くる日もくる日も穴を掘る。
穴を掘っては埋め直した。
平らな土の丸い跡が毎日毎日増えていった。
他にやることはなくどこにも行けなかった。
行く宛もなければ手段もない。
許される事は穴を掘る事だけだった。
俺とあいつらで穴を掘った。
そこに何も意味はなかった。
掘っては埋め掘っては埋め、夜が来ると眠り朝が来ると起き同じ事を繰り返した。
目的はなく意味などなかった。
いつしか誰もがそれを欲しがりおかしくなっていった。
俺はそれでも毎日同じ事を繰り返した。
日を追うごとに周りの人間が居なくなっていった。
直された穴の上には土の山ができるようになっていた。
日に日に人は減って行っていたが、おかしくなる人間も減っていった。
暫くすると周りの人間は数える程になっていた。
するとまたおかしくなる人が出てきた。
俺もどうにかなりそうな気分だった。
未来が見える事がこんなに怖いことなのだと思わなかった。
ある日俺は夜明けと共に穴を掘り出した。
大きなくぼみを作り、中に入るとただ静かに待った。
俺はその時を静かに待った。
人生で一番満たされる時が穴の中にあるとは思ってもいなかった。
俺はそこに座りこみ目をつぶると満ち足りた気持ちでただ静かに待った。
気付くと穴蔵は真っ暗になっていた。
見上げた空にも穴蔵が続いているようだった。
俺は外に這出ると山になった穴の横に倒れているやつをみつけた。
近づき覗き込むと首から真っ黒な物を流していてそれが穴の跡に続いていた 。
見開いた目と俺の目が合った。
それでもその顔はどこか幸せそうだった。
そうして俺は今も穴を掘っている。
俺一人で穴を掘る。
掘っては埋め掘っては埋める。
もう俺に満たされる事が日がくることはない。
終
(百年カレンダーを思い出して勝手に考えた物語)