客観視しようという姿勢になります
 牡牛座7度の“サマリアの女”は、自分の属する伝統を過去にさかのぼって知ることで未来の自分の立場を予測することができますが、自分の立場にこだわっていては余裕のあるものの見方は手に入りません。この8度には先を見通す能力を持つ人が多いのですが、それは自分も含めて視野を広げたことで未来への対応策がわかるようになるからなのです。

 鏡関係にある蠍座8度は “湖面を横ぎって輝く月” です。7度の「潜水士」が潜った「湖面」を見つめていると「月」の影が横切っていきます。海に潜る7度とは違い、8度では湖を離れたところから見つめています。「潜水士」のように率先して潜り込んで自分の場所がわからなくなるようなことを避け、むしろ湖から浮かび上がってくるものを受動的に見つめるのです。牡牛座8度も、6度で立場の違う人々との間に「橋」を架けた結果が7度で現れてきたのを、改めて見つめ直す姿勢でもあります。
 人との交流において打ち解けることができず、結局、差別や比較に陥ってしまうのは、牡牛座第1グループで自らの富や優位性に没入した行為が残したカルマのようなものです。しかし他者とのこうした立場の違いを知ることで、未来に何を得たらこの競争に勝てるかもわかります。相手はアルマーニを着ていたが、自分は安物のTシャツだったので相手の目が自分を笑っていた。それならもっと高いブランドの洋服を着ればこの場面での戦いには勝てるはずだといった、何を補充し、強化すれば、この差別に立ち向かえるかという戦略が8度で手に入るというわけです。「サマリアの女」の段階では、渦中にあるために、このような対策を思いつくことはできなかったのです。
 獅子座8度は “ボリシェビキプロパガンダを広める人” で、獅子座7度の「空の星座」という永遠を感じさせる原理を地上に持ち込もうとします。これは牡牛座7度の「サマリアの女」という差別や社会のヒエラルキーを破壊することに通じます。客観視して見つめるという8度の性質が獅子座では、いきなり社会制度を改革するところから発想するというふうに飛躍するのです。
 水瓶座8度は  “美しい衣装を着た蝋人形” です。これは、水瓶7度でいかなるローカルな接点も拒否し、卵のようにつるんとした生き方を目指した人が、次なる生き方を考えるために、フィギュアを並べた箱庭的な世界を構築し、シミュレーションによって戦略を練るという姿勢を意味します。「蝋人形」は現代であればパソコンのCGです。水瓶座では、戦略を考えるときの方法はパソコンを使った頭脳ゲーム的なものとなりますが、牡牛座の人は非常に感覚的で実際的なので、雪のない、まだ9月のあたりから、ソリを購入するという方法になるのです。
 自分を社会の中に押し出す時に、どこをどう補充すれば防衛できるのかを社牛座8度の人はすでに知っているので、ここで「対社会における自分の生き方の方針の俯瞰図」を手に入れることになるのです。

 進行天体がこの位置にある時

 何を強化すれば、もっと強く生きることができるか、満足が得られるのか、工夫をする時期です。これは自分に何が欠けているかを知らないことにはわかりません。いろんな人に会って、自分のコンプレックスを刺激されると、むしろそこで、自分に何が欠けていて、何が強いかも理解できるでしょう。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

...........................................................................................

出典はこちら↓


https://www.amazon.co.jp/Sabian-Symbols-Astrology-Symbol-Explained/dp/094335840X


https://www.amazon.co.jp/愛蔵版-サビアン占星術-エルブックス・シリーズ-松村潔/dp/465120109