ST8300を使ってみての感想です。
(1) 意外に感度が良い。KAFチップの特徴である赤の感度が特に良い。
(2) 案外ダークノイズが少ないが、宇宙線ノイズを拾いやすい。
(3) コンパクトで軽量。
 
(1) に関して言えば、現在TOAにレデューサーを入れて、F5.5程度になっているので、Fがどのあたりまでがボーダーラインになるかが問題。ST2000はF6がボーダーラインで、F7あたりから急激に像が悪くなった。
今のところの感触では、ST2000と同等か、少しいいくらいではないかと推測。ノイズが少ない分、出来上がりの画像が良い。購入の際、UTOさんに聞いたら「セルフガイドに未練がないなら、ST8300をお勧めです」とおっしゃったけどまさにそのとおりでした。カメラも軽いので接眼部にかかる負担も少なくてすみます。
 
(2) に関しては、嬉しかったり戸惑ったりでした。ダークノイズが少ないというのは、置き換えると感度が良いのと同じだから歓迎すべき事なのですが、宇宙線ノイズを拾いやすいので、ランダムノイズがダークフレームに乗っかることになります。ダークフレームを4枚撮影して、そのまま加算平均してしまうと、ランダムノイズである宇宙線ノイズがダークフレームに残り、ライトフレームから差し引いて、黒い丸や糸状のものが残ってしまいます。これを防止するには、ダークフレームを合成するときに、中央値を使う方法があります。
 
使い勝手もいいし、この値段でこの性能なのだから、コストパフォーマンスはすごいですね。
 
ただ、これから購入を考えている人で、光害がひどいところでの撮影の場合は、もっとピクセルサイズの大きいチップを搭載したカメラをお勧めしたいと思います。また、F値の暗い光学系、焦点距離が1500ミリ以上の場合も同じです。
 
ダークを中央値で合成し、ライトフレームから引いたM33を再アップです。
光学系TOA150 カメラST8300 L=10分×3枚 R=G=5分×3枚(3×3) B=5分×4枚(3×3)
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